大塚労務管理事務所   お問合わせ先
労務管理事務所とは
ホットニュース
《2007年》
[12月]
2007年12月28日  読売新聞 企業年金966億円未払い 厚生年金基金 14万人、住所不明も
2007年12月28日  読売新聞 企業年金連なお未払い1364億円 理事長が引責辞任
2007年12月26日  読売新聞 年金保養センター 「はなまき」閉鎖へ
2007年12月25日  スポニチ 岩見隆夫の永田町曼陀羅 わかっていない「一億国民の倫理観」
2007年12月24日  しもつけ随想 涙の朝焼け空 (陶芸家 成良 仁)
2007年12月20日  言わぬ損より言った損 学校給食法「食育」目的に「おいしい」と楽しめる時間
特集U 労災  特集U 〜労災保険給付のポイント〜
2007年12月17日  読売新聞 スキャナー 勤務医師の過労死 「当直」違法状態 回数超過、手当不払い
2007年12月14日  読売新聞 不明年金 台帳照合3300万件のみ 来年度作業 2年で8億 困難
2007年12月14日  読売新聞 編集手帳 防衛省のたるみ″
2007年12月13日  読売新聞 医師の過労死6人 今年急増 労災認定4人、賠償2人
2007年12月11日  下野新聞 「暫定税率下げ前倒し」 揮発油税
 ガソリン高騰で民主税調会長
2007年12月11日  スポニチ 岩見隆夫の永田町曼荼羅
 2大党首の指導力が見えない
2007年12月4日  下野新聞 論説 とちぎ発 独立行政法人の見直し
 改革後退なら説得力失う
2007年12月1日  読売新聞 編集手帳
[11月]
特集 労災  特集 〜状況別・業務上災害認定のポイント〜
2007年11月30日  夕刊 よみうり寸評
2007年11月30日  読売新聞 道路特定財源 暫定税率 戻すのが筋
2007年11月29日  夕刊. よみうり寸評
2007年11月27日  下野新聞 栃木第三者委 年金確認で第2部会設置
        体制強化し審議迅速化
2007年11月24日  読売新聞 編集手帳
2007年11月23日  読売新聞 編集手帳
2007年11月22日  夕刊 よみうり寸評
2007年11月21日  夕刊 よみうり寸評
2007年11月19日  労働新聞 雇用保険率1.5.%へ 平成20年度
2007年11月11日  下野新聞 会計検査院報告 犯罪まがいの事案目立つ
2007年11月7日  下野新聞 しもつけ随想 マイスタンダード
2007年11月5日  労働新聞 パワー・ハラスメント 叱咤、指導に履き違えないか 
 高圧的言動の見直しを 嗜虐性うかがわせる例も多い
 今週の視点
2007年11月3日  読売新聞 薬害肝炎 月内和解を目指す
 厚労相「謝罪、補償する」
2007年11月1日  読売新聞 パワハラ自殺2審も認定 
 名古屋高裁「心理的負荷でうつ病」
[10月]
2007年10月30日  読売新聞 全容解明まだ先
2007年10月29日  読売新聞 取り返しのつかない実害
2007年10月26日  読売新聞 社説 エイズの愚″を繰り返す厚労省
 人命あまりに軽視 薬害肝炎資料発見 原告「笑って言われた」
2007年10月22日  読売新聞 労保審査会 パワハラ自殺 労災認定
 盛岡の男性 労基署決定覆す
2007年10月16日  読売新聞 東京地裁認定・お願いだから消えてくれ 
 上司暴言で自殺「労災」
2007年10月13日  読売新聞・社説・年金横領告発・甘い処分の総点検が必要だ
2007年10月12日  労働新聞 平成19年1月22日
 (中村純 産業医科大学精神医学教室・教授)
2007年10月10日  スポニチ 唯我独論 ムラの村長″よ 責任を取れ
2007年10月9日  重婚的な内縁者の遺族補償はどちらに
2007年10月6日  共働きの妻は遺族補償給付の対象者か
2007年10月5日  赴任半年で2度目の帰省中負傷したが
2007年10月4日  下野新聞 「年金施設」相次ぎ売却 栃木社会保険センター
 12月に一般入札 事業継続に不安も
2007年10月4日  マンションの中の階段から転落したが
2007年10月3日  内定者が研修に行く途中負傷したが
2007年10月2日  直行中の事故は業務上と通災のどちら
[9月]
2007年9月28日  始業前の着替え中の負傷は業務上か
2007年9月27日  派遣労働者の手続きはどちらが行う
2007年9月24日  下野新聞 しもつけ随想 素直な感動 成良 仁(陶芸家)
2007年9月21日  労働基準広報 国・羽曳野労基署長事件・H・19.4.18.判決。
 退勤途中に義父宅で介護行った後の交通事故・
 義父の介護は日用品購入に準ずる行為であり通災。
 事件の概要
2007年9月16日  下野新聞 栃木07自殺社会の現場から
 第1部 「追い詰められた末に」佐野市幹部、59歳 
 合併″重責一身に残業は月100時間 手付かずの夕食
 10キロ近く体重は減った
2007年9月14日  下野新聞 栃木07自殺社会からの現場から
 第1部 「追い詰められた末に」男性医師、38歳。
 10枚に及ぶ遺書・父は当日「医療ミス」を知った。
 「答え」を求め 労災申請
2007年9月13日  読売新聞 「よみうり寸評」
2007年9月13日  スポーツニッポン 悲惨でみじめ 政治評論家 森田実氏
2007年9月7日  スポーツニッポン
2007年9月5日  スポーツニッポン
2007年9月1日  読売新聞 よみうり寸評 8.31.夕刊
[8月]
2007年8月29日  読売新聞 社説 なんとたるんだ海自の情報管理 イージス艦
2007年8月23日  読売新聞 中皮腫の死者1人 遺族への補償決定
 横浜の建材製造会社
2007年8月17日  読売新聞 なるか再生 「ベルサイユ化」抜け出せ
 堺屋 太一氏
2007年8月14日  読売新聞 編集手帳
2007年8月6日  下野新聞
2007年8月3日  読売新聞
[7月]
2007年7月16日  下野新聞 塩崎官房長官・年金記録不備問題・
 賞与返納を渋る厚労次官に激怒・「民間なら倒産だ」
2007年7月14日  読売新聞  よみうり寸評
2007年7月12日 下野新聞 地方第三者委本県5人発令 総務省
[6月]
2007年6月30日 読売新聞 「社保庁 手抜き当たり前」 職員が告白・年金番号確認せず・昼休みに入ると無視・働くとしかられた
2007年6月26日 読売新聞 不明5000万件 解析チーム設置へ 厚労省
2007年6月25日 下野新聞 緑資源07年度廃止 林道事業は都道府県移管
2007年6月23日 読売新聞 社会保険庁・年金記録に関する年表
2007年6月23日 読売新聞 年金問題で丹羽元厚相 「自分自身を恥じている」
2007年6月15日 下野新聞 検証委初会合 1カ月以内に中間報告
2007年6月15日 社保OB15人発注先に天下り 共産・小池氏指摘
2007年6月13日 07.6.12. 下野新聞 都道府県単位で第三者委を検討 年金記録不備で首相
2007年6月8日 閣議後記者会見用・大臣御発言要旨(案)(年金記録問題検証委員会関係)
2007年6月7日 07.6.7. 読売新聞 社労士連合会が無料相談
2007年6月7日 朝日新聞 社労士への年金相談、「無料で」 連合会、全国へ要請
2007年6月6日 連合会理事会・NHK19:00.ニュースで年金記録漏れ関連で報道された。
2007年6月5日 07.6.5 読売新聞 年金ずさん、5000万件バイト任せ
[5月]
2007年5月26日 07.5.26 年金記録不備
2007年5月21日 07.5.21 労働基準広報
 東京・池袋署・女性研修医の過労自殺で労災認定
2007年5月18日 07.5.18 セクハラを労災認定
2007年5月8日 07.5.8 漂流する倫理
[4月]
2007年4月6日 07.4.6 「窓」閉ざすばかりでは
[3月]
2007年3月17日 07.3.17 読売新聞
 ヤマダ電機に是正指導
職業安定法違反 メーカー販売員に指示 大阪労働局
2007年3月14日 07.3.14 読売新聞
 高次脳機能障害 就労支援の輪
 事故で頭を強打 ひどい物忘れ
 「マニュアル」つくり自己管理 正社員に
[2月]
2007年2月15日 腰痛女性に「甘えるな」 労基署課長が暴言 成田
[1月]
2007年1月22日 労働新聞・社労士プラザ・「災害状況の確認を徹底」掲載される。
2007年1月6日 仕事始め「うつ病」関連で「心の痛み診察室」下野新聞で連載。
 
【2007年12月】
07.12.28 読売新聞 企業年金966億円未払い 厚生年金基金
     14万人、住所不明も
 企業年金の一種である「厚生年金基金」で、受給資格あるのに年金の支給を受けていない人が今年3月現在で13万7000人に上り、累計で約966億円が未払いとなっていることが27日、厚生労働省の調査で明らかになった。厚生年金基金には公的年金である厚生年金の一部を代行して運用している部分も含まれている。公的年金の支給漏れにつながる可能性もあり、国の監督責任も問われそうだ。
 調査は、民主党の長妻昭政調会長代理が要求していたもので、厚生労働省が同日、結果を開示した。
 調査対象となった厚生年金基金は、解散や代行返上を予定している基金を除いた計621基金。
 未払いが判明した13万7000人の平均年金額は年間20万3000円で、年間で総額248億円が支払われていない。累計の966億円は、これらの人が60歳になってから今年3月末までに受けるべき年金の額を積算した総額。1人当たりの平均加入期間は8.4年で、5人に1人は15年以上の加入期間があった。
 このうち約3万6000人については、基金側が本人の現住所を把握しておらず、年金を受給できることを連絡できない状態となっている。残りの約10万人は住所を把握しているが、621基金のうち、36の基金では本人からの申し出がなければ、受給のための申請書類を送っていないなど、受給資格のあることが伝わっていない可能性もある。基金によっては時効が設けられており、5年間請求がないと年金が受け取れないケースもある。
 また、60歳未満の人で、転職などにより厚生年金基金から脱退したが、受給開始年齢に達すれば受給できる「待期者」117万人のうち8万4000人の住所が不明で、今後、支給漏れが拡大する恐れもある。
 厚労省は今年10月、年金の未払いを解消するため、各基金に対し、年金の請求書類の送付など対応策を取るように指導している。
 今後は、厚生年金基金の加入者の記録と社会保険庁の厚生年金などの記録を突き合わせ住所の把握に努める方針だ。
 

子供のカクレンボ、可愛いねぇ〜!!

07.12.28. 読売新聞 企業年金連なお未払い1364億円 理事長が引責辞任

   雪化粧、素敵な景色!

 

 企業年金連合会の加藤丈夫理事長は、27日、厚生労働省内で記者会見し、同連合会の年金が124万人に未払いになっている問題で、「十分な手立てを講じなかったという不作為の責任がある」などとして、退任することを明らかにした。後任には徳永哲男元旭化成副社長が就き、2月の理事会で正式に決定する。
 同連合会によると、未払い問題が発覚した今年9月以降、広報体制を強化して年金の請求を呼びかけたが、未払いが解消したのは、11月末で約13万人と、約1割にとどまった。未払いの累計額は、約180億円減の約1364億円と、依然として多額の年金が支払われずに残っている。
 大量の未払いの発生は、同連合会が申請主義のもと、加入者の住所情報を把握してこなかったことが主な要因とされる。このため、同連合会は2008年度から、社会保険庁が管理する年金受給・加入者の住所情報の提供を受け、住所が判明した受給資格者らに年金の請求書を送付する。将来的には住民基本台帳ネットワークからも、最新の住所を把握できる仕組みを構築するとしている。
 ★年金で始まり年金で終わった!?

07.12.26. 読売新聞 年金保養センター 「はなまき」閉鎖へ
 社会保険庁が建設した「国民年金健康保養センターはなまき」(岩手県花巻市)が、社保庁OBのセンター長(66)の設立した有限会社に随意契約で業務委託していた問題で、施設を運営する財団法人・岩手県国民年金福祉会(理事長=大石満雄・花巻市長)は25日、来年6月で同センターの運営から撤退する方針を決めた。同センターは閉鎖される見通し。
 問題発覚後も、センター長が留任するなど、同協会に批判が集まっていた。同センターは、社保庁の資産を引き継いだ独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)から、同協会が運営を受託している。
 ★一言欄 遅い!? 決断とは?? お役所仕事…?これから6カ月かかる?
 

キャンプ場 雪の中の管理棟全景

07.12.25. スポニチ 岩見隆夫の永田町曼陀羅 わかっていない「一億国民の倫理観」

   何も見えない!!

 

 今年最後の、<曼陀羅>である。危なっかしい年越しだ。何が危ないかと言えば、政治と民心の距離が相当広がったこと。これ以上広がると、政治は危険水域に入っていく。
 政党と政治家がそれをどの程度、心底から自覚しているか。生涯、「信なくば立たず」と言い続けた三木武夫元首相が81歳で死去したのは、1988年11月14日だった。その前年の4月、三木は衆院議員在職50年の表彰を受ける。だが、すでに病の床にあって本会議場への出席はかなわず、謝辞はペーパーで議員席に配られた。なかに、
 <…国民の信を失った政党がやがて衰弱の一途をたどり、わが国の運命に大きな不幸をもたらした事実は、歴史が教えるところであります…>
 のクダリがある。90年、死後の三木に名誉議員の称号が授けられ、国会正面玄関に尾崎咢堂翁と並んで胸像が建ったが、政党が信を失いかけている現状に、三木は天上から憂いを深めているだろう。やはり、謝辞の中で、
 <政治家にとって最も大切な資質は、一億国民の倫理観に耐え得るものでなければならない>
 とも三木は訴えていた。
 今年は、国民の側にも倫理観を疑わせる数々の事件が起きた。一連の食品偽装、生保不払い、CO中毒事故、コムスンの不正取得など企業モラルの低下は目をおおうところまできてしまった。その背後には、モラルに鈍感になった国民の姿がある。
 だが、さらに一枚めくると、防衛利権、薬害C型肝炎、年金記録漏れ、独立行政法人改革などにみられる官僚の腐敗、隠蔽、怠慢の体質は度を超しており、<亡国の兆し>さえ感じさせるのだ。それを処理できない政府、政党、政治家は機能不全に近い。モラルに鈍感といわれる国民の不信、怒りもさすがに火がついてきた。
 先日、内閣支持率の急落に、福田康夫首相は、
 「正直言って、いいことはないですけどね。ただ、間違ったことをしているとは思っておりません。じたばたしてもしようがない。なるようになる、ということですよね」
 と例によって福田節で心境を語っていた。間違ったことをしていない、という言葉に、世論の不信の高まりに釈然としない福田の姿勢がみてとれる。
 だが、これでは年を越せないと判断したのだろう。押し詰まった23日になって、福田は、薬害肝炎集団訴訟の原告が求める補償問題で方針を転換、一律救済に応じる議員立法の整備を指示した。いまの政情を象徴している。
 「首相は役人の振り付けに乗っているだけだ。法の体系が崩れる″と言っているうちに政権が崩壊することに気づいていない」(公明党幹部)
 などと与党からも不満が噴出し、福田も重い腰を上げざるをえなかったのだ。
 間違ったことをしていない、と内心思いながら、福田は世論の逆風を恐れた。福田だけではなく、与野党の政治家も同じである。三木が言う<一億国民の倫理観>がわかっていないのではないか。来年はそれがさらに問われる。
 =敬称略=
 ★一言欄 国の親分がケセラセラとはねぇ〜!? 役人天国??

07.12.24. しもつけ随想 涙の朝焼け空 (陶芸家 成良 仁)

     美しい!

 

 1991年10月、ビナトゥボ山(フィリピン)が20世紀最大といわれる大噴火を起こした。6月の最初の爆発前日には6万人以上の人が緊急避難(現在も支援活動が続く)、その後しばらく日本の空が朝焼け夕焼けでまっ赤だったこと記憶にある方も多いと思う。
 その年のことだったと思う、暮れも押し迫った寒い朝のこと。年明けの東京Tデパートでの個展のため、徹夜が続いていた。頭も朦朧と秒読み段階の最後の窯出し。最も気にいって力を入れ、今回のメインの作品にしようと思っていた大壺が入っていた。期待に胸膨らませ、そっと蓋を開け…愕然!!
 「ありえない!」
 期待のその作品にだけ、かなりの窯キズがあるではないか…力が抜け、その場にへたり込む。
 「どうして!?こんなにがんばっているのに!どうして!?どうしよう!?」
 疲労と寒さと半ば諦めの気持ちで窯場の柱に寄りかかり、流れる涙を通して見上げた空。そう、それまで何気なく見ていた空。ビナトゥボ山の噴煙がはるか日本まで吹き送られて、それはそれは美しい朝焼けとなって空いっぱい真っ赤に染められているではありませんか!!…どのくらい観ていただろうか?脱け殻に力が湧いてきた。
 「焼直してみよう!」
 時間的にも物理的にも、とってもうまくいくはずがない(大物のキズはほとんど100パーセント焼き直し不可能)でも大壺を抱え朦朧としながら筆で釉を丹念に乗せて、それ一個だけ窯に入れた。
 窯をたき、冷まし、搬入の用意もして、少し冷静に諦めつつも窯を開けてみた。…そして、またまた驚愕!
 「ありえない!どうして!?」というほど完璧に美しくキズは癒してそこに居るではないか!誰に言うともなく、「ありがとう!ありがとう!」
 普段、神頼みなど大嫌いな私だが(窯焚きの前と後には手を合わせるけど)、あの時は確かにどなたかいたらしいな″と感じざるを得なかった。
 捨てる神あれば拾う神ありともいうけど…今後はもっともっと頑張って、人に訴える作品を作って恩返しをしなくては…。
 ところで、その大壺のその後はと言うと、個展の会場のメインを飾って、最終日になんとセントルイス美術館(アメリカ・ミズーリ州)に嫁入りしたのであります。
 振り返ると、なんとも不思議な体験だった。
 今でも朝焼け夕焼けの空を見ると、あのときの空気気分(朦朧としていたので、夢だったのでは?)を思い出し、胸が痛くなる…。
 ★一言欄 運も実力のうちですな…!!

07.12.20. 言わぬ損より言った損 学校給食法「食育」目的に
     「おいしい」と楽しめる時間

新幹線大宮駅、一本もいない時間があった!!

 

 小中学校の給食の主要目的が変わるらしい。今までの目的は「栄養改善」だったのが、これからは「食育」に転換するという方針を文科省が固めたのだそうだ。
 1954年(昭和29)に施行された学校給食法が、大幅に改正されるのは初めてだとか。当時は食料不足で給食は子供の栄養補給に必要だったのだ。小学校時代、脱脂粉乳のミルクを涙目で飲んだのも、ひとえに栄養改善のため、だが、それから53年、ずっと栄養改善という目的が据え置きだったことに今更ながら驚く。何たる怠慢。
 文部省だって文部科学省と名称が変わったというのにねえ。子供の食の状況変化にまったく無頓着だったとしか思えない。その間に栄養改善どころか、子供だってメタボを心配するような栄養過多や栄養偏重の飽食の時代が訪れ、24時間型のコンビニエンスな社会に移行し、家族関係や生活時間も含め、子供を取り巻く食環境は激変している。
 半世紀以上たって遅ればせながら、学校給食法って何のためにあるんだっけ?と気づいていただいたことは、まあよかったけれど、今度は感度の鈍い文科省が「食育」をあれこれ規定して、つまらん取組を学校に課すのでは?と思ったら、やっぱりそうだった。
 まず、食材の生産者や生産過程、流通や食文化などを学ぶ場と明確に位置づけるんだそうだ。しかも、それらを学びつつ郷土への愛着を育てるのそうだ。これは改正された教育基本法に、伝統文化を学べだの、国を愛せだのと盛り込まれたことを、給食時間を利用して実施するということなのだろう。さらに食育を推進する栄養教員の役割を条文に明確に盛り込むとか。つまりマニアル作ってやるから、その通りに食育を実行しろよということだ。まだあったぞ。子供に必要な栄養の量やバランスを示せだって。
 メシがまずくなるとは、まさにこのこと。今、子供に一番必要なものは何か?
 昔は不足していた栄養を補おうとしたのなら、今、子供に不足しているものは何かと考えるべきじゃないのだろうか。私が思うに、それは食べる楽しみ″ではないかと思う。個食が増えている今、食卓での会話は激減している。会話があっても、成績が下がったと叱られたり、学校のことを問い詰められたり、法廷か事情聴取のような味気ないものも多い。せめて学校の給食の時間は、「おいしいね」と言いながら楽しく過ごさせてあげたい。大人だって、一緒に物を食べると親近感が湧く。「ま、一緒に喰おうや」と先生も子供も顔の筋肉をほぐし、自然な笑いや会話の中で、子供が興味を示したことに臨機応変に応えてあげればそれこそ生きた総合の時間。それじゃいけないんですかね。
 (エッセイスト 吉永 みち子)
 ★一言欄 ヒマなのかねぇ〜 子供の給食の法律をかえることに頭を使って!屁理屈を改正するとロクなことはない!53年何もなかった!メシはうまく喰えればよし!?

特集U 〜労災保険給付のポイント〜〜

    雑 木 林

 

 1 労災保険給付
 労災保険による保険給付には、大きく分けて、@業務災害に関する給付、A通勤災害に関する給付、B二次健康診断等給付―があります。業務災害及び通勤災害に関する給付は、労働者が災害を被った場合に行われるもので、二次健康診断等給付は、予防的見地から行われるものです。
 (1)業務災害に関する給付
 業務災害に関する給付は、労働者の業務上の負傷、疾病、障害または死亡に対するものです。その保険給付には、@療養補償給付、A休業補償給付、B障害補償給付、C遺族補償給付、D葬祭料、E傷病補償年金、F介護補償給付、―――の7種類があります。
 このうち、療養補償給付については、治療の現物支給である「療養の給付」と、労災指定医療機関以外で治療を受けた場合などに、治療にかかった費用を現金で支給する「療養の費用の給付」があります。
 また、傷病補償年金は、他の保険給付とは異なり、被災労働者や遺族などの請求によって保険給付の決定が行われるのではなく、支給事由を満たす場合に、政府が職権で支給決定を行います。
 (2)通勤災害に関する給付
 通勤災害に関する給付は、労働者の通勤による負傷、疾病、障害または死亡に対するものです。その保険給付には、@療養給付、A休業給付、B障害給付、C遺族給付、D葬祭給付、E傷病年金、F介護給付―――の7種類があります。
 療養給付には、業務災害における療養補償給付と同様に、現物による「療養の給付」と現金による「療養の費用の給付」があります。また、傷病年金の支給決定の仕組みも、傷病補償年金の場合と同様です。
 このように、業務災害に関する給付と通勤災害に関する給付は、給付の名称は異なりますが、給付の内容は同じものとなっています。(ただし、通勤災害の療養給付には、一部負担金(200円)の制度があります)。そこで、以下、各種給付の詳しい内容については、業務災害のケースとして説明していくこととします。(給付内容は平成17年4月1日現在)。
 (3)二次健康診断等給付
 労働安全衛生法に基づく健康診断において、血圧検査、血中脂質検査、血糖検査、肥満度の検査のいずれにも異常があると診断された場合、労働者の請求に基づいて必要な検査及び特定保健指導を現物給付します。
 ●労災保険給付の概要
 療養のため休業する場合
 療養(補償)給付…療養費の全額
 休業(補償)給付…休業4日目から休業1日につき休業給付基礎日額の60%
 傷病(補償)年金…療養開始後1年6か月経過しても治らずその傷病が重い場合:年金給付基礎日額の313日分(1級)〜245日分(3級)の年金
 障害が残った場合その程度に応じ
 障害(補償)年金…年金給付基礎日額の313日分(1級)〜131日分(7級)の年金
 障害(補償)一時金…年金給付基礎日額の503日分(8級)〜56日分(14級)の一時金
 被災労働者が死亡した場合
 遺族(補償)年金…遺族数に応じ年金給付基礎日額の153日分〜245日分の年金
 遺族(補償)一時金…遺族補償年金受給資格者がいない場合、その他の遺族に対し年金給付基礎日額の1000日分の一時金
 葬祭料(葬祭給付)…31万5000円+給付基礎日額の30日分(最低補償額は給付基礎日額の60日分)
 常時または随時介護を要する場合
 介護(補償)給付…1カ月当たり、常時介護は10万4970円、随時介護は5万2490円を上限
 脳・心臓疾患に関連する異常所見
 二次健康診断等給付…脳血管及び心臓の状態を把握するための二次健康診断及び医師等による特定保健指導
  ※ 上記の他に労働福祉事業による特別支給金があります。

 2 療養(補償)給付
 療養補償給付には、被災労働者に対して労災指定医療機関において診察や薬剤の支給などの療養を無料で受けさせる現物給付の「療養の給付」と労災指定医療機関以外で療養した場合に、その療養に要した費用を現金で支給する「療養の費用の給付」があります。
 (1)支給要件 労働者が業務上の事由により負傷したり、または疾病にかかり、療養を必要とする場合には、療養補償給付が行われます。療養補償給付は、被災労働者に対して、労災病院または労災指定医療機関において、診察、薬剤の支給、手術などを無料で受けさせる現物支給による「療養の給付」を原則としています。
 ただし、緊急に診察を受ける必要があったり、地域事情により近くに労災指定医療機関がない場合などで、労災指定医療機関以外の病院などで療養した場合には、その療養に要した費用を現金で支給する「療養の費用の給付」が行われます。
(2)給付内容
 療養の給付は、次のもののうち、政府が必要と認めるものとなっています。
 @ 診察
 A 薬剤または治療材料の支給
 B 処置、手術その他の治療
 C 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
 D 医院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
 E 移送
 療養の給付は、原則として「治ゆ」するまで、つまり、その傷病が療養を必要としなくなるまで行われます。この場合の「治ゆ」とは、具体的には、@負傷にあっては創面の治ゆした場合、A疾病にあっては急性症状が消退し、慢性症状は持続しても医療効果を期待し得ない状態となった場合―――をいいます。
 (3)請求手続き
 療養の給付を受ける場合には、「療養の給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)に所要の事項を記載し、事業主の証明を受け、療養を受けようとする労災病院または労災指定医療機関を経由して所轄労働基準監督署長へ提出することになります。(通勤災害の場合は様式第16号の3を使用)
 療養の費用の給付を請求する場合には、「療養補償給付たる療養の費用請求書」(様式第7号(1))に所要の事項を記載し、所轄労働基準監督署長に提出します(通勤災害の場合は様式第16号の5(1)を使用)。
 なお、療養の給付を受ける場合においても、通院や移送の費用については、その性質上現物給付が困難なため、療養の費用の給付を請求することになります。また、柔道整復師やはり灸師などにかかった場合には、特別の請求書を使用します。
 

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 3 休業(補償)給付
 業務災害を被った労働者が、療養のために労働することができず、賃金を受けない場合、その休業4日目からは、給付基礎日額(平均賃金相当額)の60%の休業補償給付が支給されます。実際は、休業特別支給金として給付基礎日額の20%がプラスされ、合計80%が支給されます。
(1)支給要件
 休業補償給付は、療養中の労働者が次の@〜Bに掲げるすべての条件を備えている場合に、休業4日目から支給されます。
 @ 業務災害により療養していること
 A その療養のために労働することができないこと
 B 労働することができないために賃金を受けていないこと
「労働することができないこと」というのは、一般的に労働することができない場合のことをいい、軽作業なら就労し得る場合は、労働することができない場合に該当しないこととされます。
(2)給付内容
 休業補償給付の額は、休業1日について給付基礎日額の60%(1日の一部分について休業し、一部分にについて就労した日については、給付基礎日額から実際に労働した部分についての賃金額を差し引いた額の60%に相当する額)が支給されます。
 また、長期休業の場合には、全産業における平均給与額が当該労働者の傷病発生時に比較して10%を超えて上昇しまたは低下した場合には、その変動率に応じて給付基礎日額が変更されて支給されることになります。
(3)請求手続き
 休業補償給付を請求する場合には、「休業補償給付支給請求書」(様式第8号)に所要事項を記載して、事業主及び診療担当者の証明を受けて、所轄労働基準監督署長に提出することになります(通勤災害の場合は様式第16号の6を使用)。
(4)給付基礎日額
 給付基礎日額は、労災保険の各種給付の額の算定基礎となるもので、原則として、労働基準法上の平均賃金相当額とされています。しかし、平均賃金相当額を給付基礎日額とすることが適当でないと認められる場合は、政府が定める額とされます。
 また、平均賃金相当額が4160円に満たない場合は、給付基礎日額は4160円になります。なお、療養開始後1年6か月を経過した者の休業補償給付の給付基礎日額には、年齢階層別の最高・最低限度額の適用があります。

 4 障害(補償)給付
 業務災害による傷病が治ゆして、労災保険法で定める障害等級に該当する障害が残った場合には、障害補償給付が支給されます。その給付内容は、残った障害が障害等級1〜7級に該当する場合は、年金、また、8〜14級に該当する場合は一時金となります。
(1)支給要件
 業務上の傷病が治った後に、身体に一定の障害が残った場合に、その障害の程度に応じて障害補償年金または障害補償一時金の支給が行われます。この場合、障害の程度については、労災保険法施行規則別表第1に定める「障害等級表」(下記参照)に掲げられている障害に該当する障害が残った場合とされています。
(2)障害等級の決定
 障害補償給付の決定の基礎となる障害等級は、原則として「障害等級表」によって判断されます。ただし、障害等級表に該当する障害以外の障害の等級については、その程度に応じて「障害等級表」に掲げる障害に準じて定めることとなります。
 また、同一の傷病による障害が2つ以上ある場合には、原則として重い方の等級を全体の等級とします。ただし、次のような障害等級がある場合には、重い方の等級を繰り上げて全体の等級とします。
 @ 第13級以上に該当する身体障害が2つ以上あるとき…1級繰り上げ
 A 第8級以上に該当する身体障害が2つ以上あるとき…2級繰り上げ
 B 第5級以上に該当する身体障害が2つ以上あるとき…3級繰り上げ
 このように障害等級の繰上げが行われた場合で、8級以下の場合、それぞれの等級の合算額が、繰り上げられた等級の給付の額に満たないときは、合算額をもって給付の額とすることとされています。例えば、第9級と第13級の障害が残った場合には、第8級の給付額である給付基礎日額の503日分ではなく、492日分(第9級の391日分+第13級の101日分)となります。
 なお、第7級以上の等級に繰り上げられた場合には、それぞれの等級の合計額にかかわらず7級以上の年金額が支給されます。
(3)障害補償年金
 「障害等級表」の第1級から第7級までの障害が身体に残った場合は、障害の程度に応じ、給付基礎日額の313日分から131日分までの年金が支給されます。ただし、同一の事由に基づいて厚生年金などの障害年金が支給された場合には、これらの年金との調整が行われます。
 障害補償年金の額
 障害等級
  第1級…給付基礎日額の313日分
  第2級…給付基礎日額の277日分
  第3級…給付基礎日額の245日分
  第4級…給付基礎日額の213日分
  第5級…給付基礎日額の184日分
  第6級…給付基礎日額の156日分
  第7級…給付基礎日額の131日分
(4)障害補償一時金
 障害補償一時金は、「障害等級表」の第8級から第14級までの障害が身体に残った場合に、給付基礎日額の503日分から56日分までが等級に応じて一時金として支給されます。
 障害補償一時金
 障害等級  第8級…給付基礎日額の503日分
       第9級…給付基礎日額の391日分
      第10級…給付基礎日額の302日分
      第11級…給付基礎日額の223日分
      第12級…給付基礎日額の156日分
      第13級…給付基礎日額の101日分
      第14級…給付基礎日額の56日分
(5)障害補償年金差額一時金
 障害補償年金の受給権者が死亡した場合に、すでに支給された障害補償年金(前払一時金を含む)の合計額が、障害等級に応じて定められた一定の額に満たないときは、その差額を遺族に対して請求に基づき支給します。その一定の額は次の通りとなります。
 障害補償年金差額一時金の基礎額
  障害等級
  第1級…給付基礎日額の1340日分
      第2級…給付基礎日額の1190日分
      第3級…給付基礎日額の1050日分
      第4級…給付基礎日額の920日分
      第5級…給付基礎日額の790日分
      第6級…給付基礎日額の670日分
      第7級…給付基礎日額の560日分
 障害補償年金差額一時金を受給する遺族は、次に掲げる(イ)または(ロ)の者で、受給順位は、(イ)、(ロ)の順となります。
(イ)労働者の死亡当時その者と生計を同じくしていた配偶者(婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の状態にあったものを含む。(ロ)において同じ)、子、父母、祖父母、及び兄弟姉妹
(ロ)上記(イ)に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
(6)障害補償年金前払一時金
 障害が残った被災労働者が社会復帰するための一時的な出費に対処するために、障害補償年金については、前払一時金制度が設けられています。前払一時金の額は、障害等級に応じて、次に掲げる額から受給権者が選択した額が支給されます。
 前払一時金が支給されると、障害補償年金は毎月分の額の合計額が前払一時金の額に達するまでの間支給停止されます。なお、一年たってからの分の額は、支払うべき障害補償年金の額を年5分の単利で割引いた額で計算した額の合計額が障害補償年金前払一時金の額に達するまでの期間とされます。
 

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 障害補償年金前払一時金の額
 障害等級 第1級…給付基礎日額の200日分400日分600日分800日分1000日分1200日分または1340日分
     第2級…200日分400日分600日分800日分1000日分または1190日分
     第3級…200日分400日分600日分800日分1000日分または1050日分
     第4級…200日分400日分600日分800日分または920日分
     第5級…200日分400日分600日分または790日分
     第6級…200日分400日分600日分または670日分
     第7級…200日分400日分または560日分
(7)請求手続き
 障害補償給付を請求する場合には、「障害補償給付支給請求書」(様式第10号)に所要事項を記載して、所轄労働基準監督署長に提出することになります。(通勤災害の場合は様式第16号の7を使用)。
 この請求書には、次の資料を添付しなければなりません。
 @ 負傷または疾病が治ったこと及び治ったときにおける障害の状態に関する医師または歯科医師の診断書
 A 障害の状態を証明し得るようなレントゲン写真などの資料
 障害補償年金差額一時金を請求する場合には、「障害補償年金差額一時金請求書」(様式第37号の2)に戸籍謄本など必要な書類を添えて、所轄労働基準監督署長に提出することになります。(通勤災害の場合も様式第37号の2を使用)。なお、受給権者が2人以上あるときは、請求及び受領についての代表者を選任することになります。
 障害補償年金前払一時金を請求する場合には、「障害補償年金前払一時金請求書」(年金申請様式第10号)に請求する前払一時金の額を記入して、原則として障害補償年金の請求と同時に所轄労働基準監督署長に対して請求することになります。(通勤災害の場合も年金申請様式第10号を使用)。
 ただし、障害補償年金の支給の決定の通知のあった日の翌日から起算して1年を経過する日までの間は、障害補償年金の請求と同時でなくても障害補償年金前払一時金を請求することができます。この場合の前払限度額は、前払最高限度額からすでに支払われた障害補償年金の額の合計額を減じた額の範囲内で選択することになります。
      障害等級表
 第1級  給付基礎日額 313日分
 身体障害 1 両眼が失明したもの
      2 そしゃく及び言語の機能を廃したもの
      3 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
      4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
      5 削除
      6 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
      7 両上肢の用を全廃したもの
      8 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
      9 両下肢の用を全廃したもの
 第2級  給付基礎日額 277日分
 身体障害 1  1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
      2  両眼の視力が0.02以下になったもの
      2の2 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
      2の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
      3  両上肢を手関節以上で失ったもの
      4  両下肢を足関節以上で失ったもの
 第3級  給付基礎日額 245日分
 身体障害 1 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
      2 そしゃくまたは言語の機能を廃したもの
      3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
      4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
      5 両手の手指の全部を失ったもの
 第4級  給付基礎日額 213日分
 身体障害 1 両眼の視力が0.06以下になったもの
      2 そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
      3 両耳の聴力を全く失ったもの
      4 1上肢をひざ関節以上で失ったもの
      5 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
      6 両手の手指の全部の用を廃したもの
      7 両手をリスフラン関節以上で失ったもの
 第5級  給付基礎日額 184日分
 身体障害 1  1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
      1の2 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
      1の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
      2 1上肢を手関節以上で失ったもの
      3 1下肢を足関節以上で失ったもの
      4 1上肢の用を全廃したもの
      5 1下肢の用を全廃したもの
      6 両足の足指の全部を失ったもの
 第6級  給付基礎日額156日分
 身体障害 1  両眼の視力が0.1以下になったもの
      2  そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
      3  両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
      3の2 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40p以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
      4 せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
      5 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
      6 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
      7 1手の5の手指又は母指を含み4の手指を失ったもの
 第7級  給付基礎日額 131日分
 身体障害 1  1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
      2  両耳の聴力が40p以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
      2の2 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
      3  神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
      4  削除
      5  胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
      6  1手の母指を含み3の手指又は母指以外の4の手指を失ったもの
      7  1手の5の手指又は母指を含み4の手指の用を廃したもの
      8  1足をリスフラン関節以上で失ったもの
      9  1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
     10  1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
     11  両足の足指の全部の用を廃したもの
     12  女性の外貌に著しい醜状を残すもの
     13  両側のこう丸を失ったもの

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 第8級  給付基礎日額503日分
 身体障害 1 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
      2 せき柱に運動障害を残すもの
      3 1手の母指を含み2の手指又は母指以外の3の手指を失ったもの
      4 1手の母指を含み3の手指又は母指以外の4の手指の用を廃したもの
      5 1下肢を5p以上短縮したもの
      6 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
      7 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
      8 1上肢に偽関節を残すもの
      9 1下肢に偽関節を残すもの
     10 1足の足指の全部を失ったもの
     11 ひ臓又は1側のじん臓を失ったもの
 第9級  給付基礎日額391日分
 身体障害 1 両眼の視力が0.6以下になったもの
      2 1眼の視力が0.06以下になったもの
      3 両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
      4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
      5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
      6 そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの
    6の2 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解する事ができない程度になったもの
    6の3 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
      7 1耳の聴力を全く失ったもの
    7の2 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    7の3 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
      8 1手の母指又は母指以外の2の手指を失ったもの
      9 1手の母指を含み2の手指又は母指以外の3の手指の用を廃したもの
     10 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
     11 1足の足指の全部の用を廃したもの
     12 生殖器に著しい障害を残すもの
 第10級 給付基礎日額 302日分
 身体障害 1 1眼の視力が0.1以下になったもの
      1の2 正面視で複視を残すもの
      2  そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
      3  14歯以上に対して歯科補てつを加えたもの
      3の2 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
      4  1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
      5  削除
      6  1手の母指又は母指以外の2の手指の用を廃したもの
      7 1下肢を3p以上短縮したもの
      8 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
      9 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
     10 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
 第11級  給付基礎日額 223日分
 身体障害 1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
      2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
      3 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
    3の2 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    3の3 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
      4 1耳の聴力が40p以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
      5 せき柱に変形を残すもの
      6 1手の示指、中指又は環指を失ったもの
      7 削除
      8 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
      9 胸腹部臓器に障害を残すもの
 第12級 給付基礎日額 156日分
 身体障害 1 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
      2 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
      3 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
      4 1耳の耳かくの大部分を欠損したもの
      5 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
      6 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
      7 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
      8 長管骨に変形を残すもの
    8の2 1手の小指を失ったもの
      9 1手の示指、中指又は環指の用を廃したもの
     10 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったものまたは第3の足指以下の3の足指を失ったもの
     11 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
     12 局部に頑固な神経症状を残すもの
     13 男性の外貌に著しい醜状を残すもの
     14 女性の外貌に醜状を残すもの
 第13級 給付基礎日額 101日分
 身体障害 1 1眼の視力が0.6以下になったもの
      2 1眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
    2の2 正面視以外で複視を残すもの
      3 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
    3の2 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
      4 1手の小指の用を廃したもの
      5 1手の母指の指骨の一部を失ったもの
      6 削除
      7 削除
      8 1下肢を1p以上短縮したもの
      9 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
     10 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
 第14級 給付基礎日額 56日分
 身体障害 1 1眼のまぶたの一部に欠損を残し、またはまつげはげを残すもの
      2 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    2の2 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
      3 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
      4 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
      5 削除
      6 1手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
      7 1手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
      8 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
      9 局部に神経症状を残すもの
     10 男性の外貌に醜状を残すもの

5 遺族(補償)給付
 業務災害で労働者が死亡した場合には、その遺族に対して、遺族補償給付が支給されます。遺族補償給付は、年金による支給を原則としていますが、年金を受給することができる権利を有する遺族がいない場合には、一時金が支給されることになります。
(1)支給要件
 労働者が業務災害で死亡した場合、その労働者の遺族に対して、遺族補償給付が支給されることになります。遺族補償給付は原則として、年金で支給されます。しかし、年金を受給することができる権利を有する遺族がいない場合には、一時金で支給されることになります。一時金が支給されるのは、次の場合となっています。
 @ 労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受けることができる遺族がいない場合
 A 遺族補償年金を受ける権利を有する者が失権した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額及び遺族補償年金前払一時金の額の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合
 (2)受給者の範囲
 @ 年金の受給資格者
 年金の受給資格者は、労働者の死亡の当時その者の収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹となっていますが、配偶者以外は労働者の死亡当時高齢であるか、年少であるか、一定の障害の状態にあることが必要とされています。
 年齢については、夫、父母、祖父母にあっては55歳以上であること、子、孫にあっては18歳未満であること、兄弟姉妹にあっては18歳未満か55歳以上であることが必要です。
 また、これら以外の年齢であっても、障害等級第5級以上の身体障害がある場合か、これと同程度に労働が制限されている場合は受給資格者となります。
 生計維持関係については、専らまたは主として労働者の収入によって生計の一部が維持されていただけでなく、労働者の収入によって生計の一部が維持されていれば生計維持関係は認められることになります。したがって、いわゆる夫婦共働きの場合も生計が互いに維持されていたものとされ、生計維持関係は認められることになります。
 また、配偶者については、婚姻の届け出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も含まれます。さらに、労働者の死亡当時胎児であった子については、出生のときから将来に向かって受給資格者となります。
 A 年金の受給権者
 遺族補償年金は、受給資格者のすべての者に対して支給されるのではなく、受給資格者のうち、次に示す順位の優先順位の遺族に支給されることになります。最先順位の遺族が2人以上いる場合には、そのすべてが受給権者となります。
 @ 妻、60歳以上または一定の障害の夫
 A 18歳未満または一定の障害の子
 B 60歳以上または一定の障害の父母
 C 18歳未満または一定の障害の孫
 D 60歳以上または一定の障害の祖父母
 E 18歳未満、60歳以上または一定の障害の兄弟姉妹
 F 55歳以上60歳未満の夫
 G 55歳以上60歳未満の父母
 H 55歳以上60歳未満の祖父母
 I 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹
 なお、受給資格者のうち最先順位の者が失権すると、次順位の受給資格者が新たに受給権者となります。これを転給といいます。またF〜Iまでの者は、60歳になるまで支給が停止されます。
 B 一時金の受給権者
 遺族補償一時金の受給権者は、次のうち最先順位にある者(A、Bについては記載順)となります。
 @ 配偶者
 A 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持されていた子、父母、孫、祖父母、
 B その他の子、父母、孫、祖父母
 C 兄弟姉妹
 (3)遺族補償年金
 遺族補償年金の額は、遺族の数に応じて次のとおりとされています。年金の計算の基礎となる遺族とは、受給権者及び受給権者と生計を同じくする受給資格者をいいます。
 @ 1人…給付基礎日額の153日分。ただし、55歳以上の妻または一定の障害の状態にある妻にあっては175日分
 A 2人…給付基礎日額の201日分
 B 3人…給付基礎日額の223日分
 C 4人以上…給付基礎日額の245日分
 ここで一定の障害の状態にあるというのは「障害等級表」の第5級以上の身体障害があるか、またはこれと同程度に労働が制限される状態にある場合をいいます。年金の額は、遺族の数が増減したとき、妻が一の障害になったとき、もしくはその事情がなくなったときなどは、そのような事実が発生した月の翌月から年金の額が改定されます。
 (4)遺族補償一時金
 遺族補償一時金の額は、労働者死亡の当時に年金を受け得る遺族がいない場合は給付基礎日額の1000日分、また年金支給開始後に遺族が失権し、他に年金を受け得る遺族がいない場合は給付基礎日額の1000日分の額から既支給年金の支給額の合計額を差し引いた額―――となります。
(5)受給権の消滅
 遺族補償年金の受給権者が、次のいずれかに該当した場合には、その者は受給権を失います。この場合、同順位の受給権者がいない場合には、次順位の受給資格者が受給権者となります。
 @ 死亡したとき
 A 婚姻(内縁関係を含む)をしたとき
 B 直系血族または直系姻族以外の者の養子(事実上の養子縁組関係を含む)となったとき
 C 離縁(養子縁組関係の解消)によって死亡労働者との親族関係が終わったとき
 D 子、孫、兄弟姉妹については、18歳に達した以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、労働者の死亡のときから障害状態のままであるときは失権、失格しない
 E 障害状態にあるために受給資格者となった遺族については、その障害状態がなくなったとき
   なお、受給資格者が同様の事情に該当したときも受給資格を失います。
(6)遺族補償年金前払一時金
 労働者の死亡によって、遺族には一時的な出費が必要となる場合が多いことから、受給権者の希望により、年金を前払する遺族補償年金前払一時金制度が設けられています。前払一時金の額は、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1000日分、の中から選択することになります。
 前払一時金が支給された場合、年金は一定の期間支給停止されます。支給停止期間は、年金の毎月分の額(1年たってからの分は年5分の単利で割引いた分)の合計額が、前払一時金の額に達するまでの期間とされます。

(7)請求手続き
 遺族補償年金を請求する場合には「遺族補償年金支給請求書」(様式第12号)に死亡労働者の死亡診断書、死体検案書などの書類、戸籍謄本または妙本、請求人及び受給資格者が死亡労働者の収入によって生計を維持していたことを証明する書類など必要な書類を添付して、所轄労働基準監督署長に提出することになります(通勤災害の場合は様式第16号の8を使用)。なお、受給権者が2人以上いる場合には、原則として1人を代表者に選出します。
 また、転給による請求の場合は、「遺族補償年金転給等請求書」(様式第13号)に所定の書類を添付して、所轄労働基準監督署長に提出することになります。(通勤災害の場合は様式第13号を使用)。
 遺族補償一時金を請求する場合には、「遺族補償一時金支給請求書」(様式第15号)を所轄労働基準監督署長に提出することになります。(通勤災害の場合は様式第16号の9を使用)。そのほかの添付書類は遺族補償年金を請求する場合と同様です。
 遺族補償年金前払一時金を請求する場合には、「遺族補償年金前払一時金請求書」(年金申請様式第1号)に請求する前払一時金の額を記入して、所轄労働基準監督署長に提出することになります(通勤災害の場合も年金申請様式第1号を使用)。
 遺族補償年金前払一時金の請求は、遺族補償年金の請求と同時に行いますが、支給決定のあった日から1年以内であれば、請求が認められます。前払一時金の請求は、同一の死亡労働者に関して1回しか認められませんが、失権した先順位者が前払一時金を請求していなければ、転給者も請求することができます。
 

    満開の桜

    ブナの新緑

 

6 葬祭料(葬祭給付)
 業務災害で労働者が死亡した場合、葬祭を行う遺族などに対して、葬祭料が支給されます。葬祭料は、通常は葬祭を行う遺族に支給されますが、遺族が葬祭を行わない場合で、事業主や友人などが葬祭行ったときには、その事業主などに支給されます。
(1)支給要件
 葬祭料は、業務上の事由により死亡した労働者の葬祭の費用についての補てんを目的とするものです。葬祭料の受給者は、通常は死亡した労働者の遺族で、遺族補償給付の受給権者と同一人となります。
 しかしながら、遺族が葬祭を行わないことが明らかな場合において、事業主、友人などが葬祭を行ったときは、その事業主または友人などに支給されることになります。
 また、会社が労働者の葬祭を社葬として行った場合に、その後、その労働者の遺族が郷里に帰って再び葬祭を行った場合、葬祭料の支給はどうなるかという問題については、その社葬の性質によって決定されることとされています。具体的には、社葬を行うことが会社の恩恵的あるいは厚意的性質に基づくときは、葬祭料は遺族に支給すべきであり、葬祭を行う遺族がいない場合には、葬祭料は会社に支給されるべきとされる行政解釈が示されています(昭23・11・29基災収第2965号)。
(2)給付内容
 葬祭料の額は、31万5000円に給付基礎日額の30日分を加えた額となります。ただし、その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分の額となります。
(3)請求手続き
 葬祭料を請求する場合には、「葬祭料請求書」(様式第16号)に所要の事項を記載して、所轄労働基準監督署長に提出することになります(通勤災害の場合は様式第16号の10を使用)。
 なお、請求書には、死亡診断書や死体検案書など当該労働者が死亡した事実を証明できる書類を添付しなければなりませんが、それらが遺族補償給付の請求書に添付されて提出されている場合は必要ありません。

7 傷病(補償)年金
 業務上の傷病にかかった労働者が、療養開始後1年6か月を経過してもその傷病が治っていない場合で、その傷病による障害の程度が傷病等級に該当する場合には、その等級に応じて給付基礎日額の245日分〜313日分の傷病補償年金が支給されます。
 (1)支給要件
 業務災害による療養中の労働者が、療養の開始後1年6か月を経過した日において、次のいずれにも該当することになった場合に、その翌月から支給されることになります。
 @ その負傷または疾病が治っていないこと
 A その負傷または疾病による障害の程度が労災保険法施行規則別表第2に定める「傷病等級」(下記参照)に該当すること
 傷病補償年金の受給者には、療養補償給付が行われますが、休業補償給付は支給されません。療養開始後1年6か月経過した日に傷病が治ゆしておらず、傷病等級に該当しない場合には、引き続き休業補償給付が支給されます。しかし、その後、傷病の程度が重くなり傷病等級に該当するに至った場合には、その時点から傷病補償年金が支給されることになります。
 (2)給付内容
 傷病補償年金の額は、傷病等級に応じて次のとおりの額となります。
 @ 傷病等級第1級……給付基礎日額の313日分
 A 傷病等級第2級……給付基礎日額の277日分
 B 傷病等級第3級……給付基礎日額の245日分
 傷病補償年金の受給者の障害の程度に変更があったために、他の傷病等級に該当することとなった場合には、新たな傷病等級による傷病補償年金が支給されます。
 (3)請求手続き
 傷病補償年金は、他の保険給付とは異なり、被災労働者や遺族などの請求によって保険給付の決定が行われるのではなく、支給要件を満たす場合に政府が支給決定します。そのため、休業補償給付の支給を受ける労働者のうち療養開始後1年6か月経過した長期療養者は、1年6か月経過日から1カ月以内に、「傷病の状態等に関する届書」(様式第16号の2)に医師の診断書を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません(通勤災害の場合も様式第16号の2を使用)。
 なお、療養開始後1年6か月経過した時点では傷病等級に該当せず、休業補償給付を受けている場合には、1年に1回の定期報告を行うとともに、所轄労働基準監督署長の求めに応じて、「傷病の状態等に関する届書」を提出する必要があります。
           傷病等級
 第1級 
 当該障害の状態が継続している期間1年につき給付基礎日額 313日分
 障害の状態
 @ 神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
 A 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
 B 両眼が失明しているもの
 C そしゃく及び言語の機能を廃しているもの
 D 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
 E 両上肢の用を全廃しているもの
 F 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
 G 両下肢の用を全廃しているもの
 H 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
 第2級
 当該障害の状態が継続している期間1年につき給付基礎日額 277日分
 障害の状態
 @ 神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
 A 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
 B 両眼の視力が0.02以下になっているもの
 C 両上肢を腕関節以上で失ったもの
 D 両下肢を足関節以上で失ったもの
 E 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
 第3級
 当該障害の状態が継続している期間1年につき給付基礎日額 245日分
 障害の状態
 @ 神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
 A 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
 B 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になっているもの
 C そしゃく又は言語の機能を廃しているもの
 D 両手の手指の全部を失ったもの
 E 第1号及び第2号に定めるもののほか常に労務に服することができないものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの 
 

   東国三葉つつじ

    白 つつじ

 

 8 介護(補償)給付
 業務災害により、障害補償年金や傷病補償年金の支給事由となる障害があり、その障害の程度が厚生労働省令で定める一定の者であって、常時または随時介護が必要な者が現に介護を受けている場合に、その介護を受けている間、月単位で支給されます。
 (1)支給要件
 業務災害により、障害補償年金又は傷病補償年金を受給している者のうち、その障害が労災保険法施行規則別表第3に定める「要介護障害程度区分表」(下記参照)に掲げられている一定の障害の状態にあり、現に介護を受けている場合に、月単位で支給されます。
 ただし、被災労働者が、@身体障害者療護施設、A老人保健施設、B特別養護老人ホーム、C原子爆弾被災者特別養護ホーム、D労災特別介護施設―――に入所している場合は支給されません。
 (2)給付内容
 常時介護の場合と随時介護の場合の2つの区分により、以下のとおりとされています。
  @ 常時介護を要する者
  その月において、介護の費用として支出した額(その額が10万4970円を超えるときは10万4970円)が支給されます。ただし、親族などの介護を受けている者で、介護の費用を支出していない場合または支出した額が5万6950円を下回る場合は、一律5万6950円が支給されます。
  A 随時介護を要する者
  その月において、介護の費用として支出した額(その額が5万2490円を超えるときは5万2490円)が支給されます。ただし、親族などの介護を受けている者で、介護の費用を支出していない場合または支出したが額が2万8480円を下回る場合は、一律2万8480円が支給されます。
(3)請求手続き
  介護補償給付を請求する場合には、「介護補償給付支給請求書」(様式第16号の2の2)に次の(イ)〜(ハ)の書類を添えて、所轄労働基準監督署長に提出することになります(通勤災害の場合も様式第16号の2の2を使用)。
 (イ) 障害の部位及び状態ならびに当該障害を有することに伴う日常生活の状態に関する医師または歯科医師の診断書
 (ロ) 介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合にあっては、費用を支出して介護を受けた日数及び支出した費用の額を証する書類
 (ハ) 被災労働者がその親族などにより介護を受けた日がある場合にあっては、介護に従事した者の介護の事実についての申立書
  介護補償給付の初回請求は、障害補償年金を受ける権利を有する者については、障害補償年金の請求と同時かその請求後に行い、傷病補償年金を受ける権利を有する者については、傷病補償年金の支給決定を受けた後に行うことになります。
  なお、継続して2回目以降の介護補償給付を請求する者については、診断書の添付は不要です。そのうち障害補償年金の受給者にあっては、「年金たる保険給付の受給権者の定期報告書」(業務災害、通勤災害ともに様式第18号)に、障害を有することに伴う日常生活の状態を記した診断書を添付することが必要です。
  要介護程度区分表
 常時介護を要する状態
 障害の程度
 @ 神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を残し、常に介護を要する者(別表第1第1級の項身体障害の欄第3号に規定する身体障害をいう。)又は神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの(別表第2第1級の項障害の状態の欄第1号に規定する障害の状態をいう。)
 A 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの(別表第1第1級の項身体障害の欄第4号に規定する身体障害をいう。)または胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの(別表第2第1級の項障害の状態の欄第2号に規定する障害の状態をいう。)
 B 別表第1に掲げる身体障害が2以上ある場合その他の場合であって障害等級が第1級であるときにおける当該身体障害又は別表第2第1級の項障害の状態の欄第3号から第9号までのいずれかに該当する障害の状態(前2号に定めるものと同程度の介護を要する状態にあるものに限る。)
 随時介護を要する状態
 障害の程度
 @ 神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(別表第1第2級の項身体障害の欄第2号の2に規定する身体障害をいう。)又は神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの(別表第2第2級の項障害の状態の欄第1号に規定する障害の状態をいう。)
 A 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(別表第1第2級の項身体障害の欄第2号の3に規定する身体障害をいう。)又は胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの(別表第2第2級の項障害の状態の欄第2号に規定する障害の状態をいう。)
 B 障害等級が第1級である場合における身体障害又は別表第2第1級の項障害の状態の欄第3号から第9号までのいずれかに該当する障害の状態(前2号に定めるものと同程度の介護を要する状態にあるものに限る。)

 9 二次健康診断等給付
 労働安全衛生法の規定による健康診断において、血圧検査、血中脂質検査、血糖検査、肥満度の測定―――の4項目すべてにおいて異常が認められた場合、労働者本人の請求に基づいて、より精度の高い健康診断と保健指導が現物給付されます。
 (1)支給要件
 労働安全衛生法第66条第1項の規定による健康診断または同条第5項ただし書の規程による健康診断のうち直近のもの(一次健康診断)において、血圧検査、血液検査その他業務上の事由による脳及び心臓疾患の発生にかかわる身体の状態に関する検査であって厚生労働省令で定めるものが行われた場合において、労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに(一次健診の結果その他事情によりすでに脳・心臓疾患の症状を有すると認められる場合を除く)、その請求に基づいて給付されます。
 具体的には、次の(イ)〜(ニ)に掲げる検査のすべての項目において医師による異常の所見(以下「給付対象所見」)が認められた場合に給付されます。
 (イ) 血圧の測定
 (ロ) 血中脂質の検査
  次の検査のいずれか1つ以上とする
  ・血清総コレステロール
  ・高比重リボ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)
  ・血清トリグリセライド(中性脂肪)
 (ハ) 血糖検査
 (ニ) BMI(肥満度)の測定
  なお、肥満度は次の計算式により算出された値をいいます。
  BMI=身長(m)2/体重(kg)
  この場合、「異常の所見」とは、検査の数値が高い場合(高比重リボ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)にあっては低い場合)であって、「異常なし」以外の所見をいいます。
  ただし、一次健康診断の担当医が上記(イ)〜(ニ)の検査については異常なしの所見を診断した場合であっても、労働安全衛生法第13条第1項に基づき当該労働者が所属する事業場に選任されている産業医や同法第13条の2に規定する労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師(地域産業保健センターの医師、小規模事業場が共同選任した産業医の要件を備えた医師等)が一次健康診断の担当医が異常なしの所見と診断した検査の項目について、労働者の就業環境等を総合的に勘案し異常の所見が認められると判断した場合は、産業医等の意見を優先して、異常の所見があるものとされます。
 (2)給付内容
 @ 二次健康診断
 二次健康診断は、脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査(一次健康診断において行われる検査を除く)であって、厚生労働省令で定めるものを行う医師による健康診断をいいます。
 具体的には、次のすべての検査項目を実施します。
 (イ)空腹時の血清総コレステロール、高比重リボ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライド(中性脂肪)の量の検査(空腹時血中脂質検査)
 (ロ)空腹時の血中グルコース(ブドウ糖)の量の検査(空腹時血糖数値検査)
 (ハ)ヘモグロビンAlc検査(一次健康診断において当該検査を行った場合を除く)
 (ニ)負荷心電図検査または胸部超音波検査(心エコー検査)
 (ホ)頸部超音波検査(頸部エコー検査)
 (ヘ)微量アルブミン尿検査(一次健康診断における尿中の蛋白の有無の検査において、疑陽性(±)または弱陽性(+)の所見があると診断された場合に限る)
 A 特定保健指導
 特定保健指導は、二次健康診断の結果に基づき、脳及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師、保健師による保健指導をいいます。
 具体的には、(イ)栄養指導、(ロ)運動指導、(ハ)生活指導―――が行われます。
 二次健康診断は、1年度につき1回限り、特定保健指導は、二次健康診断ごとに1回に限ることとされています。同一年度内に一人の労働者に対して2回以上の定期健康診断を実施している事業場であっても、一次健康診断において給付対象所見が認められる場合に当該年度内に1回限りの支給となります。
 なお、二次健康診断等給付は、労災病院または都道府県労働局長が指定する病院もしくは診療所において、直接、二次健康診断及び特定保健指導を給付(現物給付)することにより行われます。
(3)請求手続き
 二次健康診断等給付を請求する場合には、「二次健康診断等給付請求書」(様式第16号の10の2)に所要事項を記載し、二次健康診断等給付を受けようとする病院などを経由して、請求労働者の所属する事業場の所轄労働局長あてに提出することになります。
 なお、請求は一次健康診断を受けた日から3カ月以内に行わなければなりません。
 

お囃子会 泉福寺ライブの前座

ふるさと 宮 まつり

 

 10 特別支給金
 労災保険では、業務災害及び通勤災害による傷病などに対して各種給付を行うほか、労働福祉事業として、被災労働者やその遺族の援護を図るため、各種の特別支給金を支給しています。特別支給金は、労災保険の本給付とは異なる位置づけですが、本給付と一体的なものとなっています。
 (1)特別支給金の種類
 特別支給金には、@休業特別支給金、A障害特別支給金、B遺族特別支給金、C傷病特別支給金、D障害特別年金、E障害特別一時金、F遺族特別年金、G遺族特別一時金、H傷病特別年金―――があります。
 このうち、@〜Cは「特別支給一時金」といわれるもので、D〜Hはボーナスなどの特別給与を算定基礎とする「ボーナス特別支給金」といわれるものです。特別支給金の請求は、原則として各々の保険給付の請求と同時に行うことになります。
 (2)休業特別支給金
 業務災害または通勤災害により、療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されます。支給額は1日について給付基礎日額の20%となっています。
 (3)障害特別支給金
 障害等級に応じて、次に掲げる一時金が支給されます。
  障害等級第1級・・・342万円
 障害等級第2級・・・320万円
 障害等級第3級・・・300万円
 障害等級第4級・・・264万円
 障害等級第5級・・・225万円
 障害等級第6級・・・195万円
 障害等級第7級・・・159万円
 障害等級第8級・・・・65万円
 障害等級第9級・・・・50万円
 障害等級第10級・・・39万円
 障害等級第11級・・・29万円
 障害等級第12級・・・20万円
 障害等級第13級・・・14万円
 障害等級第14級・・・・8万円
 (4)遺族特別支給金
 被災労働者の遺族(遺族(補償)年金または遺族(補償)一時金を受ける権利を有する者)に対して、一時金として300万円が支給されます。その遺族が2人以上いるときは、300万円をその人数で除して得た額が支給されます。
 (5)傷病特別支給金
 療養の開始後1年6か月を経過した日においても傷病が治ゆせず、傷病による障害の程度が傷病等級に該当する場合に支給されます。支給額は、傷病等級に応じて次に掲げる額となります。
  第1級・・・114万円
 第2級・・・107万円
 第3級・・・100万円
 この場合、傷病特別支給金を受給した労働者が、傷病が治ゆし、障害特別支給金の支給事由が生じたとき、障害特別支給金の額がすでに受けた傷病特別支給金の額を超えるときに限り、その差額に相当する額の障害特別支給金が支給されるなど調整が行われることになっています。
 (6)算定基礎年額と算定基礎日額
 いわゆるボーナス特別支給金の算定の基礎となる特別給与は、給付基礎日額を算定するに当たって、その基礎から除外されているボーナスなど3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金をいいます。臨時に支払われる賃金は含まれません。
 算定基礎日額は、原則として被災日以前1年間に被災労働者が受けた特別給与の総額(算定基礎年額)を365で除した額をいいます。特別給与の総額が、給与基礎年額(給付基礎日額の365倍に相当する額)の20%に相当する額または150万円のいずれか低い方の額を上回る場合には、給付基礎年額の20%に相当する額または150万円のいずれか低い方の額が算定基礎年額とされます。これを365で除した額が算定基礎日額となります。
 (7)障害特別年金
 障害特別年金は、障害(補償)年金の受給権者に対して支給され、支給額は障害等級に応じて次に掲げる額となります。
  ・障害等級第1級・・・算定基礎日額の313日分
 ・障害等級第2級・・・算定基礎日額の277日分
 ・障害等級第3級・・・算定基礎日額の245日分
 ・障害等級第4級・・・算定基礎日額の213日分
 ・障害等級第5級・・・算定基礎日額の184日分
 ・障害等級第6級・・・算定基礎日額の156日分
 ・障害等級第7級・・・算定基礎日額の131日分
 (8)障害特別年金差額一時金
 障害(補償)年金の受給権者が死亡した場合に支給される障害(補償)年金差額一時金の受給権者には、障害特別年金差額一時金が支給されます。支給額は、障害等級に応じて定められた次の額からすでに支給された障害特別年金を引いた額です。
  ・障害等級第1級・・・算定基礎日額の1340日分
 ・障害等級第2級・・・算定基礎日額の1190日分
 ・障害等級第3級・・・算定基礎日額の1050日分
 ・障害等級第4級・・・算定基礎日額の920日分
 ・障害等級第5級・・・算定基礎日額の790日分
 ・障害等級第6級・・・算定基礎日額の670日分
 ・障害等級第7級・・・算定基礎日額の560日分
 (9)障害特別一時金
 障害特別一時金は、障害(補償)一時金の受給権者に支給されます。支給額は、障害等級に応じて次に掲げる額となります。
  ・障害等級第8級・・・算定基礎日額の503日分
 ・障害等級第9級・・・算定基礎日額の391日分
 ・障害等級第10級・・算定基礎日額の302日分
 ・障害等級第11級・・算定基礎日額の223日分
 ・障害等級第12級・・算定基礎日額の156日分
 ・障害等級第13級・・算定基礎日額の101日分
 ・障害等級第14級・・・算定基礎日額の56日分
 (10)遺族特別年金
 遺族特別年金は、遺族(補償)年金の受給権者に支給されます。支給額は、遺族(補償)年金の受給権者とその者と生計を同じくしている遺族(補償)年金を受け取ることができる遺族の数によって、次のとおりとなります。
  ・1人・・・算定基礎日額の153日分。ただし、55歳以上の妻又は厚生労働省令で定める障害の状態にある妻の場合は算定基礎日額の175日分
 ・2人・・・算定基礎日額の201日分
 ・3人・・・算定基礎日額の223日分
 ・4人以上・算定基礎日額の245日分
 (11)遺族特別一時金
 遺族特別一時金は、遺族(補償)一時金の受給権者に支給されます。支給額は、次のとおりとなります。
 (イ)労働者の死亡当時、遺族(補償)年金の受給資格者がいない場合…算定基礎日額の1000日分
 (ロ)遺族(補償)年金の受給権者がすべて失権した場合で、すでに支給された遺族特別年金の合計額(スライドが行われた場合は、スライドが行われなかったとした場合の額)が算定基礎日額の1000日分に満たない場合…算定基礎日額の1000日分からすでに支給された遺族特別年金の合計額を差し引いた額
 (12)傷病特別年金
 傷病特別年金は、傷病(補償)年金の受給権者に対して支給されます。支給額は傷病等級に応じて次に掲げる額となります。
  ・傷病等級第1級・・・算定基礎日額の313日分
 ・傷病等級第2級・・・算定基礎日額の277日分
 ・傷病等級第3級・・・算定基礎日額の245日分

07.12.13. 読売新聞 スキャナー 勤務医師の過労死
「当直」違法状態 回数超過、手当不払い
 病院で勤務する医師の過労死や過労自殺が目立っている。過労死弁護団全国連絡会議によると、今年に入って、労災や損害賠償が認められたケースはすでに6人。背景には、長時間の時間外勤務に加え、当直勤務で仮眠もままならないという労働実態がある。「違法状態の勤務が黙認されている」として、見直しを求める動きも出始めた(社会部 小林篤子、本文記事社会面)
 医療、福祉職、労災申請増える
 昨年度、「過労死等」として労災申請した938人のうち、医療・福祉職は47人で、03年度の22人から倍増。仕事上のストレスから、うつ病などにかかって労災申請した医療・福祉職も過去最多の92人で、27人が労災認定された。
 当直の実態
 「宿直が月10回。過労が原因でうつ病になり、通院中」(40代の産婦人科医)、「月9回の宿直で、翌日もしばしば通常勤務。宿直手当も少ない」(20代の麻酔科医)――。過労死弁護団が先月実施した電話相談に、全国から66件(うち医師・看護師12件)の深刻な相談が寄せられた。
 勤務医の多くが最も負担に感じているのは、当直勤務だ。当直とは、夜間の宿直や休日の日直を指す。労働基準法などでは、「原則として診療を行わず、病室の定時巡回など軽度短時間の業務をする」ことを前提に、宿直は週1回、日直は月1回を限度に労働基準監督署が許可する仕組みになっており、許可を受けた病院は、時間外手当などの割増賃金の支払いが免除される。
 突発的に緊急の診療行為を行った時は、割増賃金を払わなければならない。救急医療が頻繁に行われるような場合は本来、「当直」として扱うべきではなく、交代制の導入などが求められることになる。
 実態はどうか。厚生労働省が2004年にまとめた、全国600医療機関を対象に実施した当直勤務に関する指導監督結果によると、「緊急の診療に対して時間外手当が支払われていない」など、何らかの法違反があった医療機関は72%に上った。「夜間休日の業務負担が昼間と変わらないことが常態化している」「当直回数が基準を超えている」などの理由で、指導文書を受けた病院も41%。
 多くの病院で、入院患者の診察や処置、救急外来患者の対応により、医師が夜間や休日も頻繁に呼び出され、事実上の「サービス残業」になっている実態が浮き彫りになった形だ。だが、医師不足から根本的な改善策が見つけられないのが実情だ。
 

 風が吹いた!雪が舞った!

たっぷり奥山は積もっている。 朝日が眩しい!!

 

 時間外手当訴訟
 こうした中、当直勤務の労働性を、正面から問う初の訴訟に、医療関係者の注目が集まっている。
 「当直の実態は終夜勤務だ。時間外労働として正当に評価してほしい」。県立奈良病院の産婦人科医2人は昨年12月、04年・05年の2年分の未払い時間外手当などが2人で合計約9200万円に上るとして、病院側に支払いを求める訴訟を奈良地裁に起こした。
 原告代理人の藤本卓司弁護士によると、同病院では、医師の当直手当は1回2万円。救急患者が搬送された場合などに病院に呼び出される自宅待機(宅直)には手当が支払われない。医師2人は、当直が2年間で155日と158日、宅直が120日と126日に上っており、未払いになっている時間外手当などを計9233万円と算出した。
 「原告の希望は、手当支給より労働環境が改善されること」と藤本弁護士は言う。判決は来夏にも出される見通しだが、訴えが認められれば、勤務医の労働条件に一石を投じることになる。
見直しの動き
 病院側にも過重労働を見直す動きが出始めている。
 神戸市は今年4月、宿直勤務の翌日を原則休日とする制度の試行を始めた。翌日も勤務した場合は、時間外勤務として手当を支給する。宿直当日も、実働時間に応じて時間外勤務手当を支払うことにし、今年度予算に1億7400万円を計上した。ただ、医師を増員した訳ではないため、実際には翌日出勤率は90.8%(5月)と高いままだ。担当者は「待遇を改善して、何とか今いる医師に残ってもらいたいが、根本的には医師を増員しないと無理」と悩みを打ち明ける
 神奈川県の藤沢市民病院は、2002年5月から小児科、昨年12月から救急部門で、「夜勤シフト制」を導入した。小児科では、医師13人のうち2人が夜間救急を担当。1日おきに夜の救急外来を診るため、17時間勤務した後は31時間休める。シフト制の導入に伴い、7人だった小児科医を倍増させた。このほか、近隣の開業医と協力し、当直勤務のローテーションに加わってもらうなどの工夫をする病院も出始めている。
 労働環境見直せ
 ある大学の産婦人科医局では昨年、過労で30歳代の医師3人がうつ病を発症し、現場を去った。残された人の負担はさらに増え、中堅医師は、「『過労死だけは避けようね』と励まし合っているが、先が見えない」と嘆く。過労自殺した小児科医の妻で、東京地裁で今年3月に労災認定を勝ち取った中原のり子さんは、「医師が自分の健康も守れずに、どうして患者の健康を考えられるのか」と訴える。医療の質と安全のためにも、医師の労働環境を考え直さなければならない。
 役割分担の合理化を ■ 地方応援の仕組み必要
 識者コメント 長谷川敏彦・日本医大主任教授の話 医療の高度化や在院日数短縮化、新臨床研修制度などの影響で、特に地方の中規模病院で医師が減り、勤務医の負担が近年、増えているのは事実だ。救急部門で交代制勤務を実現できるような報酬体系にすべきだが、医師の必要数は、需要と供給と精査性を総合的に判断する必要があり、安易な医師不足の議論には疑問がある。医療秘書の導入など、病院内の役割分担を合理化すれば勤務医の労働負担は軽減出来る。地域の病院の集約化、機能分化を進めるなど、生産性を上げるための根本的な経営改革が求められる。
 柿原浩明・立命館大学経済学部教授の話
 患者の消費者意識が強まる中で、医師と患者の関係は変化し、医師の労働者意識も高まった。従来、提供されてきた自己犠牲に基づく過重労働はもう期待出来ない。医師不足は深刻で、数を増やすことは必要だが、育成には最低10年かかる。緊急対策として、比較的余裕がある都市部の医師が週末、地方病院に応援に行けるような誘導策が必要だ。また、勤務医の最大の不満は、対価の不十分な当直勤務。夜間救急に対応させるなら、16時間分の給与を支払うべきで、そうすれば開業に流れる勤務医も減るだろう。
 4つの高い医療供給 勤務改善が不可欠 国検討会報告
 国の「医師の受給に関する検討会」の報告書(2006年7月)は、地域別、診療料別の医師の偏在があり、病院や診療所間での医師数も不均衡が予想されるとして、「仮にマクロの医師数が充足しても、病院勤務医の勤務環境の改善なくしては、国民の求める質の高い医療を安定供給することは困難」と指摘した。
 国の緊急医師確保対策では、勤務医の過重労働を解消するための施策として、
 @医療補助者の配置を推進するためのモデル事業
 A交代勤務制の導入を支援するための補助事業の拡充
  などを盛り込んでいる。
 *過労死*
 過重労働が原因で発症した脳梗塞や急性心不全などの疾患で死亡したケース。労基署が労災と認めれば、遺族に補償金が支給される。うつ病など精神疾患を発症し、自殺した「過労自殺」でも労災が認められる。
 ★一言欄 現場で考えよう…! 命を大切に〜〜!

07.12.14. 読売新聞 不明年金 台帳照合3300万件のみ
      来年度作業 2年で8億 困難

札幌すすきの イルミネーション通り

 

 該当者不明の約5000万件の年金記録について、社会保険庁は来年度から取り組む、現在約8億5000万件あるすべての年金記録の原本「紙台帳」との照合作業に関し、来年度予算には3300万件の「特殊台帳」分しか作業経費を計上しない方針であることが明らかになった。舛添厚生労働相は、社保庁の業務を引き継ぐ日本年金機構が発足する2010年までの2年間で全作業を終える決意を示しているため、社保庁では対象の拡大や予算の積み増しも検討するが、その場合も、2年間に全作業を終えることは極めて困難な状況となっている。
 社保庁は現在、同庁のコンピューター上の記録をもとに照合を行なう「名寄せ」を行っているが、来年4月以降は、紙台帳との手作業での照合に移る。紙台帳からコンピューターへの入力ミスなどが原因で持ち主が特定できない記録が多いためだ。
 紙台帳の数が8億5000万件もあるのは、死亡した人の使われない記録も含まれているほか、1997年に「1人1番号」を原則とした基礎年金番号が導入されるまでは、転職などの度に1人に複数の年金記録ができることが珍しくなかったからだ。このうち特殊台帳は、未納が多いなど年金記録が複雑なものに特化した台帳で、社保庁のサンプル調査では特殊台帳3090件のうち35件と高い確率でコンピューターへの入力ミスなどが確認された。このため、社保庁は特殊台帳との照合を優先的に進めることにした。
 しかし、厚労相はすべての紙台帳の照合作業を「2年程度で完了させたい」と繰り返している。12日の衆院厚生労働委員会でも、「日本年金機構ができる時までに、今の問題を解決する必要がある」と答弁した。
 政府内では、膨大な作業となるため「2年で完了は絶望的」(社保庁幹部)との見方が支配的だ。社保庁は今年9月から氏名などが欠落したコンピューターの約524万件の記録を、紙台帳をもとに手作業で補正しているが、これさえも、2000人超の社保庁職員らが休日返上で取り組みながら完了していない。紙台帳すべての照合は、この約160倍の作業量に匹敵し、2年での完了は事実上、不可能と見られる。
 厚労相は一般の台帳にも照合作業を拡大する方針だが、特殊台帳だけでも予算規模「数十億円台」(厚労省幹部)とされるだけに、膨れ上がる予算を確保できるかどうかも不透明だ。
 ★一言欄 誰か言ったな! 余には不可能という文字はない……!

07.12.14. 読売新聞 編集手帳 防衛省のたるみ″
 広島県の呉海軍工廠で戦艦大和を建造中のころである。自分が乗る艦だから一度見ておきたいと、連合艦隊司令長官の山本五十六が言った◆呉鎮守府の長官が諌めた。見学には誰であれ、海軍大臣の許可が要る。取り次ぐのはいいが、断られたら連合艦隊司令長官の沽券にかかわろう。「おやめになっては」と◆泣く子も黙るさすがの五十六もあきらめたと、作家阿川弘之さんの「海軍こぼれ話」(光文社)にある。艦船の情報はときに一国の命運をも左右する。機密の保持にはそれだけの神経を用いたのだろう◆神経はいずこ。海上自衛隊のイージス艦情報流出事件で3等陸佐が逮捕された。レーダー性能など最高レベルの機密ファイルを同僚に渡した疑いである。手から手にコピーされて広まり、術科学校の学生も見ることができたという◆漏れないと信じてデータを供与した米国との信頼関係にも、事件は影を落としている。防衛省では接待汚職で前次官が逮捕されたばかりである。組織とは川の流れに似て、上流が汚れれば下流も無事ではないが、この川のたるみ菌″汚染はよほど深刻らしい◆山本五十六は郷里、越後長岡藩の藩是「常在戦場」を終世の座右にしたという。戦場と言わぬまでも、防衛に携わる人々が「常在有事」を忘れては、誰も枕を高くして眠れない。
 ★一言欄 普通の国では軍法会議⇒銃殺? 日本全国無責任時代・植木等さんがなつかしい……
 

じんぎすかんクラブの白樺林

07.12.13. 読売新聞 医師の過労死6人 今年急増 労災認定4人、賠償2人

JR東海 のぞみ号 速いですよ!!

 

 勤務医の過重労働が社会問題となる中、過労死や過労自殺による労災や損害賠償を認められた医師は、今年に入って計6人に上っていることが、過労死弁護団全国連絡会議(幹事長・川人博弁護士)のまとめで分かった。
 1970年以降で同会議が把握したのはこれで21人。労災の認定基準が緩和されたことを差し引いても、今年は突出している。川人弁護士は「医師不足などを背景に、現場の負担はピークに達している」と指摘。医療現場には過労死など遺族が言い出せない雰囲気があり、川人弁護士は「認定されたケースは氷山の一角で、労働環境の改善が急務だ」と訴えている。
 6人は1996〜2006年に亡くなった20〜40歳代の医師で、うち4人は03年以降の死亡だった。死因は、3人が急性心不全や心疾患などの病気、3人は自殺。補償の内訳は、労災認定が4人、訴訟で損害賠償の認定が2人だった。診療科別では麻酔科、小児科、研修医が各2人。
 死亡事例以外でも、昨年1月に脳出血で倒れ、半身麻痺になった広島県の40歳代の産婦人科医が今年8月に労災認定を受けている。
 ★一言欄 「医師が自分の健康を守れず、患者の健康が守れるか」同感!社会保険労務士が手掛けた医師の過労による「うつ病発症・自殺事件」平成16年4月認定された事件はこの件数には入っていないと思います。
 

07.12.11. 下野新聞 「暫定税率下げ前倒し」 揮発油税 ガソリン高騰で民主税調会長

   JR宇都宮駅下りホーム

 

 民主党税制調査会の藤井裕久会長は9日、本来より高い暫定税率を適用している揮発油税について、来年3月末の期限切れを待たず1月にも、本則税率に引き下げる考えを明らかにした。ガソリン高騰が生活に打撃を与えているため、早急に税率を下げ価格低下につなげる狙いがある。同党独自の法案の国会提出準備を進めているという。
 揮発油税は本来、ガソリン1g当たり24.3円だが、現在は暫定税率を含め48.6円。暫定税率がなくなれば、ガソリン価格は約25円安くなる計算だ。
 与党は既に、揮発油税を含めた道路特定財源の暫定税率を10年延長することで合意しており、民主党案が成立する見込みはない。しかし、参院第一党の民主党が政府の法案に反対を続ければ、3月末までに成立せず、暫定税率は切れる。道路特定財源をめぐる与野党の攻防は、年明けの通常国会の焦点となりそうだ。
 藤井会長は7日のテレビ番組で、ガソリンなどにかかる揮発油税の税率を下げ、使い道を道路整備に限らない一般財源にする同党の基本方針をあらためて強調。その後、記者団に「ガソリン対策として、暫定税率を前倒しで下げる」と語った。
 民衆党内には、暫定税率を維持して道路整備に充てるよう求める声も残っているが「理解してもらう」と述べ、党内調整を進める考えを示した。
 ★一言欄 取る方法が決まったら! 暫定もへちまもない? それが政治・行政かな…?

07.12.11 スポニチ 岩見隆夫の永田町曼荼羅 2大党首の指導力が見えない
 トップの指導力に疑問がある。号令をかけるからこそ指揮官であって、沈黙していたのでは、その資格がない。
 まず、福田康夫首相。独立行政法人(以下独法)の見直し問題で、渡辺喜美行革担当相が示した33法人の廃止・統合、民営化方針に対し、関係閣僚はまったくやる気がない。ゼロ回答に近い。
 渡辺は7日の民放テレビで、「各省が横並びで談合している可能性がある」と怒りの声をあげた。国土交通、厚生労働、農林水産など多くの独法を抱える閣僚たちは、1人の例外もなく省益を代弁する態度に終始しているのだから、渡辺の発言はもっともだ。
 当然、全閣僚を統括している福田首相の出番である。福田は、「政治家としてのリーダーシップを発揮してもらいたい」と各閣僚を督励したそうだが、まったく効き目がない。督励だけではだめだ。断固たるリーダーシップが、首相にこそ求められる。
 道路特定財源の見直し問題も同じで、肝心の一般財源化は1800億円と名ばかりなった。福田首相が、「一般財源化は議論が必要になる」
 などと傍観者的なことを言っているうちに、与党主導で決まってしまった。福田官邸は静観していたにすぎない。首相がにらみをきかせないと、どうしても既得権益擁護の政治に流れてしまう。福田政権にそんな傾向が早くも見えはじめた。
 次は民主党の小沢一郎代表。新テロ特別措置法案の審議が大詰めだが、小沢の態度がはっきりしない。
 法案は参院外交防衛委員会で審議中である。委員長は民主党の北沢俊美で、7日、北沢は、「法案を預かった以上、この委員会で採決するつもりだ。審議時間のメドは、衆院並の約41時間程度になるだろう」と語った。現場は非常にはっきりしている。同委はすでに11時間以上の審議を終えているので、年内採決を約束したとみていい。
 ところが、鳩山由紀夫幹事長は、それを聞くと、「時間がきて採決となるかどうかは微妙だ」(7日)とトーンダウン、小沢側近の山岡賢次国対委員長になると、「そうはならないだろう」(8日・北京)
 と年内採決に否定的なのだ。一体、民主党の意思はどこにあるのか。
 どっちにしても、政府・与党は再議決・成立のために会期再延長の方針を決めているので、民主党の態度によって延長幅が変わるだけの話であるが、国会が年を越すかどうかの違いがでてくる。
 小沢は黙して語らない。作戦上の沈黙かもしれないが、そろそろ指導力をみせないと、民主党はまたも迷走イメージになる。
 2大政党ともに、トップの顔がよく見えない。さきの大連立をめぐる党首会談が不透明なうえに、この調子では政治不信が深まることになる。=敬称略=
 ★一言欄 勝手に決まってしまう…? まったく解らない〜?
 

京浜運河?? モノレールの車窓から

07.12.4. 下野新聞 論説 とちぎ発 独立行政法人の見直し 改革後退なら説得力失う

   羽田空港 JAL便

 

 渡辺喜美行革相が担当する独立行政法人(独法)の見直し作業が大きなヤマ場を迎えている。
 独法整理合理化計画の年内策定を目指す渡辺行革相は、廃止、民営化などの改革が必要とされる独法を所管する各省庁の閣僚と週内をめどに個別に折衝する。その結果が計画に反映されることになる。
 天下り先を失うことを恐れる霞が関の官僚は、独法の抜本的な見直しに抵抗しており、意向を受けた閣僚たちが渡辺行革相の説得に耳を貸すかどうか予断を許さない。
 101ある独法をめぐってはこれまでも数々の問題が指摘されてきた。国民の税金がつぎ込まれているにもかかわらず、経営実態は不透明で、無駄あるいは非効率な事業が多い。当初のもくろみが外れた日本スポーツ振興センターの「toto」や雇用・能力開発機構の「私のしごと館」などはその最たるものだろう。
 政府の行革推進本部によると、101の独法のうち40法人が関連の企業や公益法人に事業などを発注し、うち26法人では随意契約の割合が9割に達しているという。職員の給与も7割の独法で国家公務員の水準を上回り、中には国家公務員の1.45倍という団体もあったという。
 この問題で福田康夫首相は、先月30日の閣僚懇談会で「独法には大変厳しい批判もある。改革をしないと国民の信頼回復は果たせない。明らかに廃止したほうがいいもの、民間に任せた方がいいもの、給与が高すぎるものもある」と述べた。全くその通りというべきだ。
 さらに首相は「どうしたら整理合理化計画が達成できるかを考えるべきだ。これは各大臣の政治家としてのリーダーシップの問題だ」と閣僚折衝に前向きに応じるよう促した。
 独法の最大の存在理由は官僚の天下りの受け皿となること、それ故に改革を怠ろうとしている。国の行政に対するそんな不信感を多くの国民が持ち始めている。
 各閣僚が省益や閣僚益に固執し、改革を後退させるようなら、増税や年金改革などは説得力を失い、国民に痛みを強いる改革はますます困難になるだろう。結果として財政再建などおぼつかなくなる。
 ここでどのような改革を国民に示せるか。渡辺行革相の力量と各閣僚の「政治家としてのリーダーシップ」が問われる。さらに首相自身のリーダーシップがそれ以上に問われることを指摘しておきたい。
 ★一言欄 整理統合とは? 天下り先とは? なんだろうねぇ〜?

07.12.1. 読売新聞 編集手帳

  千歳空港 ANA便

 

 横綱栃錦が部屋の力士を相手に、みっちり40番ほど稽古をしたときのこと。このあたりで終えようと思ったか、最後の相手に自分から力を抜いて土俵を割った◆師匠(元横綱、栃木山)が柱の陰に呼んで諭した。「稽古は勝って終えろ。横綱とはそういうものだ」。相撲のアナウンサー、北出清五郎さんが回想の随筆に書いている◆教えの内容もさることながら、「柱の陰に呼んで」がいい。横綱が叱られ、反省する光景は、たとえ内輪の者であっても人目にさらしてはいけない、という心遣いであろう◆師匠ではなく日本相撲協会から叱られる姿が、内輪ならぬ世間の目にさらされたのは横綱朝青龍である。怪我を理由に夏巡業を休みながら母国モンゴルでサッカーに興じ、「2場所出場停止」などの謹慎処分を受けて4カ月になる◆処分に衝撃を受けて母国で療養していた横綱がきのう再来日し、「皆様にご迷惑をかけた」と記者会見で謝罪した。表情に精気が戻ったのは何よりだが、数か月前にするべき謝罪というより、本来あってはならない謝罪であることを、土俵への復帰を準備していくなかで忘れてほしくない◆そっと拳措ふるまいを諭してくれる師匠がいたならば、横綱が満天下て゛反省の弁を語る情けない事態には至らなかっただろう。「柱の陰」がひとしお胸にしみる。
 ★一言欄 相手の気持ちを大切に……!なっ!!

【2007年11月】
07.11.9 特集 〜状況別・業務上災害認定のポイント〜
 業務中も私怨による暴行でのケガは業務外
 業務上災害と認められるか否かについては、各状況ごとに業務上災害と認定されるための一定の条件がある。例えば、他人の暴行による災害であっても、暴行の原因が業務にあり、業務と暴行との間に相当因果関係が認められる場合は、その負傷は業務上災害と認められることになる。
 労働基準法では、労働者の業務上の事由による負傷、疾病、障害、死亡などに対して、使用者に災害補償を行う義務を課している。
 そして、この使用者の災害補償義務を肩代わりする制度として、労災保険制度があるわけだ。
 労働者が業務によりケガをしたり、病気になったり、あるいは死亡した場合、その傷病などが業務上災害と認められれば、被災した労働者や遺族に対し、労災保険から各種の保険給付が行われる。
 このように、業務が原因と思われる災害にあった場合、その災害が業務上災害と認められるかどうかは、被災した労働者にとって大きな問題となる。
 それでは、労働者の被った災害が、業務上災害と認められるには、どのような要件が必要なのだろうか。ここでは、業務上災害の認定に関する基本的な考え方と、各状況ごとの認定のポイントについてみてみる。

 災害に業務起因性認められれば業務上に
 1.業務上災害認定の基本的考え方
 業務との間に相当因果関係が必要
 ある災害が業務上災害と認められるためには、業務と災害との間に、一定の因果関係がなければならない。
 すなわち、その災害に業務遂行性と業務起因性が認められることが必要とされる。
 業務遂行性とは、「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」という。
 したがって、事業場内での業務に従事している場合はもちろん、出張中など事業場外で業務に従事している場合も業務遂行性は認められる。
 また、業務に従事していなくても、例えば、休憩時間中に事業場内にいる場合には、事業主の支配下にあるとはいえ、業務遂行性が認められることになる。
 一方、業務起因性とは、「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」に伴う危険が現実化したものと経験則上認められることをいう。
 この「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」とは、業務遂行性のことであるから、業務遂行性がない場合は、業務起因性もないことになる。
 例えば、スーパーのレジ係が、業務中に近所付き合いでトラブルになっている隣人から、そのトラブルを理由に暴行を受けてけがをした場合、その災害には業務遂行性は認められるが、業務起因性は認められないため(災害の原因が業務ではない)、業務上災害とは認められない。
 このように、業務上災害と認められるためには、その災害に業務遂行性と業務起因性が認められなければならない。
 そこで、以下からは、業務遂行性と業務起因性の有無の判断など、業務上災害の認定のポイントについて、災害発生の状況別にみてみることにしよう。
 状況別・業務上災害認定のポイント
 2.就業時間中の災害
 作業の中断中も業務遂行性が認められるケースも
 就業時間中の災害といっても、災害は自分が担当する作業を行っている最中にのみ発生するとは限らない。
 例えば、就業時間中にトイレに行く途中でケガをするケースなども考えられる。
 そこで、ここでは、就業時間中の災害を(1)作業中(2)作業の中断中(3)作業に伴う必要行為中(4)作業に伴う準備行為または後始末行為中(5)緊急業務中―――の5つの状況に分け、業務上外の判断についてみてみる。
 

     菊の花

     曲り家の秋

 

 1.作業中
 私的行為なければ原則業務上に
 労働者の作業中に発生する災害は、私的行為や恣意的行為などに起因するものでない限り、ほとんどが業務上災害と認められるといってよいだろう。
 それでは、労働者が、本来受け持っている業務ではない作業をしている間に災害にあった場合はどうなるのだろうか。
 この場合には、その作業に従事することについて、事業主などの業務命令があったかどうかが、一般的には判断のポイントとなろう。
 例えば、製造工場の事務の担当者が、たまたま、製造ラインの人員が不足したため、上司から製造ラインへの応援を命じられ、製造ラインでの作業中にケガをした場合は、本来担当している業務ではないが、製造ラインの応援をする旨の業務命令により仕事をしている際の災害であり、業務上災害と認められることになる。
              <参考1>
 業務災害と認定されるための条件
 業務上災害と認められるためには
 業務遂行性と業務起因性が認められることが条件
 業務遂行性
 労働契約に基づき、事業主の支配下にある状態を指す
 業務起因性
 労働者が事業主の支配下にあることに伴う危険が
 具体化したとみとめられるもの
 業務遂行性、業務起因性が認められるケース(太字)
 業務遂行性、業務起因性が認められないケース(細字)
 通常の作業中の負傷
 泥酔してトラックから転落した助手の死亡
 作業中ハブにかまれた配管工の負傷
 休憩中工場内でキャッチボール中に取り損ねたボールが顔に当たって負傷
 事業場施設の道路の 不備により転倒し負傷
 出張中、映画館で映画を見た帰りに転倒し負傷
 出張中の宿泊先の火災で負傷
 私的な怨恨がもとで、たまたま業務中にけんかになり負傷
 業務態度が悪い部下を注意した上司が、逆上した部下にその場で殴られ負傷

 2.作業の中断中
 トイレも業務に付随する行為
 就業時間中でも、例えば、トイレに行くとか、水を飲みに行くなど、作業を中断し、少しの間、仕事から離れることもある。
 このような行為は、業務行為そのものではないが、それが生理的必要によるものである限り、業務行為に付随している行為として、業務行為と同様に取り扱われる。
 しかし、一見生理的行為と思われるようなものでも、それが私的な目的による行為や恣意的な行動とみられるものであれば、その間の災害には、業務起因性は認められない。
 この点については、作業の内容、作業場の状況、作業管理の状況などを考慮して判断されることになる。
 例えば、事業場のビルが断水したため、事業場近くの売店などに飲料水を買いに行く場合は、生理的必要によるものとみることができるので、業務に付随する行為とみなされることになろう。
 一方、事業場内に水道や飲み物の販売機など設備があるにもかかわらず、事業場外のコーヒー専門店にテイクアウトのコーヒーを買いに出掛け、その途中で負傷したような場合は、私的行為あるいは恣意的な行動とみなされることになろう。
 3.作業に伴う必要行為中
 担当業務遂行上必要な行為か
 就業中の行為は、そのすべてが本来担当している作業ばかりとは限らない。担当業務以外で、また、業務命令がない場合であっても、それが仕事を行う上で必要または合理的な行為であると認められれば、それは業務行為に含まれることになる。
 この場合の「必要・合理的な行為」か否かの判断ついては、おおまかにいえば「普通の人ならばそうしたであろう」と認められるか否かということになろう。
 例えば、トラックで配送作業中に、狭い一本道で前方に他人の車が故障して停止していたため、トラック運転者が故障車を端へ寄せる作業を手伝っていて、けがをした場合について考えてみよう。
 故障車を排除する行為は、運転者の担当業務とはいえないが、配送作業の担当者として、故障車を排除しなければトラックが通過できず、作業が行えないという判断から、故障車の排除を行いけがをしたと考えることができる。
 そうすると、その運転者の行為は、担当業務の遂行上必要な行為とみることができ、その際のけがは業務上災害と認定されることになろう。
 一方労働者が、直接自分の業務とは関係のない他者の業務を善意で手伝う場合には、事業主の特別の業務命令があったとか、または、手伝うことに業務上必要性があったなどの事情がない限り、単なる善意行為とされ、その間の災害は業務上災害とは認められない。
 過去の事例では、電気修理工が他社の顔見知りの労働者の作業を手伝っている際に被災して死亡したケース(昭23・6・24 基収第2008号)や、トラックの車体検査のため検査場に行き同所のストーブの煙突外し作業を手伝って転落死したケース(昭32・9・17 基収第4722号)はいずれも業務外とされている。
 

    残り少ない紅葉

   白樺 一本で淋しそう

 

 <参考2>
 就業時間中の災害の業務上外の判断のポイント
 作業中
(1)その災害が作業中に発生したものなのか
(2)その災害が業務に起因するものか(私的行為、恣意的行為、業務逸脱行為などの間に発生したものかどうか)
 作業の中断中
(1)生理的必要による業務行為に付随する行為としてみることができる行為中の災害か
(2)労働者として避けられない反射的な行為中の災害か
 作業に伴う必要行為中
(1)その作業を担当する労働者として必要な行為中の災害か
(2)客観的にみて「普通の人ならばそうしたであろう」と認められる行為中の災害か
 作業に伴う準備行為または後始末行為中
(1)業務行為に通常又は当然に付随する準備行為または後始末行為中の災害  
  か
(2)単なる事業場施設の利用行為中あるいは単なる自由行動中の災害でない    
  か

 4.作業に伴う準備行為又は後始末行為中
 業務の延長と見られれば業務上
 業務を行うに当たり、始業前に着替え、機械器具の整備などの準備行為、終業後に機械器具の整備、洗面、手洗い、着替えなどの後始末行為を行っているケースもある。また、体が著しく汚れるような業務を行っている場合は、終業後に入浴するケースもあるだろう。
 これら準備・後始末行為についても、業務に付随する行為として、業務行為の延長とみることができる。
 ただし、始業前や終業後に行われる行為がすべて業務の延長となるわけではない。始業前・終業後に接続して行われる行為でも、業務行為に通常または当然に付随するもの以外はむしろ単なる事業場施設の利用行為か、単なる自由行動とみなされることになるからだ。
 この点については、作業の内容、作業場の状況、事業場の慣行などを考慮して判断されることになる。
 例えば、事業場内での入浴については、その浴場が労働者の専用のものかどうか、その作業に従事する労働者がおおむね全体として常時利用しているかどうかによって、後始末行為か、または単なる福利施設の利用行為かが判断されることになる。
 5.緊急業務中
 緊急業務中については、事業主の命令があった場合はもちろん、事業主の命令がない場合も、その業務が当該事業の労働者として行うべきものである限り、業務行為とみなされ、その間の災害は業務上災害となる。
 例えば、業務中に事業場が火事になり、その消火に当たる行為は業務行為とされる。
 ただし、特に必要がないにもかかわらず、労働者が善意で行った行為は、業務行為とはみなされない。
 過去の事例では、木材伐採作業現場主任が豪雨下での木材の流出をおそれて作業場に赴き行方不明となったケース(昭29・3・16 基収第120号)や、重油タンクに落ちた船主を救出しようとしてタンク内に落下して死亡したケース(昭34・12・26 基収第9335号)が、業務上災害とされている。
 一方、自らが居住している社宅の類焼防止作業中に感電死したケース(昭24・12・15 基収第4028号)は、事業場の緊急事態によるものではないとして業務外とされている。
 

    林道の木漏れ日

    上三依駅前の紅葉

 

 事業場施設の欠陥に起因する災害は業務上
 3 就業時間外の災害
 就業時間外であっても、労働者が事業場内にいる場合には、いまだ事業主の支配下にあるといえる。
 しかし、就業時間外である以上、労働者の個々の行為は私的行為であり、労働者の私的行為が原因の場合は業務起因性が認められない。しかし、事業場施設の管理や欠陥が原因であれば、業務起因性が認められ、業務災害となる。
 そこで、ここでは、就業時間外の災害を(1)休憩時間中(2)事業場施設の利用中――の2つの状況に分け、業務上外の判断についてみてみる。

 1 休憩時間中
 特別の場合以外は原則業務に
 休憩時間中も、労働者が、事業場内で行動している限り「事業主の支配下にある」こととなるため、業務遂行性は認められる。
 しかし、休憩時間中の労働者の行為は原則として私的行為とみなされるため、休憩時間中の災害には一般に業務起因性は認められない。
 なぜなら、休憩時間については、労働基準法第34条により、労働者に自由に利用させることが義務づけられているからだ。
 一方、休憩時間中の災害でも、事業場施設の管理あるいは欠陥に起因すると認められれば、業務上災害と認められることになる。
 例えば、休憩時間に事業場敷地内でキャッチボールをしていて、ボールを取り損ねてケガをしたような場合は、事業場施設の管理や欠陥に起因するものではないから業務起因性は認められない。
 一方、同様にキャッチボールをしていてケガをした場合でも、その場所のマンホールが会社の管理責任者のミスで開き放しになっており、そのため、マンホールに落ちてケガをしたような場合は業務上災害と認定されるといえよう。

 2 事業場施設の利用中
 食堂や娯楽施設などの利用中も
 就業時間外に、社員食堂で食事をするとか、社員用の風呂に入るなど、事業場施設を利用する行為には、いまだ事業主の支配下にあるといえ業務遂行性が認められる。しかし、就業時間外に災害が発生した場合は、それが、事業場施設の管理や欠陥に起因する場合、あるいはこれらと相まって災害が発生した場合に限り、業務起因性が認められる。
 例えば、就業時間外に社員用の風呂に入っているときに、ボイラーの火災によりケガをしたような場合には、事業場施設(ボイラー)の欠陥に起因する災害と認められ、業務上災害と認められることになるだろう。
 それでは、社員食堂の食事で食中毒になった場合はどうだろうか。
 この場合、社員食堂における調理について、会社が衛生管理上の責任を負っている場合には、その食事による食中毒は、会社の食事施設の欠陥や調理過程による衛生管理の不徹底によるものと考えられ、事業主の支配管理下による災害として業務上災害と認定されると考えられる。
 一方、社員食堂の運営を外部業者に委託し、衛生管理などもすべて業者に任せている場合は、その食事を原因とする食中毒は、業務上災害と認定される可能性は低いといえよう。

  <参考3> 就業時間外の災害の業務上?の判断のポイント
 休憩時間中
 (1) 食事のため事業場の外へ出ている間など事業主の管理下を離れている間の災害には業務起因性は認められない。
 (2) 休憩時間中であっても、事業場施設内での生理的必要行為、作業と関連がある各種の必要行為・合理的行為には業務遂行性が認められる。
 (3) 私的行為中の災害であっても、事業場施設またはその管理に起因する災害であれば、業務起因性が認められる。
 事業場施設の利用中
 (1) 事業場の建物、機械器具のほか、食堂、浴場、娯楽室や通勤用バスなどの事業場施設またはその管理に起因していることが証明されれば業務起因性が認められるが、この証明がなければ、原則として業務起因性は認められない。
 (2) 事業主の行う健康診断などの診断方法、治療処置などに起因して発生した場合は、業務起因性が認められる場合もある。
 

  只見地方の銀杏の黄葉

      只見湖

 

 出張先での通常の宿泊中の災害は業務上に
 4 その他の災害
 1 出張中
 出張過程全般に業務遂行性ある
 出張中は、業務の成否や遂行方法については、包括的に事業主に対する責任を負っていると考えられることから、原則として、出張過程全般について、事業主の支配下にあるものとして業務遂行性が認められることになる。
 自宅から出張先へ直行直帰するケースがあるが、このような場合も、一般にその過程全般に業務遂行性が認められると解されている。
 また、出張中は、出張業務そのものだけでなく、宿泊行為など出張に当然付随する行為も含め業務遂行性が認められるとされている。
 したがって、出張先の旅館などで通常の宿泊中に被災した場合、例えば、就寝中に火災で焼死したとか、旅館の食事で食中毒になった場合は、特別の事情がない限り、出張業務に起因する災害ということになる。
 一方、酒に酔っ払ってけんかをしてケガをしたとか、泥酔して旅館の階段から転落してケガをした場合は、積極的な私的行為・恣意的行為によるものとされ、業務起因性は認められない。

                 <参考4>
 出張中に発生した災害の業務上外の判断のポイント
 出張に発生した災害
(1)出張中は、その業務の成否や遂行方法などについて包括的に事業主に対する責任を負っているといえるため、特別の事情のない限り、出張過程全般に業務遂行性が認められる。
(2)出張中の個々の行為に際して発生した災害については、積極的な私的、恣意的行為などに基づくものでない限り、一般に業務起因性が認められる。
(3)宿泊地での滞在が長期間に及び、宿泊場所が居所としての性格を持つようになるなどその宿泊施設が住居というにふさわしいと認める場合は、その宿泊場所にいる間は業務遂行性は失われる。

 出張先で殺害されたケースも
 出張については、治安がよくない外国に出張に行き、現地で犯罪に巻き込まれるケースがある。
 判例では、中国(大連)へ出張中に宿泊先ホテルで強盗殺人で死亡したケースについて、業務上災害は出したものがある(鳴門労基署長事件 平14・1・25 徳島地判)。
 この事件では、@以前から北京や大連で日本人が被災者となる同様の事件が起きていたことA加害者の私怨など私的関係に基づくものでないことBホテル側の安全対策が不十分であったこと―――などから、このような強盗殺人などの被害に遇う危険性が高かったと判断されている。
 このほか、最近では、海外でテロに遇う危険性も高まっている。
 海外出張中にテロに巻き込まれた場合も、業務に内在する危険が現実化したものと認められる場合は、業務上災害と認定されることになる。
 この危険性が内在していたかどうかは、国内、国外を問わず、個別具体的に判断されることになる。

 事業場専用バスの通勤中の事故は業務上
 労働者の通勤途上の災害については、一般に事業主の支配下にあるとはいえないので、業務上災害ではなく、通勤災害となる。
 ただし、通勤途上であっても、@事業場専用の交通機関で出退勤を行う場合A出退勤の途中で業務を行う場合B突発事故などによる緊急用務のため予定外の緊急出勤をする場合―――については、一般にその間の災害は業務上災害となる。
 例えば、@については、具体的には、労働者を事業場専用のバスで駅から工場まで送迎しているような場合をいう。この場合、バスに乗車している間に交通事故でケガをした場合は、通勤災害ではなく業務上災害となる。

 2.運動競技会や宴会など会社行事に出席中
 一定の条件満たせば遂行性ある
 運動競技会に出場中に負傷したケースについては、一定の条件を満たせば、業務遂行性が認められる。
 具体的な判断基準については、@事業を代表して参加する対外的な運動競技会A同一企業に属する各事業相互の運動競技会B事業場内の運動競技会C運動競技会出場のための準備練習中―――の4つに分け、それぞれ業務遂行性を認めるための基準が示されている(<参考5>参照)
 例えば、都市対抗野球の全国大会に出場する場合は、一般に参考5の「1.事業を代表する対外的な運動競技会」の条件を満たすことができることになるので、業務遂行性が認められることになる。
 一方、休日に会社内の有志が集まって野球の試合を行い、その試合でケガをした場合、会社が特に参加の強制も行っておらず、また、賃金も支払われていないような状況であれば、業務外と判断されるだろう。

              <参考5>
 運動競技会などでの災害の業務上外の判断のポイント
 1.事業を代表する対外的な運動競技会
 次の条件をすべて満たす場合に業務遂行性を認める
(1)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業の運営に社会通念上必要とみとめられること
(2)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業主の積極的特命によってなされたこと(次の@、Aの条件を満たすことが必要)
 @ 運動競技会出場につき、通常の出張の場合と同様に出張命令が出され、かつ、旅費、日当が支払われていること
 A 運動競技会出場当日は、通常の出勤と取り扱われていること
 2.同一企業に属する各事業場相互の運動競技会
 次の条件をすべて満たす場合に業務遂行性を認める
(1)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業の運営に社会通念上必要と認められること
(2)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業主の積極的特命によってなされたこと(前記1の(2)の条件を満たすことが必要)
 3.事業場内の運動競技会
 次の条件を満たす場合に業務遂行性を認める
(1)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業の運営に社会通念上必要と認められること
(2)当該運動競技会に労働者を出場させることが、事業主より強制されていること(次の@、Aの条件を満たすことが必要)
 @ 当該運動競技会が事業所所属の全員の参加により行われていること
 A 運動競技会出場当日は、通常の出勤と同様に取り扱われ、出場しない者については、欠勤として取り扱われていること
 

     黄葉と紅葉

      緑を残している

 

 4.運動競技会出場のための準備練習中
 前記1、2により、運動競技会への出場のための準備練習については、その準備練習が事業主の積極的特命によって、通常の就業時間中に行われた場合に限り、業務遂行性が認められる(積極的特命があったと認められる条件は、前記1の(2)の条件を満たすことが必要

             幹事役などの災害は業務上に
 労働者が、宴会、慰安旅行などの社内の催しに参加する場合、その催しの企画、運営などが本来の職務になっている者(庶務係の社内行事の世話など)ならば、業務遂行性は認められるが、そうでない者については一般に業務遂行性は認められない。
 例えば、社員旅行の際に、世話係として同行していた庶務課員が体調が悪くなった者の介抱をしていて階段から落ちてケガをしたというような場合は、業務上災害と認められることになろう。
 一方、例えば、会社の忘年会で、幹事役でもない者が酔って転んでケガをした場合は、業務遂行性は認められず、業務外と判断されるだろう。

                    <参考6>
 宴会、社内旅行など行事出席中の災害の業務上外の判断のポイント
 宴会、社内旅行など行事出席中
(1)その催しの企画、運営などが本来の職務になっている者(営業部員の取引先との接待、庶務課員の社内行事の世話など)ならば、一般に業務遂行性が認められる
(2)(1)に該当しない労働者の場合、その催しの主催者、目的、内容、参加方法、運営方法、費用負担などから総合的に判断するが、特別の事情がない限り、一般に業務遂行性は認められない
(3)この種の催しに参加すること自体に業務遂行性が認められる場合でも、参加している間の個々の行為がすべて業務行為とみなされるものではなく、恣意的行為などによる災害は、業務起因性は認められない。

 3.他人の暴行による災害
 業務との相当因果関係が必要
 労働者が他人の暴行によって負傷した場合、暴行の原因が業務にあり、その業務と暴行による負傷との間に相当因果関係が認められる場合には、その負傷は業務上災害と認められる。
 ただし、一見、暴行が業務に起因しているようにみえても、実際は、当人同士あるいは加害者の一方的な私怨が原因である場合は、業務上災害とは認められない。
 また、労働者が職務上の限度を超えて加害者を刺激あるいは挑発したような場合は、恣意的に自ら危険を招いたものとして、業務上災害と認められない可能性が高い。
 暴行と業務との相当因果関係の有無の判断については、暴行の原因となる業務上の事実と暴行との間の時間的・場所的関連がどうだったかなどもポイントとなる。(<参考7>参照)
 事例では、警備員が寮に侵入してきた暴漢に襲われて死亡したケース(昭24・9・12 基収第5119号)勤労係長が勤務態度が悪い労働者を注意したところ、その場で殴打されたケース(昭23・9・28 基災基発第176号)は、いずれも業務上災害と認められている。
 なお、勤労係長のケースは、部下の上司に対する暴行だが、上司による部下への暴行についても、業務との相当因果関係が認められれば、業務上災害と認められることになろう。

                  <参考7>
 他人の暴力による災害の業務上外の判断のポイント
 他人の暴行により発生した災害
(1)災害(暴行)の業務にあって、当事者間に私怨がないなど、業務と災害との間に相当因果関係が認められる場合は、業務起因性が認められる
(2)業務起因性の有無については、主に次の@、Aの点を考慮して判断される
 @ 加害行為が明らかに業務と関連しているか、否か、私怨などがなかったか否か
 A 加害行為の原因となる業務上の行為と加害行為との時間的・場所的関連があるか否か
 

   茸狩りに歩く林道から

      冬支度の薪

 

     4.天災地変による災害
天災地変が原因なら業務外に
 労働者が、地震、土砂崩れ、火山の噴火などの天災地変によりケガをしたり、死亡した場合は、たとえそれが業務中であっても、一般的には業務災害とは認められない。
 というのは、天災地変は、不可抗力的に発生する自然災害であり、事業主の支配下・管理下にあるか否かに関係なく、等しくその危険があるといえ、事業主に災害発生の責任を課すのは困難だからだ。
 ただし、天災地変による災害でも、同時に災害に被りやすい業務上の事情(業務に伴う危険)があり、それが天災地変を契機として具現化したものと認められる場合は、その災害は業務上災害と認められることにある(昭49・10・25 基収第2950号)。
 平成7年に発生した阪神・淡路大震災の際にも、この通達の基準によって、業務上外が判断されている。
 例えば、山間地にあるゴルフ場で、豪雨の下で業務を行っていたキャディが落雷にあった場合などは、作業環境そのものに危険があったものと考えられ、業務上災害と認められる可能性が高いといえよう。
 一方、地震による大津波で事業場の周囲を含む町全体が水没し、そのため、事業場も水没してしまったような場合は、天災地変そのものが災害の原因であり、業務上災害とは認められないこととなろう。

                <参考8>
 天災地変に際して生じた災害の業務上外の判断のポイント
 天災地変に際して発生した災害
 (1)天災地変そのものは業務と無関係な現象であるため、業務中に発生したものであっても、一般に業務起因性は認められない。
 (2)ただし、天災地変に際して発生した災害も、同時に天災地変による災害を被りやすい業務上の事情があって、その事情とあいまって発生したものと認められる場合は、業務に伴う危険が現実化して発生したものして業務起因性が認められる
 (3)業務起因性が認められる例としては、土砂崩れ、落雷、噴火、雪害などの天災地変が発生する危険性の高い作業環境、作業条件、事業場施設などのもとで被災した場合などが挙げられる

07.11.30 夕刊 よみうり寸評
 <国に諌める臣あればその国必ずやすく、家に諌める子あればその家必ずただし>――平家物語にある。防衛省には守屋前次官を諌める部下がいなかった。守屋家には諌める子ではなく、おねだり妻がいた◆これでは組織も家もおかしくなる。前次官は強力なライバルや意に沿わない部下たちを次々に排除する<恐怖人事>で地位を固めた。周囲にはイエスマンばかりが残った◆どうしたらあれほど度外れな過剰接待にどっぷり漬かれるのかとあきれたが、4年余りも次官に在任、人事を自在に操り権勢をほしいままにすれば、何か勘違いするのだろう◆この間、防衛庁は念願の省昇格を果たした。が、このていたらくでは、昇格の目指した<三流官庁からの脱却>はまだ道遠しということだろう◆国防の重責を担うには一流官庁でありたり。ならば、それは最も<廉潔>が求められる組織でなければなるまい。そのトップが廉潔のいろはをわきまえていなかった。周囲に諌める人物がいなかった◆防衛省は三流以下の組織であることを大いに恥じて出直さなければならない。
 ★一言欄 ドップリ接待…! 婦夫で…!
 

  千歳空港 飛び立った

07.11.30. 読売新聞 道路特定財源 暫定税率 戻すのが筋

    カラスのえさ?に?

 

 日本自動車工業会の張富士夫会長(トヨタ自動車会長)は29日、読売新聞のインタビューに答え、道路整備のために法律などで定める本来の税率より高く課している揮発油(ガソリン)税などの道路特定財源について、「道路に使わないなら(上乗せ分の)暫定税率を元に戻すのが筋だ」と述べ、税率の引き下げを求めた。税率上乗せを続けながら、税収の一部を使い道を限定しない一般財源にする政府の方針を批判した。
 揮発油税などの税率を本来の2倍前後に上乗せしている暫定税率は、ほとんどが2008年3月末に期限切れを迎える。政府は期限延長と一般財源について「納税者の理解を得る」と公約しているが、張氏は「自動車ユーザーから1000万以上の(反対の)署名が集まっている。(政府の努力は)十分なされていない」と強調した。
 国土交通省が示した、2008年度から10年間で65兆円の道路整備を進める案については、「地方が発展していくためにもう少しインフラ整備をした方がよく、方向としては大事だ」と評価した。一方で、国交省案が暫定税率の維持を前提としている点には「せめて5年たったら見直すべきだ」と指摘した。
 道路特定財源の余った分を高速道路の料金値下げに充てる政府の方針に対しては、「高速道路会社に税金を入れるのは良いか。賛成と一概には言えない」と否定的な見方を示した。
 ★一言欄 「暫定」一時的に決めること しばらくの間の仮の取り決め
 旺文社国語辞典 霞が関! この意味を理解しているのかなぁ〜〜?!

07.11.29. 夕刊. よみうり寸評
 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひて妻としたしむ 啄木 夫婦の像もいろいろあるが、この歌は守屋武昌・前防衛次官とその妻のイメージとは対極の姿かも知れない◆先輩、同僚、並みいるライバルに競り勝ち、ごぼう抜きで官房長になった。トントン拍子で次官に就任、4年も君臨した◆√…連れて行くのやすけれど、女乗せない戦船…。帝国海軍を歌った古い歌を思い出した。戦争に連れて行ったわけではないが、前防衛次官は接待ゴルフに会食に夫人を同伴した。それがあきれるほどの回数に上る◆あげくの果てが、前次官は拘置所にまで夫人を同伴する羽目に陥った。ゴルフ場へは偽名で通った夫妻だが、今度は本名の下にそろって<容疑者>が付く身になった◆きのう、夫妻は収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。<身分なき共犯>ということで妻にまで逮捕状執行は珍しい。贈賄側から妻名義の口座への振り込みもあり過剰接待の攻勢の激しさを物語る◆この逮捕によって、巨額な防衛利権をめぐる<政官癒着>の解明にメスがはいる。
 ★一言欄
 シビリアン・コントロール…!空文化…?こんな予想はしたくな〜〜い!

 

  あっ!!アブない!!

07.11.27 下野新聞 栃木第三者委 年金確認で第2部会設置 体制強化し審議迅速化
 公的年金の記録不備問題に関連し、記録訂正の是非を判断する年金記録確認栃木地方第三者委員会は26日、申立て内容を新たに審議する第二部会(委員5人)を設置し、部会長に高橋信正弁護士を選出した。7月に設置した第一部会(同5人)と合わせ、態勢を強化することで審議の迅速化を目指す。
 第二部会の委員は高橋弁護士のほか、行政相談委員の大久保照江氏、元宇都宮市職員の大越清氏、税理士の加藤勝也氏、社会保険労務士の松浦良雄氏で構成。任期は2年で、第一部会とは別の申し立て内容を審議する。
 本県の各社会保険事務所が20日までに受理した申立件数は387件。これまでに44件を審議し、26件(あっせん案決定12件、却下11件、取り下げ3件)の審議を終了した。
 宇都宮市の宇都宮地方合同庁舎で開かれた初会合終了後、会見した高橋弁護士は「国民の目線に立って公正公平な判断を下し、年金制度に対する国民の信頼回復に努めるのが本委員会の使命」と述べた。
 一方、同第三者委の事務局スタッフも現在8人から12月1日付で10人に増強する。
 総務省によると、全国50カ所に設置している地方第三者委員会は審査の遅れや申立件数の増加から、月内にも委員を現在の300人から500人態勢にする。
 ★一言欄
 お役所の後始末委員会? 頑張って下さい!!
 

バルーン国際大会 栃木市の水上さん優勝!

07.11.24 読売新聞 編集手帳

 バルーン 真下から 「美しい!」

 

 仁徳天皇が他の女性に興味を示したことにヘソを曲げ、皇后イワノヒメが宮を出てしまう。関係を修復すべく、天皇が皇后のもとを訪ねて詠んだ歌が「日本書紀」にある◆「木鍬持ち 打ちし大根 根白の白腕……」。鍬で掘り起こした大根のような、真っ白なあなたの腕――という意味になる。足にたとえても叱られる現代人としては、かえって関係がこじれはしなかったかと、ひとごとながら心配になる◆青果店の前を通るたびに、腕よりも太く気持良く育った大根の白さに目がいく。江戸期の俳人、園女に、「大根に実の入る旅の寒さかな」という句があるように、冬は大根のおいしい季節である◆鍋に入れるもよし、ブリと一緒に煮るもよし、漬けるもよし、料理の万能選手でありながら値段は手ごろで、消化を助ける酵素も豊富に含まれている。ありがたい食べ物である◆世間では、あの店は星いくつ、この店はいくつと、話に花を咲かせている。放浪の末に帰宅してみれば、星は卓上コンロの鍋のなかにいた、という味覚版「青い鳥」のおとぎ話もないとは限るまい◆木枯らし1号と聞けばフロフキの一献が浮かび、初雪と聞けばおでんの一杯が頭をよぎる左党には、誘惑との勝負を毎日のように迫られる季節だろう。世の中で負けてうれしいのは、これだけかも知れない。
 ★一言欄
 ただののんべーのひとり言! やっぱりほしいよね!

07.11.23 読売新聞 編集手帳
 ピーター・パンの仲間ティンカー・ベルは背丈が手のひらほど、枯れ葉の服を着た妖精である。「ティンカー」は英語で鋳掛け屋、鍋などを修繕する商売をいう◆J・M・バリの原作(角川文庫)によればこの妖精は腕のいい鋳掛け職人だが、虫の居所が悪いときは「トンマのマヌケ」と、可憐な容姿に似合わぬ乱暴な口もきく◆妖精の鋳掛け屋がいるのならば、「のれん」にあいた穴をふさいでほしい企業は多かろう。菓子といわず牛肉といわず、経営者と呼ばれる立場になって、昔は後生大事に持っていた職人の志や誇りを捨ててしまう人が後を絶たない◆世界の若者が静岡県沼津市に参集して職業技術を競った「技能五輪国際大会」が幕を閉じた。日本選手は洋菓子製造、溶接、抜き型、造園など16個の金メダルを手にしている◆世間を騒がす老舗の経営陣も、ひたむきに、ただひたすらに技を究めようとする各国選手の姿に触れたならば、遠い日の自分を思い出し、「トンマのマヌケ……」と囃す妖精の声を胸底に聞いたはずである◆食品に限らず、どんな職種にもうそ偽りの誘惑はつきまとう。心に迷いが兆したときは、すかさず罵倒してくれるティンカー・ベルは、わが胸に健在なりや。きょうは「勤労感謝の日」、丈夫で働ける喜びをかみしめつつ、自問する日でもあろう。
 ★一言欄
 今の若い者は…!いいですねぇ〜
 

  地元 両宮神社 秋の大祭

07.11.22 夕刊 よみうり寸評

  日光高速道・遅い紅葉!

 

 <技能五輪国際大会>――世界の若者が職業技能を競う、いわば現代の職人のオリンピックだ。静岡県沼津市で開かれていた第39回大会がきのう閉幕した。◆47の職種に46の国・地域から813人が参加、日本勢は16職種で18人が金メダルを獲得し、単独世界一。銀5、銅3を加えたメダルの総数はこれまで最多だった東京大会(1970年)に並んだ◆いろいろな分野で<職人>がいなくなったといわれるが、量産・機械化の時代でも、ものづくりは職人の手が支えている。手作業、研ぎ澄まされた人間の五感が必要なのだ◆今大会の好成績がうれしい。「洋菓子製造」の大島千奈選手(新潟)は、この部門で日本初の金。同時に国ごとの最高得点者「ベストオブネイション」も受賞した◆旋盤、溶接、自動車板金、電子機器組み立て、造園……数々の種目の金が日本のものづくりに生きている職人の腕を物語る。メダリストたちには<職人気質>も生きていることだろうと想像した◆自分の仕事に誇りを持っている、礼儀も大切にする、律儀でまじめ……それが職人気質だ。
 ★一言欄
 いつまでも 現役ではない 早く自覚しよう

07.11.21 夕刊 よみうり寸評

    赤松の老松

 

 <世界乃名物 日本料理>――料亭「吉兆」の創業者・湯木貞一さんは店のマッチにそう印刷した。日本料理を世界に類のない総合芸術に高めたとして、料理界初の文化功労者になった人物でもある◆1997年に95歳で死去。それから10年になる今、レストランを星の数で格付けするフランスの「ミシュランガイド東京2008」が明日22日、発売される。アジア初だ◆最高の三つ星評価8店のうち日本料理が3店、すしが2店、湯木さんの言う<世界乃名物 日本料理>がミシュランに認められたかたちになった◆「東京は世界に輝く美食の都」とミシュランガイドの総責任者。湯木さんが聞いたら「何を今更」と言うかも知れないが、三つ星に残念ながら「吉兆」の名はなかった◆湯木さんにしてみればそんな残念より、今もっと残念なのは、のれん分けしたグループの一つ「船場吉兆」の不祥事だろう。商品の消費・賞味期限の改ざん、料亭にまで広がった但馬牛の産地偽装◆創業者の湯木さんは「料理屋とびょうぶは広げすぎると倒れる」と言っていたという。
 ★一言欄
「なるほど」!!!

07.11.19 労働新聞 雇用保険率1.5.%へ 平成20年度
厚生労働省は、平成20年度の雇用保険率を、19年度と同様に1000分の4.5引き下げて、1000分の15とすると発表した。
 失業等給付のための保険料率が1000分の12(労使折半)、雇用安定事業等のための保険料率が1000分の3(事業主負担)となっている。
 一般事業「建設・土木事業を除く」 月額負担額計算例
 労働者  給与月額300.000×1000分の6=1.800
  会社       300.000×1000分の6=1.800
           300.000.×1000分の3= 900 会社合計2.700 
 渋谷、墨田が入札対象 △内閣府・20年度から実施を予定△ ハローワークの一部民間に
 内閣府はこのほど、ハローワーク庁舎内で実施する職業紹介事業を対象とした民間競争入札の概要を明らかにした。入札対象は東京のハローワーク渋谷、ハローワーク墨田の職業紹介部門となっている。
 概要によると、入札にかかる業務範囲は、雇用保険受給者に対する失業認定の一環として行うもの以外の無料職業紹介と職業相談、およびその他就職支援。渋谷、墨田の両ハローワーク庁舎内に民間委託部門を併設する形となる。平成20年度を目途に入札を実施することとした。契約期間は、事業開始から3年間。
 利用者の立場に立った官民併設制度が保たれるよう今後さらに検討するとともに、事業開始後も実施状況をフォローアップを続け、必要な改善を図っていく方針である。
 21年度以降は、官民の事業運営状況を比較するなどにより検証を行い、契約期間終了後の取扱いを決定する。検証結果次第では、契約対象範囲の拡大もあり得る。
 労働行政分野への民間競争入札は、これまで人材銀行事業、キャリア交流プラザ事業、求人開拓事業、アビリティガーデンにおける職業訓練事業、私のしごと館における職業体験事業の5事業で実施済みで、ハローワーク庁舎内の職業紹介は初めてである。
 週録 いよいよハローワークも切り売り開始か。セーフティネットに大穴開くのが心配。
 

   白樺 素直な立姿

07.11.11 下野新聞 会計検査院報告 犯罪まがいの事案目立つ

    日本最古の足利学校

 

 会計検査院が福田康夫首相に提出した決算検査報告で451件、310億円もの不正・不当な公金支出が指摘された。今年は特に、犯罪すれすれの事案が目立つ。
 会計検査院の検査対象は国会、内閣、裁判所、都道府県、市町村のほか、国が出資する政府関係機関、独立行政法人、国立大学病院、NTTなどだ。会計処理が適正でなければ不当事項などを指摘し是正を求めている。
 2006年度の決算検査報告は、指摘事項の内容にあきれるばかりだ。
 都道府県労働局のうち26労働局を調べたが、22労働局では1999年度から2006年度までの間に、当日勤務の最後の職員が庁舎に鍵をかけて退庁し、警備保障会社の機械警備に移った後の時刻にも、一部の職員は超過勤務していたとの判定で超過勤務手当が支給されていた。不正支給は計1億5900万円にも上る。庁舎施錠後の超過勤務があり得るはずはない。まるでやみ給与″だ。
 さらに悪質なのは、長野労働局に検査院の実地検査が入ることを知った局長が、事務連絡で超過勤務等命令簿や機械警備記録などの関係文書を廃棄するよう指示、実際に廃棄されたことだ。局長命令による証拠隠滅であり、組織ぐるみの公金分捕りというしかない。
 超過勤務手当の調査は3年目だ。昨年までの調査で不当支出が指摘されているのを知りながら、不正を行っていたのだから悪質極まりない。
 国庫補助金についての地方自治体の意識の甘さがうかがえる。例えば談合被害の違約金条項だ。国土交通省から補助金を受けて公共事業を行う自治体は、談合があった場合に生じる損害を回復するため「受注者は契約額の一定割合を違約金として支払わなければならない」との条項を契約書に記載しておき、違約金を徴収している。
 だが02年度から06年度までの間に競売入札妨害で業者らが逮捕・起訴された1859件の工事などを調べると、23事業主体の計1314工事(契約額計560億円)で補助金相当額が国庫に返還されていないことが判明した。中でも長野、香川県など2県5市は計389工事などで違約金の請求そのものをしておらず、国庫補助金81億円の回収が放置されている。
 回収できる債権を放っておき、収入の回復を図らないなど、民間企業ではあり得ない。中央省庁も自治体も、扱っている金銭が国民の血税だという意識に欠けている。
 ★一言欄
 専門用語?「降格・戒告」ではダメ!告発し牢屋に入れる……!なっ?

07.11.3 下野新聞 しもつけ随想 マイスタンダード
 先日、上京の折の電車の中。車内はほぼ満席。私は朝食のサンドイッチを食べながら新聞に目をやっていた。外はどんよりとした雨模様。次の駅で何人か乗り込んできた。「ん?何だ?なんだこりゃ?」。なにやら、にわかに咳き込むほどの臭気(?)その息苦しさの中、思わずあたりを見回し、その元凶を探す!前の席に座った初老のご婦人の化粧品?香水?の臭い!(「匂い」とか「香り」と書くところだが…いやいや、とても!)。コートを脱ぐ際に、一きわ車内に振りまく!
 煙草(たばこ)の煙を嫌って乗り込んできたこの禁煙車の乗客″たち(今は全車禁煙だが)。窓を開けたいところだが、今の電車は開閉不能!鼻を押さえ、胸苦しさに耐えながら、今か今かと東京着を待っていた!はず…多分、キット、間違いない!!私はサンドイッチどころではないし、朦朧とした腹立たしさで新聞もうわの空。
 そしてふと思った。ひょっとして、自分も気付かぬうちにとんでもない迷惑やとんでもなく他人を傷つけていないだろうか?自分の常識や自分は当たり前と思っている行為、普通と思っている自分のスタンダードは、世の中のスタンダードとかけ離れているのではないか?いつの間にか、自分の常識基準が当然のように世の中のスタンダードであるかのように思い込んでしまってはいないか?自分の常識スタンダードは今の世の中のどんな位置にあるのか、常に考えなくては!
 反面、禁煙、嫌煙権などについて日ごろ思うことがある。最近の健康志向、性善志向、優等生志向、優越志向、順法志向などによるヒステリックな権利主張。なんかシックリ来ない。煙草が悪いわけではない。酒が悪いわけではない。それらはそれぞれ個人的な嗜好の問題。飲食、音楽、美術、スポーツ、おしゃれ……み〜んな好きずきの問題。
 長い歴史の中の深い喫煙文化、豊かな飲酒文化……なのに。いろいろと問題がおきるのは、すべて愛好家のマナーの欠如、低下のため。世の中は、他人はどう感じているのか、及ぼす影響、他人を気遣う気持ち、その気持ちが鈍感になって、傷つくものに気付かず……だから細かい規則法律による行き過ぎた過剰保護が始まる。一見、弱いものを守る、やさしい世の中に向かっているかの錯覚?気がつくと個人の嗜好や思考の自由を奪われた一律まやかし善良社会。がんじがらめの規制の世の中になっていたりしてね!?
 「車両内化粧品使用量規制法」や「男女正常恋愛基準法」「飲酒量規制法」などができる前に、マナーを考え、自分のスタンダードと世の中の誤差は「どんだけ〜?」かをよ〜く考えなくちゃ!朦朧と考えているうちに「とうきょう〜!とうきょう〜!」 (成良 仁 陶芸家)
★一言欄
「長〜〜い歴史のある喫煙文化。飲酒文化」よ〜〜く、考えよう!!!

 

   今年最初で最後の松茸!!

07.11.5 労働新聞 パワー・ハラスメント 叱咤、指導に履き違えないか 
     高圧的言動の見直しを 嗜虐性うかがわせる例も多い
                       今週の視点

   大文字草 「夢ごこち」

 

 パワー・ハラスメントでの労災認定に関して逆転裁決″が相次いだ。東京地裁と労働保険審査会は、いずれも上司によるいじめもどきの管理や言動が叱咤激励と指導の域を超えて被災者の精神的苦痛を増幅させ、自殺に追いやったとしている。認定はレアケースとされているが、類似の例は少なくないと聞くだけに、改めてのパワハラ・チェックが必要なのでは――。
 パワー・ハラスメント(パワハラ)とは「職場において、職権などの力関係を利用して相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返して行い、精神的苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」をいう。中央労働災害防止協会が05年9月にまとめたパワハラの実態に関する調査報告書の中でそう定義している。
 公的機関が初めて手がけた同調査では、対象となった東証1部上場企業1000社(回答209社)の43%にパワハラがあり、これを経験した社員の83%がメンタル面で何らかの問題を生じていることが明らかにされた。パワハラをきっかけとして自己都合退職したケースも30%近くに及ぶと報告されている。
 その実態分析から、種々の悪しき事象は職場風土の悪化、社員の心の健康障害、士気と生産性の低下、企業のイメージダウン等々を招くものとして労務管理上の(とりわけ部下指導上の)喫緊の課題とされた。
 先ごろ東京地裁と労働保険審査会で下された労災認定をめぐる判断は、パワハラ問題を改めてクローズアップさせ、再考を迫るものだといっていい。
 ご存知のように東京地裁での判決では、上司の暴言(「存在が目障り、居るだけで迷惑、消えてくれ」「月給泥棒」など)が男性営業社員を「うつ病」発症から自殺に至らしめた原因とみて、社員の死亡をパワハラによる労災であるとした。また、労働保険審査会の裁決でも同様に、上司による一方的なパワハラを自殺の要因と認め、労基署長による労災補償不支給処分を取り消している(ちなみに上司の執拗な叱責が心理的圧迫となっての自殺を労災とした過去の事案には05年の愛媛・新居浜労基署長の例がある)。
 いずれの労災認定も現在のところ稀なケースとされているのだが、しかし、同種の陰湿な労災が再発する可能性と懸念は決して少なくない。前記の中災防の調査では、「課長が激昂しやすいタイプ、わけも分らぬうちに平手で殴られ、転倒して骨折した」、「入社以来、無能呼ばわりされ、仕事について質問しても自分で考えろと怒鳴られるだけ」、「昔はこうやって仕事を覚えてきた、甘えるな、やる気のないやつは辞めろ!の一点張り」といった具体的な事例が多く紹介されているが、この手の嗜虐的とも映るパワハラが一朝一夕のうち改まるとも思えない。
 それと調査報告からうかがえるのは、きつい叱責や高圧的で攻撃的な言動を厳しい指導と履き違えている管理者がいること。「教育・指導」と「しごき」の境界線についてはよく議論されるところだが、叱咤激励と職権をカサにきての罵倒とは自ずとちがっていて誰にでも分かる。
 そうしたパワハラをなくしていく手立てとしては、相談窓口の設置、就業規則や行動基準に盛り込むことなどが挙げられているが、05年時点での実施企業は一部に限られているのが実情だった。
 理由としては、パワハラを問題することによって「管理職が弱腰になる」、「本来の厳しい指導がしににくなる」、「権利ばかり主張する社員が増える」、あるいは「指導を受ける側に耐性がないと、パワハラととられる」との心配があるようだが、これは少し筋違いの杞憂というものだろう。
 パワハラはセクハラにならって作られた言葉だそうだが、であれば加害者に対しては相応の処分が用意されていてしかるべきである。東京経営者協会が例示した「パワー・ハラスメント防止規程」についての解説では、「懲戒処分もあり得ることを明言するのは、事業主としてパワハラのような人権侵害行為を許さない姿勢を明らかにする主旨で意味がある」と強調している。
 【酒井幸衛記者】

07.11.3. 読売新聞 薬害肝炎 月内和解を目指す 厚労相「謝罪、補償する」
 血液製剤の投与でC型肝炎に感染したとして、患者が国や製薬会社を相手取って起こした薬害C型肝炎訴訟について、舛添厚生労働相は2日、横浜市で開かれた会合で講演し、「謝罪すべきは謝罪し、補償すべきは補償する」と述べ、国としては原告側に謝罪し、救済する考えを表明した。訴訟を巡っては、福田首相が国の責任を認める発言をしているが、原告への謝罪について国側が直接言及するのは初めて。舛添厚労相は「肝炎問題は11月いっぱいで片付ける」とも述べ、年内をめどとしていた解決時期を前倒しし、今月中に和解成立と救済策の具体化を目指す考えも明らかにした。
 東京、大阪、仙台、名古屋、福岡の5カ所で起こされた集団訴訟は1審判決が出そろい、仙台以外で国の責任が一部または全部認められた。最も審理の進んでいる大阪訴訟で、大阪高裁が和解協議を打診。原告、国、製薬会社とも応じる意向を表明している。同高裁では7日に口頭弁論が開かれるが、舛添厚労相は「7日は(高裁が)和解勧告をすると期待している」とも語った。
 ★一言欄
 水俣病・エイズの愚″避けられるか!?
 

 写真 もたし 「ならの木もたし」
 味よし! ダシよし!! すぐれもの!!!

07.11.01 読売新聞 パワハラ自殺2審も認定 名古屋高裁「心理的負荷でうつ病」
 中部電力社員だった夫(当時36歳)がうつ病になり自殺したのは、過労や上司のパワーハラスメント(職権による人権侵害)が原因だったとして、愛知県内に住む妻(43)が名古屋南労働基準監督署長を相手取り、遺族補償年金の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が31日、名古屋高裁であった。満田明彦裁判長は、「業務が原因でうつ病を発症し、そのために自殺しており、不支給処分は違法」と述べ、不支給処分の取り消しを命じた1審・名古屋地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
 判決によると、夫は1999年8月に主任に昇格した後、うつ病を発症。同年11月、乗用車内で焼身自殺した。妻は翌年、労災認定を申請したが、労基署は「業務が原因のうつ病ではない」として申請を退けた。
 判決は、「主任昇格は、夫にとって心理的負荷が強かった」と指摘。さらに、上司の「主任失格」「おまえなんかいなくても同じ」といった言葉や、上司が結婚指輪を外すよう命じたことについて、「合理的な理由のない、指導の範囲を超えたパワーハラスメント」と認定し、こうした心理的負荷からうつ病を発症し、自殺に至ったと結論付けた。
 愛知労働局労災補償課の話
 「国側の主張が認められず残念。今後の対応は、判決内容を検討の上、決めたい」
 

    大文字草 「福寿」

【2007年10月】
07.10.30 読売新聞 全容解明まだ先

   台風一過 風力計と青空

 

 夫婦そろって過剰なゴルフ接待、費用は業者持ちのゴルフ旅行、高額なプレゼント――。証人喚問では、守屋武昌・前防衛事務次官と宮崎元伸・山田洋行元専務との癒着が次々明らかにされた。守屋氏が現職であれば、自衛隊倫理規程違反として厳しい懲戒処分が予想される、国民への背信行為だ。
 過剰接待に反省と謝罪の言葉を繰り返した守屋氏は、自らの刑事責任につながりかねない便宜供与については完全否定した。しかし、疑惑が解明されたとは言い難い。早期の全容解明を待たれる。 (小川)
 ★一言欄
 どっちもどっち??ただで、見返りのない…?国民はそう思っていません―

07.10.29 読売新聞 取り返しのつかない実害
 副作用情報を集め、再発防止を図ることは大切だ。だが、他人への貴重な教訓となっても、自身への告知を忘れ去られた患者がたどることになった半生は過酷だ。病の苦しみに加え、理由もわからず寝込みがちだった年月、夫に去られた女性患者は少なくない。天職と思い打ち込んだ仕事を、あきらめた人もいる。
 医師から副作用について十分な説明を受ける患者ばかりではないのに、一律の対応しかできなかった厚労省や製薬会社。その体質が、多くの人生に、取り返しのつかない実害をもたらしたと言っていい。(高梨)
 ★天下り会社と役所にはコリゴリですなぁ〜!
 

東京・日本橋パレード 日本橋・京橋まつり

07.10.23. 読売新聞 社説 エイズの愚″を繰り返す厚労省

心の森の雑木と青空、いいもんですねぇ〜!

 

 無かったはずの薬害の資料が見つかったとは、かつて聞いたことのある話だ。エイズの時と同じではないか。
 厚生労働省が製薬会社から得た資料の中に、血液製剤によってC型肝炎を発症した人の特定につながる情報があった。
 C型肝炎ウイルスの感染を放っておくと肝硬変や肝癌を引き起こす。だが、早期に適切な治療を行えば、多くは大事に至らない。感染者に注意喚起していれば、肝癌になる前に治療できたケースがあったかも知れない。しかし、厚労省は何もしなかったのである。
 それどころか、厚労省は当初、「肝炎発症者の個人情報を含む資料はない」としていた。最近になって、以前の担当者がその存在を思い出し、省内の地下倉庫で見つかったという。
 薬害エイズで旧厚生省が多くのファイルを隠していた前例を考えると、今度も不作為のそしりを免れるために隠蔽したと見られてもやむを得まい。そうでなくとも、厚労省は薬害対策に真剣に取り組んでいるのか、これでは疑わしい。
 厚労省が見つけた″のは、血液を原料とする止血剤「フィブリノゲン」の副作用情報だ。
 医療機関から製造元の旧ミドリ十字に伝えられた「フィブリノゲンを投与した患者が肝炎を発症した」という418例の報告である。フィブリノゲンは1990年代まで産科や外科で30万人近くの患者に投与され、1万人以上がC型肝炎ウイルスに感染したと見られている。
 厚労省は2002年に製薬会社から個人情報にかかわる部分を塗りつぶしたものとそうでないもの、2種類の報告書を受け取っていた。塗りつぶしていない資料の存在は次の担当者に引継がれなかった、というのが厚労省の説明だ。
 肝癌につながることが明確になってきたのは最近10年ほどのことで、418例の多くはそれ以前のものだ。肝炎は自覚症状が乏しいために、感染に気付いていない患者もいると予想される。
 今回見つかった資料で、発症者の実名やイニシャルが分かるものが多数ある。判明した場合は、告知して治療を促す必要がある。これ以上、薬事行政の不作為を重ねてはならない。
 肝炎の原因は薬害だけにとどまらない。注射針が使い捨てでなかった時代の予防接種などで、350万人以上が血液感染したとも推定されている。
 肝炎患者の治療費助成など、与野党それぞれが救済策を検討している。政治主導で対策を急ぐべきである。

 人命あまりに軽視 薬害肝炎資料発見 原告「笑って言われた」
 あまりにも人の命を軽視している」「国民の命と健康を守るのが仕事ではないのか」。薬害肝炎の疑いが強い418人分の症例一覧表について、患者を特定できる多数の情報を厚生労働省や製薬会社が持っていたことが判明した22日、薬害肝炎訴訟の原告らは同省幹部らに対し、そう憤りをぶっつけた。幹部らは「当時は、医療機関に受診を勧めてもらうだけで精一杯だった」と言葉少なに弁解したが、同省の対応の非を認める言葉はなかった。
 原告らはこの日午後、民主党の「B型・C型肝炎総合対策推進本部」の会合で、同省医薬食品局の審議官ら幹部と顔を合わせた。同省地下3階の倉庫から「発見された」という資料についての調査結果を、同党議員に説明する幹部ら。その背中を、原告らはメモを取りながらにらみ続けた。
 会合の最後、発言を促された全国原告団代表の山口美智子さん(51)は、「(幹部は)『新しい資料が発見されました』と笑いながら言いました。『ファイルが雑然と積まれていた』とも。人の命がかかっている資料なのに、よく平気でそんな言葉を発せられますね」と非難した。山口さん自身、15年近くも感染原因がフィブリノゲンだと知らされず、2002年の集団提訴の記事を見て、自ら病院に確認するまでは、「感染したのは運命だ」と自分を納得させようとしていたという。
 東京訴訟原告の浅倉美津子さん(56)も出産時に感染し、約15年間、感染原因を知らなかった1人。山口さんに続いて発言した浅倉さんは、「自分のお産が悪いから院内感染にあったんだと、ずっと自分を責め続けてきた」と涙を流し、「418人よりもっと多くの方たちが(感染の原因を知らされずに)苦しんでいるのではないか。知らない人たちが次々亡くなっているんです。もっと真剣に調査してください」と訴えた。
 その後、厚労省内で記者会見した弁護団によると、田辺三菱製薬に情報公開請求し、自力で症例一覧表の1人だと特定できた大阪訴訟の原告女性は、出産時に急性肝炎になったが、その際、慢性肝炎になる危険性は知らされていなかったという。女性はその後、体調不良を訴えたが、慢性肝炎だとは分らずにビタミン剤を処方されただけ。症状が悪化し、現在は肝硬変で入院している。
 山西美明弁護士は、「ほかにも、感染の事実さえ知らされずに、見えないところで症状が進んでいる人はたくさんいるはず」と話し、浅倉さんは「418人の人が適切な治療を受けられているのか心配です。一刻も早く本人に知らせてほしい」と訴えた。
★一言欄
 機密漏洩・嘘の報告・防衛大臣。年金不祥事・薬害隠蔽・大臣の名誉どころかなる人がいなくなっちゃう?身体に気をつけてガンバレ舛添大臣!!
 

五十里ダムサイトより 下を見ると頭がクラクラしますよ。

07.10.19 読売新聞 労保審査会 パワハラ自殺 労災認定
 盛岡の男性 労基署決定覆す

上三依不動の滝・すぐ側の蕎麦屋で大文字草など売っています。

 

 自動車部品販売会社の社員だった盛岡市の男性(当時31歳)が自殺したのは、上司によるパワーハラスメント(職権による人権侵害)や過労などが原因として、両親が求めていた労災認定について、厚生労働省の労働保険審査会は、労働基準監督署の不認定の決定を取り消し、男性の自殺を労災と認める逆転裁決をしていたことが18日、わかった。
 裁決書などによると、男性は市内の同社で商品管理の仕事をしていたが、1999年8月に営業部に配置換えとなった。新しい職場では、営業経験がなかったにもかかわらず、上司より高い売り上げ目標を課せられ、毎日のように上司から叱責されたという。時間外労働は1カ月当たり約85時間に及び、男性は同年12月に自宅で首つり自殺をした。両親は2001年1月、盛岡労働基準監督署に労災認定を申請したが、「上司の叱責は、職場で全員が受けており、いじめと言えるほどではない」などとして認められなかった。岩手労働局の労働者災害補償審査官にも棄却され、両親は03年3月、同審査会に労災認定の再審査を求めていた。同審査会は15日、「上司からの叱責や指導は、パワーハラスメントを受けているような状況だった」と判断し、労災と認めた。
 ★一言欄 「上司の今の心境は!!反省は猿でもできる??」

07.10.16 読売新聞 東京地裁認定・お願いだから消えてくれ 
 上司暴言で自殺「労災」
 製薬会社の営業担当社員だった男性(当時35歳)が「うつ病」になって自殺したのは、直属の上司の暴言が原因だったとして、男性の妻が国を相手取り、労災と認めるよう求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。渡辺弘裁判長は「男性は、上司の言動により過度の心理的負担を受けて精神障害を発症し、自殺に及んだ」と述べて、男性の自殺を労災と認定し、国に遺族補償給付の不支給処分を取り消すよう命じた。
 原告代理人によると、上司の暴言やいじめなどのパワーハラスメント(職権による人権侵害)を自殺の直接の原因と認め、労災を認定した司法判断は初めて。
 判決によると、男性は1997年から、東京都内に本社のある製薬会社の静岡営業所で営業担当として勤務していたが、2002年4月に赴任してきた係長から、「存在が目障りだ。お願いだから消えてくれ」「お前は会社を食い物にしている、給料泥棒」「お前は対人恐怖症やろ」などの暴言を受けた。男性は02年12月〜03年1月、適応障害や「うつ病」を発症し、取引先とのトラブルが続いた後の03年3月に自殺した。
 男性の遺書には、係長から受けた暴言が記され、「自分の欠点ばかり考えてしまい、自分が大嫌いになりました。先月からふと『死にたい』と感じていました」などと書かれていた。
 判決は、@係長の態度には男性への嫌悪の感情があったA男性の立場を配慮せずに大声で傍若無人に発言していた――などと指摘。
 「係長の言葉は過度に厳しく、男性の人格、存在自体を否定するものもあった。男性の心理的負担は、通常の『上司とのトラブル』の範囲を大きく超えていた」と述べた。
 ★一言欄 「係長・今の心境は??!!」
 

   紅葉の始まり? 空気が澄んでいますねぇ〜

07.10.13. 読売新聞・社説・年金横領告発・甘い処分の総点検が必要だ

       何かの実

 

 犯罪を告発するのは当然である。しない方がおかしい。
 市区町村職員による年金保険料の横領事案のうち、厚生労働省は社会保険事務局長名で、まず宮城県大崎市(旧田尻町)の元職員を刑事告発した。
 時効前にもかかわらず、自治体が告発しようしない事例がまだある。厚労省は、すべて粛々と告発してもらいたい。年金業務の信頼を回復するためにも、厳格な姿勢が必要だ。
 自治体職員による年金横領は全国調査で101件、2億4300万円に上がる。このうち、自治体が警察に告発した事例はわずか18件しかない。
 時効の7年を過ぎていないのに、まだ告発されていない事例は、横領した本人が死亡しているケースを除いて8件あった。だが、舛添厚労相の要請に応じて告発したのは、東京都日野市だけだ。大崎市など7市町は、自らは告発しない、と言明している。
 告発を渋る自治体は、「懲戒免職処分で社会的制裁を受け、被害も弁済している」(大崎市)などとして、決着済みを強調する。
 おかしい言い訳だ。刑事訴訟法は、公務員が犯罪を見つけた時は告発しなければならない。と規定している。社会的制裁を斟酌して、不起訴にしたり、刑を軽くしたりするのは、検察官や裁判官が判断することである。行政が勝手に告発義務を放棄することは許されない。
 告発しない自治体の首長は、職員や労働組合など、身内″への配慮を優先しているからではないのか。
 さらに言えば、告発をかたくなに拒否するのは、今回あぶり出された年金保険料以外にも、税金や給付金などが横領され、告発しないまま済ませている案件があるからではないか。そう勘ぐられてもやむを得まい。
 宮城県の村井嘉浩知事は、告発しない大崎市の姿勢に理解を示し、「公金横領で処分された公務員は相当数いる。年金を着服した職員だけを抜き出して告発するのは難しい」などと発言している。
 ならば、これは年金にとどまる問題ではなかろう。国、地方を問わず、公金横領などの犯罪が告発されていない事例がどれほどあるのか、総点検が必要だ。
 弱腰の自治体に代わって、厚労省が告発に踏み切った。当たり前の対応だが、市区町村に対して強い態度を示す舛添厚労相と自治体の関係が、ぎくしゃくしているのは、なんともいただけない。
 今は余計な非難の応酬をしている時ではない。国と地方は、協力して年金記録の回復に全力を注いでもらいたい。

07.10.12 労働新聞 平成19年1月22日 (中村純 産業医科大学精神医学教室・教授)

       金 木 犀

 

 職場のメンタルヘルス 「うつ病なんて怖くない」
 狭心症や記憶喪失発症も
 最近の職場では、一派的に精神活動の方が身体活動よりも多くなってきている。このために、脳は疲労し精神的緊張が高まり、自律神経に乱れが生じて、さまざまな身体症状を引き起こし、常に身体緊張が起こっていることが推察されている。また、ストレスの反応としてうつ状態、不安、うつ病の精神症状を起こす人もいる。このように、過大なストレスは心身に影響を及ぼすことになる。
 難しい"脆弱性"評価 「無自覚な沈黙の病」が進行
 ただし、同じストレス負荷がかかったとしても、病気になる人とそうでない人がいる。このような個人のストレス耐性を脆弱性(かかりやすさ)というが、弱いストレス負荷で病気になる人がいるため、上司がこの程度のストレスは大丈夫と決めてかかるとたいへんなことになる。ストレスに対する個々のひとの耐性を周囲から評価することが難しいことも、企業におけるメンタルヘルスの問題の解決を難しくしている。
 また、個人は、動く場所だけでなく、多くは家庭生活など、仕事以外の場所での社会生活をしているので、職場以外での生活上のストレスが仕事に影響して心身の病にかかることも考えられる。
 特に自殺が多いとされる働き盛りの50歳代の人たちは、親の扶養の問題や子どもの進学、結婚の問題、配偶者や本人の身体疾病をかかえ家庭にも大きなストレス負荷がかかっていることが多い。仕事の過労によるさまざまな疾患が労災認定されることが多くなってきているが、事業場の要因が濃厚に関連して病気に罹患していることを本人あるいは家庭が示すことは非常に難しいことであり、勤労者は日ごろから職場でのストレスの要因、生活状況を自分自身でよく把握しておく必要がある。
 ストレスが及ぼす心身への影響
 ストレスによる身体疾患としては、円形脱毛症、喘息発作、胃潰瘍などが有名であるが、超過勤務や過労のためにもともとその人が罹患していた高血圧が悪化し、脳卒中を起こしたり、狭心症、心筋梗塞、糖尿病が悪化する人もいる。
 また超過勤務が続くと、その後、不眠症になる人もいる。そして、その不眠を改善しようと飲酒し、ストレス解消のための飲酒量が増えていってアルコール依存症になる人もいる。
 過重なストレス負荷が生じて、職場から逃れるために、一過性に自分自身の名前や過去の記憶を完全に喪失してしまう遁走(解離)を起こす人もいる。重要な仕事や対人関係上のストレスに対する反応から起こった行動であるため認知症とは違って、本人はまとまった行動をとる。多くはすぐに以前の状態に戻るが、たとえ、数カ月間の記憶喪失があったとしても保護的な環境に置き、ストレスとなった要因が解決されると自然に記憶は回復することが多い。
 このほか、自分の収入以上の買物をしてストレス解消を図ろうとする人、無意識に万引きをしてしまう人、パチンコ、麻雀、競馬などギャンブル依存症になる人もいる。
 また、不眠、疲労、食欲低下から回復できず、仕事への意欲低下や億劫間を訴える人、いらいらする、あるいは不安感を訴える人、うつ状態やうつ病にかかる人もいる。
 このように同じストレス負荷があったとしても身体に病が起こる人と心の病にかかる人がいることについては、いろいろな仮説がある。一般的には体の病気にかかる人は自分のストレスへの気づきが悪いとされている。糖尿病、高血圧、心疾患など生活習慣病もストレスがかかると生活習慣に歪みが生じて増悪する可能性が指摘されており、「無自覚な沈黙の病」と言われ、症状が突発的に起こり、生活の質を急に悪化させることが指摘されている。
 働き盛り男性に多い自殺
 一方、うつ状態・うつ病などの精神症状を起こす人もいる。このようなひとはある意味ではストレスとなっている原因が理解しやすく、感情として了解しやすいともいえる。
 ただし、うつ状態・うつ病の人は重症になると自殺をしたい気持ち(自殺念慮)を訴え、自殺を起こす人もいるため、注意を要する。特に、わが国では平成10年以降、8年間連続して自殺者が3万人を超えており、大きな社会問題いなっている。
 そして、わが国の自殺者の特徴として、勤労者の自殺者数と交通事故による死亡者数がほぼ同数のおよそ8000人になっていること、自殺者の7割が男性であること、50歳代の自殺者が自殺者全体の4分の1を占めていることなどがあげられる。亡くなられた一人ひとりの生命が大切なことは言うまでもないが、企業の指導的立場の人や優秀な技術者を失うことになればわが国の経済にとっても大きな損失である。
 また、自殺は亡くなられた人だけの問題にとどまらず、当事者の家族、周囲の人に多大な影響を及ぼすことになり、自殺者数の4〜5倍の人を不幸に導くことになる。最近10年間の自殺者数の変化を10年前のそれと比べると明らかに働き盛りの男性の自殺が増えている。
 ところで、企業における過労自殺は、有名な「電通事件」以降急激に増加し、最近では年間50件程度になっており、企業の中で自殺者を出すことは、企業防衛上も避けなければならない重要な課題になってきている。
 自殺した人の多くが精神疾患、とくにうつ病に罹患していたことが推定されているため、うつ病に対する啓発活動、予防活動、治療、再発・再燃を防止することが重要とされている。もっとも自殺の要因は、うつ病だけではない。わが国には、仕事上の失敗を起こした時の責任のとり方として自殺するひとも少なからずみられ、そのような人を、うつ病ということはできないが、そうした行為が正常な判断の中で果たして行われるだろうか。失恋による自殺の可能性はあるとされるが、少なくともうつ病による自殺を防止することは、自殺する人のかなりの人々を救う可能性があると考えられる。現在、国を中心にして行われている戦略研究でも、うつ病対策を中心にして自殺者を5年以内に20%減少させるという数値目標を立てた地域介入が各地で行われているところである。

07.10.10. スポニチ 唯我独論 ムラの村長″よ 責任を取れ
 新弟子の「リンチ死」疑惑の渦中にある前時津風親方(元小結・双津竜)の解雇理由は「相撲協会の信用、名誉を著しく失墜させた」というものだった。わかったようなわからないような説明だが、それを言うなら、北の湖理事長ら執行部の面々にも同様の処分が下されるべきではないか。新弟子の死因に疑念がもたれた時、協会あげて真相究明に乗り出していれば、文科省から指導を受けることもなかったし、世間からこれだけ批判を浴びることもなかっただろう。理事長以下執行部の不作為が「協会の信用、名誉を失墜させた」ことは明々白々である。
 監督官庁である文科省は北の湖理事長を呼んで、@協会独自の真相究明、A関係者の処分、B再発防止策の検討、C過去の類似例の検証、D検討委に外部有識者を加える――以上5つの指導事項を突きつけた。このうち協会が履行したのは、前親方を厄介払いしたAだけで、あとはお茶を濁している。文科省もナメられたものである。
 ともあれ北の湖理事長の「保身」は目に余る。自身の進退について問われるや、ぶっきらぼうに「時津風自身が(責任を)とるべきだ」。これが国技の長の姿だろうか。居直っているとしか思えない。残念だが「名横綱、名理事長に非ず」と言わざるを得ない。
 相撲部屋は現在53ある。それらは5つの一門により区分けされている。その意味で協会は一門の連合体と言えなくもない。「53もある部屋の隅々にまで目が届くか」「一門の決め事には理事長といえども口をはさめない」。理事長を弁護する側からは、そんな声が漏れ聞こえる。
 私に言わせれば、それは「ムラ社会の理屈」であって、一般社会では通らない。「治外法権」をそこまで正当化したいのなら公益法人をただちに返上すべきだ。仮に自民党のある派閥で不祥事が起きたとする。総裁が「派閥内のことに私は口を出せない」などといえば、その時点でアウトだろう。
 元親方が立件された時点で北の湖理事長は潔く身を退き、執行部は総退陣すべきである。若者の尊い命が失われ、対応策も後手後手に回った。にもかかわらず、理事長以下執行部が居座れば、相撲界はこの先、深刻なモラルハザートに襲われるだろう。大相撲という素晴らしい日本文化を現執行部と抱き合い心中させるわけにはいかない。
 (二宮清純 スポーツライター)
 ★一言欄 「国技」ですぞ!!!
 

モミジの紅葉は小さい木から始まる

07.10.9 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋
 Q 22 重婚的な内縁者の遺族補償はどちらに
 当社の従業員(仮にA)が、仕事中の交通事故で死亡しました。Aには、15年以上前に結婚した妻がいるのですが、10年ほど前から別居していて、その直後から別の女性と暮らしていました。戸籍上の妻には別居中も生活費を送っていたようで、生計の維持関係は多少あったようです。この場合、労災保険の遺族補償は、戸籍上の妻と現在一緒に暮らしている女性のどちらに支払われることになるのでしょうか。
 A 届出による婚姻関係が形骸化なら同居中の者に
 労災保険の遺族補償給付には、年金と一時金の2種類がありますが(労災保険法第16条)、お尋ねのケースは年金(遺族補償年金)が支給されるものと思われますので、その前提でご説明します。
 労災保険法第16条の2は、遺族補償年金の受給者の範囲について、「遺族補償年金を受け取ることが出来る遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた者とする」と規定しています(第1項)。そして、配偶者については、婚姻の届け出をしていなくても、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含むこととされています。(同項ただし書き、同項第1号)。
 そこで、婚姻の届け出をしていない「内縁関係」にある配偶者の場合、受給権の有無をどう判断するかという問題が出てきます。その場合、当事者間に社会通念上夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があり、かつ、当事者間に社会通念上夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在することの要件が備わっていれば、受給権があると考えられます。
 たとえば、戸籍上独身の労働者に内縁関係にある妻がいる場合、その労働者が業務災害で死亡すれば、その妻は遺族補償年金に受給権者と考えられます。
 では、お尋ねのケースのように、婚姻の届出をしている妻がいる一方で、他の者と事実上の婚姻関係と同様の事実関係がある場合はどうなるのでしょうか。労災保険法の規定からみると、婚姻の届出をしている戸籍上の妻と事実上の婚姻関係が認められる内縁の妻がいた場合、外見は両者とも「配偶者」ということになってしまいます。
 行政解釈では、このような重婚的内縁関係における遺族補償給付の取り扱いについて、「被災者が重婚的内縁関係にあった場合の労災保険法第11条に規定する未支給の保険給付、第16条及び第22条の4に規定する遺族(補償)給付、第58条及び第61条に規定する障害(補償)年金差額一時金の受給権者は、本来、婚姻の成立がその届出により法律上の効力を生ずることとされていることからも、原則として届出による婚姻関係にあった者とするが、届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限り、事実上の婚姻関係にあった者とする」としています(平10・10・30 基発第627号)。
 そして、「届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合」とは、婚姻の届出はあるものの、当事者間に社会通念上夫婦の共同生活と認められる事実関係を維持しようとする合意がなくなっており、かつ、当事者間に社会通念上の夫婦の共同生活と認められる事実関係が存続しなくなった場合とされています。(前掲行政解釈)。
 具体的には、以下の(1)〜(3)のすべてを満たす場合が該当します。
(1) 被災者の死亡時、当事者間において、婚姻関係の形骸化及びその状態の固定化を容易に推認できるほどの長期間にわたる別居状態が継続中であったこと。
(2) 上記(1)の別居状態が継続している期間中、当事者間において、電話連絡、書簡または訪問などによる交流の事実が存在せず、音信不通またはそれに準じた状態であったこと。
(3) 別居期間中、正常な夫婦関係の回復、別居生活の解消を図るため継続した努力の形跡が当事者のいずれにも認められないこと(ただし、届出による婚姻関係にあった者について、生活状態などからこれらの継続した努力が期待し得ないと認められる場合を除く)
 また、判例でも、「戸籍上届出のある配偶者であっても、その婚姻関係にあっても、事実上の離婚状態にある場合には、もはや遺族給付を受けるべき配偶者に該当しない」旨判決したもの(昭58・4・14 最1小判)約23年間戸籍上の妻と別居し約17年間内縁の妻と同居していた私立大学教員の死亡に係る遺族年金について内縁の妻に年金を支給すべきとしたもお(平17・4・21)などがあります。
 お尋ねのケースも、別居期間や内縁関係期間、また、単に生活費を仕送りしていただけでは「交流」があったとは認められませんので、それらを総合的にみて、届出による婚姻関係が形骸化しているとみなされれば、内縁関係にあった者に遺族補償給付が支給されることになります。
 

         栃の実

07.10.6 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋

       鉢 行山外縁

 

 Q 20 共働きの妻は遺族補償給付の対象者か
 当社の営業社員が、会社の車で外回りの営業中に交通事故を起こし、死亡するという事故が発生しました。事故は仕事中に発生したものであり、業務上の災害と認められることになるのは間違いないと承知しています。この社員には、一緒に暮らしている妻と子がいるのですが、妻は共働きで、子供は現在小学生です。この場合、労災保険の遺族補償給付は、どのように支給されることになるのでしょうか。
 A 共稼ぎ夫婦は互いに生計維持関係あり妻に受給権
 労働者が業務上災害により死亡した場合に、一定の要件を満たす遺族がいるときには、その遺族に対して遺族補償給付が支給されます。
 遺族補償給付は、年金で支給するのが原則ですが、遺族が死亡労働者に扶養されていなかった場合や、生計維持関係にある妻がおらず、その他の遺族が年齢要件を満たしていない場合には一時金が支給されます。
 遺族補償年金の受給資格者となるのは、労働者の死亡の当時その者の収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹とされており、死亡労働者の妻以外の遺族については、一定の年齢あるいは一定の障害の状態にあることが必要とされています。
 そして、年齢要件については、労働者の死亡の当時、@夫・父母・祖父母については55歳以上であること、A子・孫については18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること、B兄弟姉妹については前記Aの状況か55歳以上であること―――が必要です。また、このような年齢でなくても、障害等級第5級以上程度の身体障害があれば、受給資格者となります。
 なお、遺族補償年金の受給資格者となるには、「死亡労働者の収入によって生計を維持していた」ことが必要ですが、この条件については、お尋ねのケースのような共稼ぎ夫婦の場合も、通常、生計を互いの収入で維持していたものとみなされるため、生計維持関係が認められます。
 遺族補償年金は、受給権者全員がそれぞれ受けられるものではなく、そのうち、最先順位者が受け取ることになります(その者を「受給権者」といいます)。
 受給権者となる順位は、@妻、60歳以上または一定の障害の夫、A18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間の子または一定障害の子、B60歳以上または一定障害の父母、C18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間の孫または一定障害の孫、D60歳以上または一定障害の祖父母、E18歳に達する日以後最初の3月31日までの間の兄弟姉妹、60歳以上または一定障害の兄弟姉妹―――などとされています。
 お尋ねのケースでは、遺族は共働きの奥さんと小学生のお子さんということですから、2人とも受給資格者となりますが、最先順位者は奥さんですから、奥さんが遺族補償年金の受給権者となります。

07.10.5 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋
 Q 17 赴任半年で2度目の帰省中負傷したが
 今年4月に東京本社から九州の支社に単身赴任した社員(仮にA)が、9月の3連休(土〜月曜)に妻子の住む自宅に帰る途中事故にあい、負傷しました。Aは赴任直後は休日出勤が重なり多忙で、3日以上の連休は夏休み(8月中旬)と今回の2回だけで、帰省したのもその時だけでした。Aの事故は、通勤災害と認められるのでしょうか。なお、Aは土曜の朝に九州を出発し、駅へ向かう途中交通事故にあっています。
 A 反復・継続性が否定されなければ通災の可能性が
 単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居間の移動中の災害で、通勤災害として保護の対象とされる「単身赴任」は、赴任前の住居と赴任先の就業場所との距離が60km以上であること、また、単身で赴任する(家族と別居する)事情が子供の養育や自宅の管理などやむを得ないものであることとされます。(労災保険法施行規則第7条)
 お尋ねのケースについては、このうち距離要件は満たしています。また、家族と別居する事情に関しては、一般的な単身赴任の場合、これが否定されることはほどんどありません。
 ところで、単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居間の移動中の災害が通勤災害と認められるためには、一般的な通勤災害の場合と同様、その移動が@就業に関していること、A合理的な経路及び方法により行われること、B移動に逸脱・中断がないことーーーが必要です(労災保険法第7条)。
 お尋ねのケースは、上記A及びBに関しては問題ないと思われます。そこで、@の「就業に関している」とい点を考えてみましょう。
 「就業に関している」とは、一般的な通勤でいえば、出勤については、所定労働日に所定の就業開始時刻を目途に、住居を出て、就業場所へ向かう場合、また、退勤については、終業後直ちに住居へ向かう場合がその典型例です。しかし、単身赴任者の赴任先住居及び帰省先住居間の移動は、このような典型例は当てはまりません。
 そこで行政解釈は、この点について、赴任先住居から帰省先住居への移動の場合にあっては、「・・実態等を踏まえて、実務に従事した当日又は翌日に行われた場合は、就業との関連性を認めて差し支えない」としています(平18・3・31 基発第0331042号)。また、赴任先住居と帰省先住居間の移動には、「・・当該帰省先住居への移動に反復・継続性が認められることが必要」とされています。(前掲行政解釈)。
 Aさんは、土曜日に帰省する途中で被災しています。したがって、就業との関連性は認められます。次に、Aさんの帰省の反復・継続性が問題となります。反復・継続性はおおむね月1回以上の帰省実績がある場合には認められると解されています。では、赴任後間もない場合にはどう考えればよいのでしょうか。その場合、帰省に要する時間なども考慮し、判断する必要があります。
 Aさんは、4月に赴任し、8月までは休日が少なかったこと、8月の次は9月に帰省していることを考えれば、通勤災害と認められる可能性が強いとみてよいでしょう。
 

      鉢 舟山下紐外縁

07.10.4 下野新聞 「年金施設」相次ぎ売却 栃木社会保険センター
 12月に一般入札 事業継続に不安も
 記録不備などで年金問題が注目される中、カルチャーセンター「とちぎ社会保険センター」(宇都宮市)と「栃木社会保険健康センター」(栃木市)の売却に伴う一般競争入札が12月12日に行われることが決まった。両施設は「年金を本来の目的に使うべき」との理由で、独立行政法人が売却を進めている。「落札業者は事業を継続してくれるのか」「職員の雇用は」。両センターを利用する市民は多いだけに、関係者は気をもんでいる。(加藤寛)
 厚生労働省は2005年3月に、公的年金や政府管掌健康保険の保険料を財源にした施設の整理合理化計画を公表。独立行政法人・健康保険福祉施設整理機構を設立し、全国の年金福祉施設302施設を閉鎖、売却することにした。
 とちぎ社会保険センターは敷地面積約3200平方b。絵手紙や太極拳などの講座は約60あり、約3000人の受講生が通う。年間の延べ利用者数は12万人前後という。最低売却価格は2億8000万円。
 職員はパートなどを含め14人。同センターの大和義一センター長は「来年3月末で運営の委託契約が解除されるため、職員もいったん解雇になるだろう。引き続き営業していただけるところに買ってもらえれば」と不安を抑えられない。
 栃木社会保険健康センター(ペアーレ栃木)は敷地面積約2600平方b。建物は鉄筋3階建てで延べ床面積約1900平方b。トレーニングルームや温水プールなどがある。職員はパートなどを含め18人。受講生は約3700人で、05年度は約178.000人が利用した。全国有数の利用者数を誇っている。
 来年3月末までの営業が決まっているが「後は買ってもらった人に頼むしかない」(ペアーレ栃木)。最低売却価格は1億5000万円。
 地元自治体は入札に参加しない方針だ。栃木市は「市の財政状況を考えると持ちきれない」とした上で、「市民の体と心の健康を担ってもらっている。(現在の業務携帯を続ける場合)固定資産税相当額の3分1以内の額を補助金として3年間支出する」と支援策も打ち出した。
 一方、昨年8月に閉鎖された国民年金健康保養センター「きつれがわ」は、今日4日に入札が行われる。最低売却価格は1億1000万円。地元さくら市は「市が買い取って保養所や観光施設にするというのは国の大きな流れに逆行する。ただ市の活性化につながるところに買ってもらいたい」と話している。
 

   皆さんが帰った後の心の森

07.10.4 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋

      鉢 誠山隅切外縁

 

 Q 15 マンションの中の階段から転落したが
 当社の従業員が、出勤の際に自宅マンションの階段から転げ落ちて、手首を骨折する負傷をしました。その者は、賃貸マンションの3階に住んでいるのですが、外出するときには、エレベーターを利用するのと階段を利用するのと半々ぐらいだったといってます。出勤途中の事故とはいうものの、いまだマンションの建物内での事故であり、通勤災害と認められないのではないかと心配しています。実際のところはどうでしょうか
 A 部屋のドア出た所からが「通勤」であり通災扱い
 通勤災害と認められるための要件として、「住居と就業の場所との間」で発生した災害であることが必要とされています。いいかえれば、通勤災害は、「通勤経路上」で発生したものでなければならないということです。
 しかし、この通勤経路というものついて、住居と通勤経路の境界、また、就業の場所と通勤経路の境界がどの地点にあるのか、法条文や通達は明確に示していません。
 お尋ねのケースは、被災者が居住しているマンションの建物内の階段で発生した災害ということです。このように、住居内での災害なのか、通勤経路上での災害なのか分かりにくいケースを考えるとき、境界点がどこにあるかをはっきりしておく必要があります。
 そこで、過去の認定事例からこの問題をみてみましょう。
 第1の事例は、アパートの2階から1階に降りるときに転んで負傷したというものです。このケースについて行政は、「労働者が居住するアパートの外戸が住居と通勤経路との境界であるので、当該アパートの階段は通勤の経路と認められる」として、通勤災害と認定しています(昭49・4・9 基収第314号)。
 第2の事例は、一戸建ての屋敷構えの玄関先で転倒したものです。このケースについて行政は、「被災労働者の住居内において発生した災害であるので労第保険法第7条第2項の住居と就業の場所との間の災害には該当しない。なお、本件の場合、当該住居と通勤の経路との境界は公道から被災労働者の所有する敷地に入る地点であると考えられる」との判断を示しています(昭49・7・15 基収第2110号)。
 この2つの事例から考えてみますと、通勤の境界点は、公衆の通行が自由である場所からが通勤経路となるといえましょう。したがって、マンション、アパートなどの集合住宅の場合には、自分の部屋と共用廊下を区切るドアが境界となりますので、お尋ねのように、マンションの建物内の階段で発生した災害は、通勤災害ということになります。

07.10.3 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋
 Q 13 内定者が研修に行く途中負傷したが
 先日、当社の送迎車が交通事故にあい、車に乗車していた者の数名が負傷しました。当日、車に乗車していたのは採用内定者で、最寄り駅から工場に向かう途中でした。そこで、お尋ねしたいのですが、採用内定者の負傷でも、通勤災害になるのでしょうか。なお、この工場見学は、研修の一環であるため、採用内定者全員に参加を義務づけており、最寄り駅までの交通費(実費)のほか、日当も支払っていました。
 A 会社の車で事故に遭っている場合は業務上災害
 労働者が業務中あるいは通勤途中に負傷、疾病、障害などを被った場合には、労災保険法により、必要な保険給付が行われます。
 同法がその保護の対象としている「労働者」とは、労働基準法第9条でいうところの「労働者」と同一のものと解されています。
 したがって、お尋ねの採用内定者が、労働基準法第9条でいうところ「労働者」とみなされれば、労災保険法による保護の対象となります。
 そこで、まず、お尋ねの採用内定者が、「労働者」として認められるか否かについてみてみます。お尋ねでは、採用内定者全員に参加を義務づける工場見学を実施しており、参加者には交通費のほか日当も支払っていたということです。
 このようなことからしますと、お尋ねの採用内定者については、正式な入社日前といえども、研修日については、労働義務がある日であったといえますから、労働者に該当するものと考えられます。
 したがって、工場見学中に被災した場合については、原則として業務上災害とされます。
 では、お尋ねのケースのように、研修に向かう途中の災害はどのようになるのでしょうか。
 この場合研修日が労働義務のある日に該当する場合には、採用内定者であっても、自宅と研修先との間を合理的な経路及び方法により往復する途中の災害については通勤災害とされます。
 ところが、お尋ねでは、採用内定者が会社の送迎用の車に乗車中に負傷したということです。
 一般に通勤途中の災害については、業務上災害ではなく、通勤災害とされるわけでが、「業務の性質を有する」場合には、通勤途中であっても業務上災害とされることになります。
 この「業務の性質を有する」場合とは、事業主の提供する専用交通機関を利用してする通勤、突発的事故等による緊急用務のため、休日または休暇中に呼び出しを受け予定外に緊急出動する場合が、該当するとされています。(昭48・11・22 基発第644号、平18・3・31 基発第0331042号)。
 そこで、お尋ねをみてみますと、採用内定者が見学先の工場の最寄り駅から会社の送迎用の車に乗車して、工場に向かう途中に被災したということですから、前述の「事業主の提供する専用交通機関を利用してする通勤」に該当することになります。
 したがって、お尋ねの採用内定者の負傷は、通勤災害ではなく、業務上災害とされることになります。
 

          舞 茸

07.10.2 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋

        里芋の茎

 

 Q 9 直行中の事故は業務上と通災のどちら
 当社は、アパレル関連の製造・卸売業です。毎年数回、販売促進月間を設定し、新規顧客の開拓を全社一丸となって実施しています。販売月間中は、渉外担当の社員は毎日外勤中心となり、朝は会社へは寄らず、直接営業活動に自宅から訪問先へ向かうことになっています。この販売促進月間中に、ある社員が、自宅を出て訪問先へ直行する途中、駅構内で負傷しました。この事故は、通勤災害と業務上災害のどちらに該当するのでしょうか。
 A 特定区域を担当する場合以外は業務上災害に該当
 労災保険制度では、保険給付の対象となる労働者の被った災害について、いわゆる業務上の事由による災害に加え、労働者の通勤途上の災害も含めています。
 この通勤途上の災害として、保険給付を受けることができるためには、いくつかの要件を満たさなければなりませんが、その場合の「通勤」とは、一般的な通勤にあっては、「住居と就業の場所との間の往復」中の移動とされています(労災保険法第7条第2項第1号)
 ところで、お尋ねの場合は、ここでいう「就業の場所」の解釈によって、通勤災害の事案として考えるか、あるいは業務上の災害として考えるのか、その取り扱いが異なってきます。
 現在の解釈では、いわゆる外勤業務については、「外勤業務に従事する労働者で、特定区域を担当し、区域内にある数か所の用務先を受け持って自宅との間を往復している場合には、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所であり、最後の用務先が業務終了の場所と認められる」とし、このような業務開始の場所と業務終了の場所とがある程度把握できるような場合は、最初の用務先と最後の用務先とが「就業の場所」になるとの考え方がとられています。(昭48・11・22 基発第644号、平18・3・31 基発第0331042号)。
 したがって、外勤業務のうち、「特定区域を担当」している場合に限って、自宅と特定区域との往復行為は通勤行為になるとし、この間の災害を通勤途上災害として保護するという取り扱いが行われています。
 そして、お尋ねのような特定の担当区域をもたない外勤業務の自宅と仕事先との往復行為については、出張中の取り扱いと同様に、業務上災害としてとらえることになっています。つまり、こういう場合は、業務行為と通勤行為を区別するのは適当でなく、自宅を出てから戻るまでの全過程について業務遂行性を認めるのが妥当とされているためで、お尋ねの場合も業務上災害として取り扱われることになるでしょう。

【2007年9月】
07.9.28 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋
 8 始業前の着替え中の負傷は業務上か
 Q 当社の社員の1人が、出勤後に社内の更衣室内で作業服に着替えている最中、更衣室内の椅子に腰掛けようとして手を椅子についた際に手首をひねり、全治3週間の負傷をしました。当社では全社員に制服を貸与しており、全員が制服で仕事をしています。今回の事故は、始業時刻前に発生したものであり、業務上の災害と認められないのではないかと考えているのですが、果たしてどのように判断されるのでしょうか。
  業務に通常付随する準備行為中であり業務上災害
 A 労働者の被った災害が、業務上の災害と認められるためには、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの要件を満たしているということが必要です。
  「業務遂行性」とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の指揮命令に従い仕事をするというように、事業主の支配下にある状態をいい、また、「業務起因性」とは、その支配下にあることに伴う危険が具現化したと経験則上認められることをいいます。
  したがって、通常、労働者が就業時間中に、本来の業務を行っている最中に発生した災害の場合、災害発生の原因が労働者本人の積極的な私的行為に基づくなど、特段の事情がない限り、業務上の災害と認められることになります。
  では、お尋ねのように、就業時間外に行われている更衣中に発生した災害は、どう判断されるのでしょうか。一般に労働者の就業過程には、本来の業務行為のほか、その前後における準備又は後始末の過程が含まれています。例えば、就業前後の更衣、手洗い、洗面、機械・道具類の整理・点検などがあります。
  こうした本来業務の前後に行われる行為は、業務行為に付随するものであることから、労災保険では、これらの行為については、「作業に伴う準備行為及び後始末行為」としてとらえ、この間に発生した災害については、広く業務上の災害として扱うこととしています。
  更衣については、次のような認定事例があります。それは、業務終了後に着替えをすませた労働者が、作業場の入り口にある自分の名札を裏返してそれを上司がチェックした後に職場を出て、階段を下りている途中で足を引っかけて転落負傷したというものです。
  この災害の業務上外認定に当たり行政は、@事業場施設内における業務につくための出勤または業務を終えた後の退勤で「業務」と接続しているものは、業務行為そのものではないが、業務に通常付随する準備後始末行為と認められる、A本件災害に係る退勤は、終業直後の行為であって、業務と接続する行為と認められること、当該災害が労働者の積極的な私的行為又は恣意行為によるものとは認められないこと及び当該災害は、通常発生しうるような災害であることからみて事業主の支配化に伴う危険が現実化した災害であると認められるーーーとの理由から、業務上の災害と判断しています(昭50・12・25基収第1724号)。
  この認定事例からみて、お尋ねの災害も、業務上災害と認められるものと考えられます。
 

          コスモス

07.9.27 最新 労災保険法Q&A 労働基準広報より抜粋

        コスモス

 

 1 派遣労働者の手続きはどちらが行う
 Q 当社は一般労働者派遣事業を営んでおります。先日、当社の顧客先企業で働いている派遣労働者が、派遣先の事務所内で仕事中に倉庫内で脚立から落下して、足の骨を折ってしまいました。派遣労働者であっても労災保険の適用はあると思うのですが、この場合、労災請求の手続きは、派遣元と派遣先のどちらが行うことになるのでしょうか。また、請求にあたって、派遣労働者ということで何か注意すべき点があるのでしょうか。
 派遣元が適用事業であり事業主の証明も派遣元が
 A 労災保険の適用対象者は、いうまでもなく「労働者」です。「労働者」とは、具体的には、事業主との間に使用従属関係があり、その指揮・命令に基づいて労務に服し、対価として賃金を受ける者をいい、雇用形態や名称のいかんは問われません。
 したがって、お尋ねのような派遣労働者であっても、業務に従事するに際し、事業主の指揮・命令を受け、その支配・管理下にあることに変わりはありませんので、当然、労災保険の適用対象である「労働者」ということになります。
 派遣労働者の労災保険適用に関して1つ問題となるのは、派遣元と派遣先のどちらを適用事業主として保険を適用するかという点です。
 行政解釈は、この点については、派遣元事業主の事業が適用事業となるとしています(昭61・6・30 基発第383号)。
 その理由としては、@派遣元事業主は、派遣労働者の派遣先を任意に選べる立場にあり、災害が発生した派遣先事業主との間で派遣契約を締結した責任があること、A派遣元事業主は、派遣労働者の雇用主として派遣労働者の安全衛生に配慮する責任があること、B労働基準法の規定(労働基準法第19条の業務上災害での休業中等の解雇制限など)の趣旨からみて、労働契約の当事者である派遣元事業主に災害補償責任があること―――があげられます。
 そこで、お尋ねのように実際に災害が発生した際の手続きですが、労災保険給付(休業補償給付など)の請求書の事業主証明は、派遣元事業主が行います。
 ただし、災害の発生場所が派遣先事業場であり、災害の発生状況を把握し得るのは派遣先ですから、派遣先事業主が作成した労働者死傷病報告(労働安全衛生規則第97条)の写しなど、災害の状況が分かる書類を請求書に添付して提出することになります。
 また、派遣労働者に係る労働者派遣契約の内容などが記載された派遣元管理台帳の写しも併せて添付し提出します。

07.9.24 下野新聞 しもつけ随想 素直な感動 成良 仁(陶芸家)
 展覧会場などで「私はよく解らなくて…」などという人がいる。謙遜もあるのだろうが、美術や音楽などは、解るとか解らないということではなく、感じる、感動する、感激するもの。自分の心が激しく動けば、それだけでよい。
 もちろん知識が必要ないと言いたいのではない。自分の感覚を信じて、まず素直に感動!すること。すると、もっと詳しく知りたくなる。知るとさらに感動が増す。
 偉い人(いろいろな意味があるけど)が言ったから…とか。有名な人(いろいろあるけど)が素晴らしいと言っていたから…とか。評論家が(いろいろいるけど)高く評価してたから…とか。そんなことはどうでもいい!
 自分が「いいなあ〜!!」とか、「しびれるな〜!!」とか、「感じるな〜!!」とか、「どきどき うきうき わくわくするな〜!!」とか、大切なのは自分だけのその感覚、判断。どれも間違っていない。というよりそれこそが本当の素晴らしさの評価!!。
 そんなことを言ったら、笑われるかも?…何も解ってないと思われるのではないか?…常識的(って何?)ではないといわれるかも?…教養がないと思われないかな?…そんなことぜ〜んぜん気にすることは無い。
 気持ちが良いのは、誰がなんと言っても「気持ち良〜い!!」。好きなものは、誰になんと言われても「だ〜い好き!!」なはず。自信を持って、大きな声で主張しよう!!
 そういうことを、いったいいつから素直に言えなくなってきたのか?…子供のころには、もっともっと素直に感情を表現していたはずなのに。大樹の蔭に拠っているうちに?…長いものに巻かれているうちに?…逆らわずに上手にお付き合いしているうちに?…知識ばっかり積み重ねているうちに?…悲しいこと!。
 これはあらゆることに共通して言えることかもしれない。自信が無いので、目立たなぬように安心を求め、みんなが進む方向へ…極端に言えば大きなものに洗脳され、いつの間にか飲み込まれ、流され、気付いた時には個人ではどうにもならない状況の中に…。
 自分だけが他人と違って、一人感激していても(浮いてても)ちっとも恥ずかしいことではない。むしろその素晴らしさを解るのは私だけ!!と自信を持って叫ぼう。
 ★一言欄
 「いいものはいい!!」
 

      雄山 山水赤絵丸

07.9.21 労働基準広報 国・羽曳野労基署長事件・H・19.4.18.判決。
 退勤途中に義父宅で介護行った後の交通事故・義父の介護は日用品購入に準ずる行為であり通災。
 事件の概要

 

 

 本件は、退勤途中に通勤経路外の義父宅で義父の介護を行った後に徒歩で帰宅する途中、経路上の交差点を通常経路とは逆方向から進入する際に交通事故で負傷したケースが通勤災害に当たるかが争われた事件。労基署長は、介護という私的行為による通勤の逸脱・中断後の災害であるとして不支給処分としたが、1審(平18・4・12大阪地判)は、義父の介護による逸脱は、労災保険法施行規則第8条の「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当するとして、通勤災害と判断した。労基署長側はこれを不服として控訴していた。
 事件の争点 介護は逸脱・中断に当たるか
 会社員は、義父宅での介護行為は、労災保険法施行規則第8条の「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当し、合理的経路に復した後の本件災害は通勤災害であると主張。
 一方労基署長側は、(1)義父の介護は所要時間が長時間に及んでおり、日用品の購入と同程度と評価することはできない(2)会社員の本来の退勤経路は、交差点北側を東から西へ横断するものであるが、事故は、交差点東側を南から北に横断する時点で起きており、合理的経路に復する前の災害である――などと反論した。
 加えて、控訴審では、労働政策審議会で、親族の介護が「日用品の購入その他これに準ずる行為」に含まれるとの説明がなされたことはなく、これに当たると解釈することは拡張解釈であり許されないとする旨の追加及び補充主張を行った。
 解説 合理的経路に復した後の災害
 労災保険法では、労働者が、通勤途中に合理的経路を逸脱または通勤を中断した場合には、逸脱・中断中はもとより、その後に元の経路に復したとしても、同法の保護の対象となる「通勤」とは認められない(同法第7条第3項)。ただし、その逸脱・中断が、「日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行う最小限度のもの」である場合は、逸脱・中断後に元の経路に服した後は通勤行為と認められる(同項)。
 この「厚生労働省令で定めるもの」には、同法施行規則第8条第1号により、「日用品の購入その他これに準ずる行為」が該当するとされているが、親族宅での介護がこれに該当するとの規程及び行政解釈などは示されていない。
 そのため、本件では、(1)介護のため義父宅への立ち寄りが「日用品の購入その他これに準ずる行為」に当たるか否か(2)本件事故が合理的経路に服した後の災害であるか否か――が争点となった。
 判決は、(1)について、義父に対する介護は、「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家庭生活を営むうえでの必要な行為」といえるとして、「日用品の購入その他これに準ずる行為」に当たるとした。
 (2)については、「合理的な経路とは、…必ずしも最短距離での唯一の経路を指すものではない」とした上で、本件交差点が特に規模の大きな交差点ではなかったことから、「本件交差点全体が合理的な経路と解するのが相当である」とした。
 また、労基署長側の追加・補充主張についても、「高齢化社会を迎えて、在宅介護の要請はますます大きくなっており、通勤災害との関係でも介護等の利益を立法上考慮すべき時期に来ている」とした上で、「たとえ労働政策審議会において介護に関する議論がされていないとしても、介護が「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家族生活を営むうえで必要な行為」である場合には、当該行為は「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当する」として、1審判決を維持している。

 判決の要旨
 主 文
 1 本件控訴を棄却する
 2 訴訟費用は控訴人の負担とする。
 理 由
 1 当裁判所は、被控訴人の本件請求は、理由があるから認容するのが相当であると判断する。その理由は、後記2のとおり「控訴人の当審における補充主張に対する判断」を加え、次のとおり訂正するほかは、原判決…に記載のとおりであるから、これを引用する。(中略)
 (3)原判決11頁19行目から24行目までを次の文章のとおり改める
 「…認定の事実…によれば、@義父は85歳の高齢であり両下肢機能全廃のため、食事の世話入浴の介助簡易トイレにおける排泄物の処理といった日常生活全般について介護が不可欠な状態であったところ、A被控訴人夫婦は、義父宅の近隣に居住しており独身で帰宅の遅い義兄と同居している義父の介護を行うことができる親族は他にいなかったことから被控訴人は、週4日間程度これらの介護を行い被控訴人の妻もほぼ毎日父のために食事の世話やリハビリの送迎をしてきたこと等を指摘することができる。これらの諸事情に照らすと、被控訴人の義父に対する上記介護は、「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家庭生活を営むうえで必要な行為」というべきであるから、労災保険規則8条第1号所定の「日用品の購入その他これに準ずる行為」に当たるものと認められる。」
 (4)原判決14頁7行目の「しかし」から19行目までを、改行の上、次の文章のとおり改める。
 「しかしながら、合理的な経路とは、事業場と自宅との間を往復する場合に、一般に労働者が用いると認められる経路をいい、必ずしも最短距離の唯一の経路を指すものでないから、…合理的な経路が複数ある場合には、そのうちのどれを労働者が選択しようが自由であると解されている。また、徒歩で通勤する場合に、この合理的な経路である限り労働者が道路のいずれの側を通行するかは問わないと解するのが相当である。すなわち事業場と自宅が道路の同一側に存しない場合には、いずれの側を通行することも合理的な経路となり、また、事業場と自宅が同一側に存したとしても、道路状況によっては、道路の反対側を通行するほうが、安全である場合もあり、最短距離をもって合理的な経路と定めていないことに照らせば、片側のみをその合理的な経路とし、道路の反対側を通行することが合理的な経路を外れていると解釈することは相当でない。
 これを本件についてみるに、…本件交差点は特に規模の大きな交差点ではない上、・・・控訴人が唯一合理的通勤経路(退路)であるという本件交差点より西の東西道路北側には路側帯があるものの、傾斜していたり、電柱が路側帯内に立っていたりして、通りにくい状態であること、…東西道路の南側には路側帯はないものの、平坦であって歩行に支障ないことが認められるところ、これらの具体的道路状況にかんがみると、被控訴人が本件交差点東側を南下した後、そこから西に向かって帰る経路も合理的なものとして通常の経路というべきである。…したがって、本件交差点付近についてみれば、本件交差点より北の南北道路の両側及び本件交差点より西の東西道路の両側と本件交差点全体が合理的な経路と解するのが相当である。
 …被控訴人は、本件交差点に至った後、その東側を南から北へ約3m渡った地点で本件事故に遭ったことが認められるのであるから、被控訴人が本来の合理的な通勤経路に復した後に本件事故が生じたものと認めるのが相当である。」
 2 控訴人の当審における補充主張に対する判断
 控訴人は、…労働政策審議会で親族宅に赴き介護をする行為が…「日用品の購入その他これに準ずる行為」に含まれるとの説明がされたことはなく、そのような運用がされたこともないのに、本件が通勤災害に当たると解することは労働政策審議会等の意図を超えた拡張解釈であって許されない旨主張する。
 しかしながら、労働政策審議会がすべての事象について議論することは困難であるから、上記「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当するか否かは社会的常識に照らして判断されるべきであって、たとえ労働政策審議会の議論を経ていないとしても、時代の変化に応じて、これに該当すると解釈することも許されないわけではない。これを本件についてみるに、…高齢化社会を迎えて、在宅介護の要請はますます大きくなっており、通勤災害との関係でも介護等の利益を立法上考慮すべき時期に来ていることが認められるから、たとえ労働政策審議会において介護に関する議論がされていないとしても、介護が「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家庭生活を営むうえで必要な行為」である場合には、当該行為は「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当すると解するのが相当である。被控訴人の義父に対する介護が「労働者本人又はその家族の衣、食、保健、衛生など家庭生活を営むうえで必要な行為」であることは、前記認定のとおりであるから、「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当するものというべきである。

07.9.16  下野新聞 栃木07自殺社会の現場から
 第1部 「追い詰められた末に」佐野市幹部、59歳 合併″重責一身に残業は月100時間 手付かずの夕食 10キロ近く体重は減った
 サイレンで目が覚めた。寝室には消防車の赤色灯が窓から差し込んだ。午前1時過ぎ。夫の部屋をのぞくと、愛用のビジネスバックだけが残されていた。近くの市道で夫の車を警察官が囲んでいた。焼身自殺だった。
 バックに家族あての遺書があった。合併前の旧市町長、議長あてに清書した文書は、自身の答弁をめぐる議会の中断劇をわびていた。「精神的に不安定な状態にあり」とつづられ、余白にボールペンの乱れた文字が並んでいた。
 『お世話になりました』『元気にがんばって下さい』死から約2カ月後。パソコンのフロッピーから、妻にあてた書きかけの別の遺書が見つかった。『仕事に疲れました。先立つことをお許しください』『最後が、このような結果で大変申し訳なく思っています』
 2003年6月。定年を翌春に控え、夫は佐野市の幹部職員と1市2町の合併協議会の事務局長を兼務していた。『平成の大合併』県内皮切りの協議。『県内の合併のモデルになる。何が何でも成功させる』。意気に感じていた。
 妻が異変に気付いたのは、死の1カ月半前、4月下旬だった。帰宅は連日、午後10時すぎ。好きなプロレスや大河ドラマを見なくなっていた。気分転換にと、食事に連れ出しても、どこか上の空。ほとんど口を開かなかった。夜中、自室でパソコンのキーをたたいていたこともあった。用意した夕食は手付かずのまま。体重は10キロ近く落ちていた。
 死の当日。朝、仕事に出掛けようとする妻を、後ろから手をまわし抱き寄せた。たしなめると、ふざけるように、また手を回した。『ごめん。ごめん』。夫の久しぶりの笑顔だった。『普段そんなことしなかった。それがサインだったのかもしれない』。
 「認められなくても事実が分かるだけでいい」。1年後、妻は公務災害の認定を請求した。死の前月の残業時間は約100時間。当月は19日間で約60時間に及んでいた。合併方式をめぐる論議で、旧市町の板挟みにもなった。だが、その仕事ぶり、心労を、周囲の人が見ていてくれた。同僚らの協力で、追い込まれていった状況が明らかになっていった。
 請求は認められた。自殺による公務災害認定は県内初めてだった。
 あれから4年。妻は夫が愛用したバックと携帯電話を大切にしまっている。「元気でやっているか」。死の直前、県外の息子に電話した張りのない声が、家族に残した最後の言葉だった。「夫はどこにも相談できず、一人で抱え込んでしまった。民間でも成果主義の導入が進んでいますが、個人に過重な負担を生むのではないでしょうか」自殺が報道されるたび、妻は夫の姿を思い出す。
 ズーム 公務災害
 民間の労災に相当し、公務員が公務上に被災した場合に認定される。地方公務員の自殺による認定は全国で過去5年間に計17件。県内では佐野市幹部の認定以降、申請自体がない。市町村合併をめぐっては首長が自殺するケースも全国で相次いだ。
 

 

07.9.14 下野新聞 栃木07自殺社会からの現場から
 第1部 「追い詰められた末に」男性医師、38歳。10枚に及ぶ遺書・父は当日「医療ミス」を知った。「答え」を求め 労災申請

 

 

 遺書は、リポート用紙十枚に及んでいた。「それでも以前は、まず患者様を第一に考えていた。今は自分のことしか考えていない。本当に患者様や病院の方々に申し訳ない。死んでおわびできるものでもないが、それでもやはり死ぬしかないと思う」
 2002年6月、県内の病院で外科医だった男性が命を絶った。勤務先に向かう途中の高架道路に止められた乗用車。約20b下の路上で男性は見つかった。
 一人暮らしの自室に残された遺書。鉛筆で走り書きされていた。「この道を選んだことに後悔はしていない。日々一生懸命医療をしていれば、いつかいい方向にかわれると思っていた。……自殺は悪いことだというけれど、こうするより他になにもない」医師になって13年目。38歳だった。
 医師の父親が息子の「医療ミス」を初めて知ったのは、自殺した当日だった。「朝早くに警察署から電話が入り、駆け付けた。上司の医師も警察署を訪れ、そこでミスの話を聞いた」
 1カ月ほど前、内視鏡検査で患者の大腸に誤って穴を開けてしまったという。医療現場で一定頻度で発生する大腸ファイバーによる穿孔だった。「今思えば、確かに様子がおかしかった」その年の春、母は親類の葬式で久しぶりに帰宅した息子の姿に目を疑った。げっそりやせ、表情に精気がない。「医師過剰時代の到来」がささやかれていた当時。母は息子の身を案じるとともに、「医療現場の過剰な負担」を痛感した。
 「帰りはいつも遅い。患者のためだから」「人の命を扱っている仕事。手抜きなんかできないよ」―。その晩、医師は珍しく両親にこう訴えた。「もう、それぐらいでやめろ」。父はめったにない息子の深酒を諭した。医師は実家に一泊し早朝、病院へ向かった。
 「自殺されると、育ててきた自分自身も否定された気持ちになる」。息子の死後、母は体調を崩し入院した。異変に気付けなかった自分を責め、胸が痛んだ。
 「社会に貢献できる仕事がしたい、と息子は医師を志した。それがこんなことに…」。父も持病を一時悪化させた。「何が息子を死にまで追いつめたんだろう」。両親は勤務先の病院や上司を直接訪ねた。ミスの経緯や詳しい勤務実態が知りたかった。「本当に残念な結果になってしまった」。上司はそう言って涙を浮かべた。だが、その説明は二人を納得させるものではなかった。『迷惑をかけた」などと自分を責めるばかりの遺書。極度のうつ状態だったと思う。医療ミスは引き金になったかもしれないが、背景に過労やストレスがあったのでは』。自殺から5年。両親は今年6月、県内の労基署に労災補償を申請した。労基署の判断はまだ下されていない。
 早すぎた死。老いた両親は、今もその「理由」を探し続けている。
ズーム 自殺と労災補償
 過労などが原因による自殺(未遂を含む)だとして労災申請された全国件数は2006年度、過去最高の176件に上り、前年以前の申請分を含め計66件が認定された。県内でも06年度に過去10年間で最多の5件の申請があったが、この10年間に認定されたのは計3件。
 
参考資料 通達第1063号
脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について
基発第1063号
                       平成13年12月12日
                           都道府県労働局長殿
                         厚生労働省労働基準局長
脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について
 標記については、平成7年2月1日付け基発第38号(以下「38号通達」という。)及び平成8年1月22日付け基発第30号(以下「30号通達」という。)により示してきたところであるが、今般、「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」の検討結果を踏まえ、別添の認定基準を新たに定めたので、今後の取扱いに遺憾のないよう万全を期されたい。
 なお、本通達の施行に伴い、38号通達及び30号通達は廃止する。
別添
 脳血管疾患及び虚血性心疾患(負傷に起因するものを除く。)の認定基準
 第1 基本的な考え方
 脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。以下「脳・心臓疾患」という。)は、その発症の基礎となる動脈硬化等による血管病変又は動脈瘤、心筋変性等の基礎的病態(以下「血管病変等」という。)が長い年月の生活の営みの中で形成され、それが徐々に進行し、増悪するといった自然経過をたどり発症するに至るものとされている。
 しかしながら、業務による明らかな過重負荷が加わることによって、血管病変等がその自然経過を超えて著しく増悪し、脳・心臓疾患が発症する場合があり、そのような経過をたどり発症した脳・心臓疾患は、その発症に当たって、業務が相対的に有力な原因であると判断し、業務に起因することの明らかな疾病として取扱うものである。
 このような脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼす業務による明らかな過重負荷として、発症に近接した時期における負荷のほか、長期間にわたる疲労の蓄積も考慮することとした。
 また、業務の過重性の評価に当たっては、労働時間、勤務形態、作業環境、精神的緊張の状態等を具体的かつ客観的に把握し、検討し、総合的に判断する必要がある。

 第2 対象疾病
 本認定基準は、次に掲げる脳・心臓疾患を対象疾病として取扱う。
1 脳血管疾患
 (1)脳内出血(脳出血)
 (2)くも膜下出血
 (3)脳梗塞
 (4)高血圧性脳症
2 虚血性心疾患等
 (1)心筋梗塞
 (2)狭心症
 (3)心停止(心臓性突然死を含む。)
 (4)解離性大動脈瘤
 第3 認定要件
 次の(1)、(2)または(3)の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する疾病として取り扱う。
 (1)発症直前から前日までの間において、発症状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。
 (2)発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。
 (3)発症前の長期にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。
 第4 認定要件の運用
 1 脳・心臓疾患の疾患名及び発症時期の特定について
 (1)疾患名の特定について
 脳・心臓疾患の発症と業務との関連性を判断する上で、発症した疾患名は重要であるので、臨床所見、解剖所見、発症前後の身体の状況等から疾患名を特定し、対象疾病に該当することを確認すること。
 (2)発症時期の特定について
 脳・心臓疾患の発症時期については、業務と発症との関連性を検討する際の起点となるものである。
 通常、脳・心臓疾患は、発症(血管病変等の破綻(出血)又は閉塞した状態をいう。)の直後に症状が出現(自覚症状または他覚所見が明らかに認められることをいう。)するとされているので、臨床所見、症状の経過等から症状が出現した日を特定し、その日をもって発症日とすること。
 なお、前駆症状(脳・心臓疾患発症の警告の症状をいう。)が認められる場合であって、当該前駆症状と発症した脳・心臓疾患との関連性が医学的に明からかとされたときは、当該前駆症状が確認された日をもって発症日とすること。
 2 過重負荷について
 過重負荷とは、医学経験則に照らして、脳・心臓疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然経過を超えて急激に著しく増悪させ得ることが客観的に認められる負荷をいい、業務による明らかな過重負荷と認められるものとして、「異常な出来事」、「短期間の過重業務」「長期間の過重業務」に区分し、認定要件をしたものである。
 ここでいう自然経過とは、加齢、一般生活等において生体が受ける通常の要因による血管病変等の形成、進行及び増悪の経過をいう。
 (1)異常な出来事について
 ア 異常な出来事
 異常な出来事のとは、具体的には次に掲げる出来事である。
(ア)極度の緊張、興奮、恐怖、驚がく等の強度の精神的負荷を引き起こす突発的または予測困難な異常な事態
(イ)緊急に強度の身体的負荷を強いられる突発的または予測困難な異常事態
(ウ)急激で著しい作業環境の変化
 イ 評価期間
 異常な出来事と発症の関連性については、通常、負荷を受けてから24時間以内に症状が出現するとされているので、発症直前から前日までの間を評価期間とする。
 ウ 過重負荷の有無の判断
異常な出来事と認められるか否かについては、@通常の業務遂行過程においては遭遇することがまれな事故または災害等で、その程度が甚大であったか、A気温の上昇または低下等の作業環境の変化が急激で著しいものであったか等について検討し、これらの出来事による身体的、精神的負荷が著しいと認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
  (2)短期間の過重業務について
 ア 特に過重な業務
 特に過重な業務とは、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を生じさせたと客観的に認められる業務をいうものであり、日常業務に就労する上で受ける負荷の影響は、血管病変等の自然経過の範囲にとどまるものである。
 ここでいう日常業務とは、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう。
 イ 評価期間
 発症に近接した時期とは、発症前おおむね1週間をいう。
 ウ 過重負荷の有無の判断
 (ア)特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚労働者又は同種労働者(以下「同僚等」という。)にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
 ここでいう同僚等とは、当該労働者と同程度の年齢、経験等を有する健康な状態にある者のほか、基礎疾患を有していたとしても日常業務を支障なく遂行できる者をいう。
 (イ)短期間の過重業務と発症との関連性を時間的にみた場合、医学的には、発症に近いほど影響が強く、発症から遡るほど関連性は希薄となるとされているので、次に示す業務と発症との時間的関連を考慮して、特に過重な業務と認められるか否かを判断すること。
 [1]発症に最も密接な関連性を有する業務は、発症直前から前日までの間の業務であるので、まず、この間の業務が特に過重であるか否かを判断すること。
 [2]発症直前から前日までの間の業務が特に過重であると認められない場合であっても、発症前おおむね1週間以内に過重な業務が継続している場合には、業務と発症と関連性があると考えられるので、この間の業務が特に過重であるか否かを判断すること。
 なお、発症前おおむね1週間以内に過重な業務が継続している場合の継続とは、この期間中に過重な業務に就労した日が連続しているという趣旨であり、必ずしもこの期間を通じて過重な業務に就労した日が間断なくつづいている場合のみをいうものではない。したがって、発症前おおむね1週間以内に就労しなかった日があったとしても、このことをもって、直ちに業務起因性を否定するものではない。
 (ウ)業務の過重性の具体的な評価に当たっては、以下に掲げる負荷要因について十分検討すること。
 1 労働時間
   労働時間の長さは、業務量の大きさを示す指標であり、また、過重性の評価の最も重要な要因であるので、評価期間における労働時間については、十分に考慮すること。
  例えば、発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められるか、発症前おおむね1週間以内に継続した長時間労働が認められるか、休日が確保されているか等の観点から検討し、評価すること。
 2 不規則な勤務
   不規則な勤務については、予定された業務スケジュールの変更の頻度・程度、事前の通知状況、予測の度合、業務内容の変更の程度等の観点から検討し、評価すること。
 3 拘束時間の長い勤務
   拘束時間の長い勤務については、拘束時間数、実労働時間数、労働密度(実作業時間の手待時間との割合等)、業務内容、休憩・仮眠時間数、休憩・仮眠施設の状況(広さ、空調、騒音等)等の観点から検討し、評価すること。
 4 出張の多い業務
   出張については、出張中の業務内容、出張(特に時差のある海外出張)の頻度、交通手段、移動時間および移動時間中の状況、宿発の有無、宿泊施設の状況、出張中における睡眠を含む休憩・休息の状況、出張による疲労回復状況等の観点から検討し、評価すること。
 5 交代制勤務・深夜勤務
   交代制勤務・深夜勤務については、勤務シフトの変更の度合、勤務と次の勤務までの時間、交代制勤務における深夜時間帯の頻度等の観点から検討し、評価すること。
 

 

 

 

 6 作業環境
   作業環境については、脳・心臓疾患の発症との関連性が必ずしも強くないとされていることから、過重性の評価に当たっては付加的に考慮すること。
 (A)温度環境
   温度環境については、寒冷の程度、防寒衣類の着用の状況、一連続作業時間中の採暖の状況、暑熱と寒冷との交互のばく露の状況、激しい温度差がある場所への出入りの頻度等の観点から検討し、評価すること。
   なお、温度環境のうち高温環境については、脳・心臓疾患の発症との関連性が明らかでないとされていることから、一般的に発症への影響は考え難いが、著しい高温環境下で業務に就労している状況が認められる場合には、過重性の評価に当たって配慮すること。
 (B)騒音
   騒音については、おおむね80?を超える騒音の程度、そのばく露時間・期間、防音保護具の着用の状況等の観点から検討し、評価すること。
 (C)時差
   飛行による時差については、5時間を超える時差の程度、時差を伴う移動の頻度等の観点から検討し、評価すること。
 7 精神的緊張を伴う業務
   精神的緊張を伴う業務については、別紙の「精神的緊張を伴う業務」に掲げられている具体的業務または出来事に該当するものがある場合には、負荷の程度を評価する視点により検討し、評価すること。
   また、精神的緊張と脳・心臓疾患の発症との関連性については、医学的に十分な解明がなされていないこと等から、精神的緊張の程度が特に著しいと認められるものについて評価すること。
 (3)長期間の過重業務について
 ア 疲労の蓄積の考え方
   恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。
   このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度あったかという観点から判断することとする。
 イ 特に過重な業務
   特に過重な業務の考え方は、前記(2)のアの「特に過重な業務」の場合と同様である。
 ウ 評価期間
   発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月をいう。
  なお、発症前おおむね6カ月よりまえの業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するにあたり、付加的要因として考慮すること。
 エ 過重負荷の有無の判断
 (ア)著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かと言う観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
 (イ)業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間のほか前記(2)のウの(ウ)の2から7までに示した負荷要因について十分検討すること。
   その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因として考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1カ月単位の連続した期間をみて、
 [1]発症前1カ月ないし6カ月にわたって、1カ月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
 [2]発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6カ月間にわたって、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症の関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。
   ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。
   また、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。
 第5 その他
  1 脳卒中について
   脳卒中は、脳血管発作により何らかの脳障害を起こしたものをいい、従来、脳血管疾患の総称として用いられるが、現在では、一般的に前記第2の1に掲げた疾患に分類されている。
   脳卒中として請求された事案については、前記第4の1の(1)の考え方に基づき、可能な限り疾患名を確認すること。
   その結果、対象疾病以外の疾病であることが確認された場合を除き、本認定基準によって判断して差し支えない。
  2 急性心不全について
   急性心不全(急性心臓死、心臓麻痺等という場合もある。)は、疾患名ではないことから、前記第4の1の(1)の考え方に基づき、可能な限り疾患名を確認すること。
   その結果、急性心不全の原因となった疾病が、対象疾病以外の疾病であることが確認された場合を除き、本認定基準によって判断して差し支えない。
  3 不整脈にについて
   平成8年1月22日付基発第30号で対象疾病としていた「不整脈による突然死等」は、不整脈が一義的な原因となって心停止又は心不全症状等を発症したものであることから、「不整脈による突然死等」は。前期第2の2の(3)の「心停止(心臓性突然死を含む。)」に含めて取り扱うこと。

07.9.13 読売新聞 「よみうり寸評」

 

 

 <勇み足>――日本相撲協会の北の湖理事長が元NHKアナウンサーの杉山邦博氏から取材証を没収した。横綱朝青龍問題をめぐるトラブルだが協会の対応は余りにも一方的だ◆第一に、事実関係の認識がおかしい。理由も告げず取材証の返還を求めるなど、勇み足というより軽率な<お門違いの八つ当たり>にも見える◆「テレビ番組で協会を批判するコメンテーターの意見に杉山氏がうなずいていた」「氏はクラブの会友だがテレビの肩書は評論家。評論家のすべてに取材証は発行できない」◆これが相撲記者クラブの抗議に対する理事長の説明だが、理屈にもならない。「うなずいた」だけで、批判に同調と見るなど軽率の極だ◆「大相撲なんでも七傑事典」(講談社+α文庫)の「放送七傑」の項を見るといい。古くからの相撲愛好家が選んだ七傑の一人に杉山邦博氏の名がある。今はOBだが、NHKで長年、相撲放送を担当してきた名アナウンサーだ◆氏は横綱のあるべき姿を説き、朝青龍に厳しい発言をしてきた。協会は氏の姿勢を全く分かっていない。

07.9.13 スポーツニッポン 悲惨でみじめ 政治評論家 森田実氏
 最近の表情を見ていて政治家としてエネルギーや闘争精神が欠如しており、首相は続けられないのではと感じていた。臨時国会のヤマ場である代表質問の日に政権を投げ出すのは、質問に答える自信すらなくなったからだろう。本来なら参院選直後に辞めるべきで、今回の辞め方は悲惨でみじめとしか言いようがない。国会議員を続けることすらできないのではないか。  

 

07.9.05 スポーツニッポン  舛添厚労相また吠えた 企業年金3割未払い「ずさん」 定期的報告の義務化検討

 

 

 舛添要一厚生労働相は6日、企業年金連合会が受給資格者の3割に当たる約124万人に年金を支給できていない問題について「ずさんだ。例えば3年に1度、定期的に報告させるなど指導を強めていきたい」と述べ、厚労省への報告を義務化するなどの対応を検討する考えを表明した。
 退職後に転居するなど、現住所が不明で受給請求書を送付できないケースが多いとして、連合会が社会保険庁から住所情報の提供を求めていることについては「手伝いはするが、前提として(厚労省)報告がないと話にならない。定期的に報告すればこういう事態にならない」と指摘した。
 さらに「年金を受け取る側からすると、おまえもか、という感じがする」と、連合会のこれまでの対応を批判。連合会の歴代理事長に厚労省幹部OBが多く就任している実態を「天下りをやるだけじゃなくて、仕事でもっと密接に協力するべきだ」と語った。

07.9.05 スポーツニッポン 舛添厚労相・刑事告発へ動く・社保庁&市町村職員の着服3億4000万円 年金泥棒は牢屋へ 「公表せずぬけぬけと働いていていいのか」
 舛添要一厚生労働相が怒った。社会保険庁や市町村職員が国民年金保険料納付に絡み計約3億4000万円を着服していた問題で、舛添氏は4日の閣議後の会見で、「年金泥棒」「刑事告発してもらう」などと職員を糾弾した。過去44年間と長期間にわたるため、どこまで可能かは不透明だが、社保庁改革への一歩となるか、今後の動きが注目される。
 「年金問題では社会保険庁と格闘してきた。解決へ向け、全力でやっていきたい」と厚労相就任時に話していた舛添氏。早くも、そのノロシを上げた。
 閣議後の午前10時から行われた記者会見。社保庁や市町村の職員による年金保険料などの着服や不正受給が明らかになったことに対し、会見場に入るや「これは年金泥棒、盗っ人ですよ」と強烈な表現で職員の行為を批判した。
 さらに「どういう職員がどう着服し、厳正な処分を受けたか、洗いざらい公表する必要がある」として、増田寛也総務相と近く会談し、市町村に詳細な情報公開を求める考えを表明。職員がまだ処分されていないと判明した場合は「首長から刑事告発してもらうよう、総務相に申し入れる」と言い切った。社会保険庁職員についても、98年までは着服などの事例の情報公開が不十分だとして「司法の場でどういう判断をされたのかなど、詳細な資料を探すよう指示した」と語気を強めた。
 社会保険庁によると、同庁職員の着服や不正受給は同庁発足の1962年からこれまでに50件で総額1億4197万円。市町村職員によるそれは、23都道府県で49件、計2億77万円に上る。
 「市町村の49件のうち12件は明らかにされていないし、公表しないでぬけぬけと働いていていいのか。横領まがいのことをやった連中にはきちんと牢屋に入ってもらおうということですよ」と舛添氏。「大臣が聞かなきゃ何も報告しない」と批判は社会保険庁の体質にまで及んだ。
 舛添氏はさらに、社会福祉法人の前理事長から金品を受け取っていた厚労省九州厚生局の松嶋賢前局長(59)に対し「現役のときに起こした場合の処分と見合うぐらいの激しい処分を考えている」と言及。遠藤武彦前農相の辞任についても「辞任に値する。首相にも責任はある」と安倍晋三首相の任命責任に触れるなど、舌鋒が衰えることはなかった。
 

 

07.9.1 読売新聞 よみうり寸評 8.31.夕刊

キャンプ場 ピザ窯 薪かまど

 

 <国家公務員倫理法>(2000年4月施行)――元厚生事務次官の汚職(1996年)がきっかけで制定。事件は次官と社会福祉法人代表の増収賄だった◆当時厚相は省内に綱紀粛正の徹底を指示した。関係業者とのゴルフ、旅行、歳暮、中元、餞別……の禁止。職務上関係があれば、友人でも割り勘でも、会食は認めない◆倫理法はこれが起こりだ。倫理を法にしなければならない屈辱。これが最も身にしみたのは、きっかけとなった厚生省。現厚労省の面々だったはずだ。次官の汚職から11年、法の施行から7年になる◆が、この間ずっと綱紀粛正や倫理法など、どこ吹く風のような男がいた。前九州厚生局長。福祉法人とかかわり深い本省の課長ポストを歴任◆大阪府の福祉法人の前理事長から中古の高級車3台をもらったり、住宅新築、改築時などに多額の資金提供を受けたり。互いに義理の親族で私的な援助と言うのだが……この法人には高額の国庫補助金が出ている◆法は利害関係者間の金品授受を禁じている<福祉>で<私腹>を肥やすなかれ。

【2007年8月】
07.8.29 読売新聞 社説 なんとたるんだ海自の情報管理 イージス艦
 特別防衛秘密にあたる重要情報が、こんなにもずさんに扱われていたのか。
 海上自衛隊のイージス艦に関する情報流出は、第1術科学校元教官の1等海尉が、主任教官だった3等海佐の机から光磁気ディスクを無断で持ち出しのが発端だった。
 さらに1尉は、ファイルをCDに複写して学生らに配布し、その後に勤務した護衛艦「しまかぜ」の下士官にも渡していた。「しまかぜ」では共用パソコンにも保存してあり、同艦の射撃管制を担当する乗員なら誰でもみることができる状態になっていたという。
 神奈川県警と海自警務隊は、「しまかぜ」などを日米相互防衛援助協定に伴う秘密保護法違反容疑で捜索した。4回目の強制捜査だ。着手から7カ月、流出ルートがほぼ判明した。そこには国防を担う組織の緊張感が全くうかがえない。
 情報流出が発覚したのは、県警が2等海曹の中国人妻の不法残留事件で2曹の自宅を捜索した際、ハードディスクなどを押収したことからだ。それまでに、どれだけ情報が拡散したのか。外部に流出してもおかしくない状況だった。
 イージス艦は、米国で開発された世界最高の防空能力を持つ艦船だ。流出情報は、横須賀基地所属の幹部クラスが米海軍に留学して学んだイージスシステムの最新性能の内容を、情報として共有してきたものだ。主任教官だった3佐もその留学組の1人だった。
 高村防衛相は記者会見で、「日本の役所全体が情報を軽く見過ぎている。国際関係に影響する」と述べた。
 日本の官庁の中でも、情報管理に最も厳格かつ鋭敏でなければならないのは防衛省のはずだ。もっと厳しい姿勢で対応してもらいたい。
 「国際関係への影響」とは、日米同盟の信頼関係を損なう懸念を指すのだろうが、すでに影響が現実に出ている。
 防衛省が進めている次期主力戦闘機の選定作業で、有力候補に挙げられている米国の最新鋭戦闘機F22の対日輸出問題だ。米国は対日輸出に慎重だが、背景にはイージス艦の情報流出もある。F22の最先端のハイテク技術の漏洩への疑念を抱いているからだ。
 防衛省は今回の事件を受け、陸海空の3自衛隊ごとある情報保全隊を統合した新組織を、来年度に新設する方針だ。米海軍の中枢情報が海自の2曹まで流れてしまった組織のたるみを、根本から改めなければならない。
 「情報を軽く見過ぎる」安易な姿勢が日本の安全保障に重大な影響を与えている。その現実を直視すべきだ。
 

 

07.8.23 読売新聞 中皮腫の死者1人 遺族への補償決定 横浜の建材製造会社

 

 

 アスベスト(石綿)建材を製造していた「エーアンドエーマテリアル」(横浜市鶴見区)は22日、鶴見区内にあった旧横浜工場近くに住み、中皮腫で死亡した住民1人の遺族に弔慰金を支払うことで補償することを決めた。石綿関連企業が工場周辺住民に健康被害で補償するのはクボタ、ニチアスに次いで3例目、関東地方の住民は初めて。弔慰金の金額は示されていない。
 住民は、旧工場から約100b離れた住宅に住み、1989年に中皮腫で死亡した主婦原田サワ子さん(当時72歳)。エー社は「会社の事業と死亡の因果関係を否定できない」としている。
 地元の被害者団体は、2003年に中皮腫で死亡した元市職員高橋忠誠さん(同61歳)についても補償を求めているが、エー社は「現時点では因果関係が明確ではない」として保留している。

07.8.17. 読売新聞 なるか再生 「ベルサイユ化」抜け出せ 堺屋 太一氏
 基本的に言えば、安倍内閣は能力不足であり、同時に時代感覚が乏しい。安倍内閣の一番の体質的な欠点は「ベルサイユ化」なんです。
 ベルサイユ化とは、フランスのルイ14世がパリを離れてベルサイユ宮殿を建てた。それから100年くらいたったルイ16世のころになるとベルサイユ宮殿には王様と取り巻きの貴族や官僚が集まり、全国で暮らす庶民のことは全く知らなくなった。自分たちの贅を極めた生活がすべてだと思いこんでしまった。
 安倍内閣は2世、3世議員が多く、そのほとんどが地方に住んだ経験のない東京生まれ、東京育ち。いま世界で最も変わっていない時代遅れの場所は東京です。東京にいる限り、規格大量生産時代からずっと変わっていないビルはどんどん建つし、土地の値段もそこそこ高いし、消費は盛んだし、若い人は集まっている。だから地方都市のシャッター通りや高齢化なんかの話の実感がないんですね。
 安倍内閣が再生するにはまずベルサイユから出ることです。今度の内閣改造でベルサイユ型から抜け出せなければ国民はがっかりするでしょう。
 地方はものすごく変わりました。衰退するという意味でも、高齢化するという意味でも、国際化という意味でも、変化をひしひしと感じる。ニューヨークやパリ、フランクフルトなら先端的な変化を感じる。人種が混合し、(知恵を生かして価値を生み出す)知価産業が起こり、大企業がファンドに買収されている。だが東京は官僚規制に守られて移民も企業買収も少ない。そこだけで暮らす安倍内閣は世界の文明の変化からも地方の衰退からも孤立している。そのことをご本人も取り巻きも霞が関の官僚も分らない。
 東京しか知らないから地域格差は自然に生じていると思っている。でも世界の中で1980年以降、首都圏の経済、文化の国全体に占める割合が高まっているのは日本だけなんです。自然に任せていたら地方分散になる。逆に言うと、日本は大変なお金と権力で東京に集中させている。これをやめなければいけない。それが東京にいる人たちには分らないんですよ。自分たちが地方分散をできなくしているという意識がないから、役所の権限を強化してお金をばらまいてやろうという発想になる。こういう矛盾した事態になっていることが実感として首相に入っていない。
 小渕内閣、森内閣まではそんなことはなかった。地方に根を生やした政治家、その周辺には地方の実業家も政治家も農協さんも建設業者もお医者さんもいて、国会へ持ち寄って「うちのところはこういうことになっている」言い合って、悪い言葉で言えば「族議員」がそれぞれの官庁を監視していた。だから官僚の自由にならなかった。ところが小泉前首相の時代になって、各省の状況に詳しい族議員を辞めさせてしまった。
 安倍さんは首相官邸主導といって有識者会議をたくさん作っているが、会議の意見はまとまらず官僚主導の答申になる。大勢の委員に思いつきを言わせておいて、結局は事務担当の官僚がまとめる。有識者会議は官僚主導のための隠れ蓑になりやすいんです。それを安倍さんがわからないのは、官僚が自分の味方だと思っているからでしょう。官僚は敵ではないが味方でもない。官僚機構のための官僚であって首相のための官僚機構ではない。
 まず官僚依存をやめないといけない。そのためにはこの人が医療に詳しいとか、この人は財政に詳しい、この人は税制に詳しいという有能な政治家を育てていかなければいけません。(聞き手・政治部 高木雅信)
 「さかいや たいち 作家、経済評論家。小渕内閣・森内閣で経済企画長官。72歳」
 

 

07.8.14. 読売新聞 編集手帳
 力道山は大相撲の関脇からプロレスに転向している。力道山の家には二所ノ関部屋で弟弟子の初代若乃花(花田勝治氏)がよく遊びにきた。若乃花は横綱である。◆いつも応接間には入らず、廊下に座った。夫人がすすめても動かない。元兄弟子との同席もためらう上下関係の厳しさに驚いたと、夫人の田中敬子さんが著書に書いている。◆番付が下の引退した兄弟子にしてそうであれば、師匠の威光たるや……と思うと、そうでもないらしい。謹慎処分を受けた朝青龍の自宅を、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)が毎日のように訪問している。◆横綱は病気だというから、病人の意向を尊重するのは分かるが、謝罪会見をすすめては断られ、入院をすすめては断られ、師匠の威厳があまり感じられないのが傍目には何とも歯がゆい。親方の優しい人柄が裏目に出たようである。◆教育はその家、その家に伝わる味のようなもので、きのうまでは大甘、きょうからは激辛――とはいかない。親方もこれまでの指導法の延長線上に、横綱の立ち直る出口を見つけるしか方策はあるまい◆いつぞや美術館で、書家の相田みつをさんが若乃花の言葉を揮毫した額を見た。「土俵のけがは、土俵の砂で、なおしてゆくんですよ…」。朝青龍も教わっていれば、サッカー場の土で治そうとは考えなかったろうに。
07.8.6 下野新聞
しもつけ随想・小さくて大きな喜び
 「しもつけ随想」の執筆を、との依頼に、普段は「物造りは作品で勝負!言葉で解説は邪道!」とまで言っていたのに、また、書くことにコンプレックスさえ持っていたのに、思わず承諾してしまった…ので、思いつくままに書いてみます。
 先日、久しぶりに川崎に住む旧友に会った。時々は会っていたのだが、彼の家を訪ねるのは、初めてだった。お茶を頂きながら雑談中に、フッと奥様の使っている湯呑が目に入った。古い名品?ではないか、と思われるような、使い込んだ美しい物だ。どこかで見覚えがある。
 聞くと、私が学生時代に造って彼にあげた物ではないか。何十年も気に入って、毎日のように大切に、優しく愛着を持って使い続けてくれているという。(愛が着く…素敵な言葉)
 確かにあのころ、この手で造った物であるから、私の作品であることに違いないのだが、とても「自分の作品だ」と言い張れないほど、見違えるように素晴しく育っているのである。
 生みっぱなしの(生みの親)と優しく大切に育ててくれた(育ての親)…あっ!これこそ工芸なんだ!窯出しのときのうわぐすりの調子がなんだ、色、形がなんだ。自己満足の作家意識!ちいせー!ちいせー!まるで立派に独り立ちし、世の中の役に立ち、幸せに暮らしているわが子に何十年ぶりに会ったような感覚。初めて味わうような感動だった。
 また、もうひとつ同様な思い出がある。それは以前ニューヨークに行った時のこと。友人の紹介で、マンハッタンに住むジュエリーデザイナーのお宅を訪れた時、しばらく談笑の後、夕食を一緒にということになり、食卓についた。 
 ステーキが出されたが、とても気に入っているという皿が、なんと私の造った皿だったのだ。そのご夫妻は、何も知らずに他の人の作品と思って使っていたと言う。エッ!どうして私の皿がここに?はるか日本の益子の地を旅たち、どこをどう経由して、はるばるこの地にたどり着いたのか。不思議な感動、驚き。
 親元を離れ、立派に独り立ちして、ここはるかアメリカの地で活躍しているわが子に遭遇した思いだった。背筋がゾッとするほどの驚きと歓びがあった。その時にも、工芸をやっていて良かった、としみじみ幸せを感じたものだった。また、使われていた皿も幸せそうに見えた。その後の話はより盛り上がることになった。
 工芸品は使われてなんぼ。また、使えば使うほど良くなる物。割れやすいものではあるが、大切に使えば、何百年でも持ち、豊かさを振りまいてくれる物なのだ。
 それに反し、箱に詰め込まれ、押入れの奥に長い間大切にしまい込まれたままの工芸品、できた時のまんまで成長していない箱入り娘(息子)。まるで、長年室に入れられ小さな窓から青空を見て、早く娑婆(しゃば)に出たいと夢見ているようなそんな作品。かわいそう!不幸せ!どんどん使おう、大切に、愛が着くまで!
 (成良 仁 陶芸家) 
 

    鉢 祝峰 切立長方

07.8.3. 読売新聞

日光・鉢 行山 額入外縁ダエン

 

 熱中症 いよいよ警戒 高齢者に多発、水分補給をこまめに
 いよいよ夏本番。暑さが厳しい日は、熱中症に注意が必要だ。スポーツなど体を激しく動かすときに限らず、日常生活の中でも発症する。こまめに水分を補給するなど予防を心がけたい。
 熱中症は、大量の汗をかいて塩分が不足し、痙攣が起きたり、脳への血流不足から失神したりする状態。体温が激しく上昇する熱射病になることもある。
 めまいや頭痛、吐き気を感じるときは、涼しい場所に移動し、水分を補給したり、首やわきの下を冷やすこと。応答が鈍い、意識がないなどの場合はすぐに救急車を呼ぶ。
 京都女子大教授の中井誠一さん(運動生理学)が過去の熱中症による死亡事例を調べたところ、1995年以降では、65歳以上の高齢者が約6割を占めることが分かった。庭の手入れなど軽作業中や、冷房のない室内で亡くなった例もあった。
 「特にお年寄りは、体温の調節機能が低下しています。体内の水分が少ないのに、補給を控える人が多いことも影響しているのでは。普通の暮らしなかでも、布団の上げ下し、床磨き、草取りなどは意外に重労働。暑い時間帯を避けるなど注意が必要です」と呼びかける。
 環境省の「熱中症保健指導マニアル」では、日常生活での注意事項として、@日傘をさしたり、帽子をかぶったりして暑さを避けるA通気性の良い服装を選ぶBのどが渇く前に、こまめに水分を補給する――などを挙げている。
 ウォーキングなどの運動を始める前や外出の前には、コップ一杯ほどの水を飲み、合間にも、15〜20分ごとに100ミリ・リットルほどは補給するように心がけたい。
 Tシャツや短パンなど、薄着で風通しの良い服装は、体温が上がりすぎないようにする効果がある。帽子はつばの広いものを選ぶとよい。
 また、熱中症を警戒するための情報も活用したい。環境省は熱中症予防情報サイト(http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/index.html)で毎日「暑さ指数」を紹介している。
 日常生活での熱中症予防に詳しい中京女子大教授の朝山正己さん(運動生理学)は、「急に暑くなった日などは体が慣れていないので、特に注意して。普段空調の利いた室内で過ごすことが多い人は、野外での活動、作業を行う数日前から、短時間、散歩するなどして汗をかくようにしましょう」と話している。

07.8.3. 読売新聞
【2007年7月】
07.7.16 下野新聞 塩崎官房長官・年金記録不備問題・賞与返納を渋る厚労次官に激怒・
「民間なら倒産だ」
 年金記録不備問題で政府が打ち出した社会保険庁職員の賞与自主返納をめぐり、塩崎恭久官房長官が6月下旬、対象範囲を限定しようと試みた辻哲夫厚生労働事務次官に激怒、全職員を対象とするよう事実上引導を渡していたことが分かった。首相官邸筋が15日明らかにした。
 塩崎氏は与党過半数割れの可能性も指摘される参院選情勢を懸念。厚労省・社保庁への厳しい姿勢を強調し「けじめ」を付けたことをアピールし、逆風をしのごうと判断したようだが、野党側からは「選挙目当てのパフォーマンス」との批判も出ている。
 辻次官は当初、全職員約17.000人のうち、幹部職員300数十人の返納にとどめる案を官邸に提示。これをはねつけられると、約九千人に広げる案を持ち込み「これ以上やったら弱い者いじめになる」と理解を求めた。
 これに対し塩崎氏「ふざけるな。民間の保険会社だったらボーナスが出ないどころか、会社も倒産だ」と怒鳴り上げ、渋々受け入れさせたという。6月25日の社保庁の発表を受け、結果的に93%の職員が返納に応じた。塩崎氏は参院選公示日の13日、東京都のJR八王子駅前で演説し「社保庁はまだまだ変わっていない。国民の怒りを何と考えるんだ」と憤りをあらわにしていた。
07.7.14  読売新聞  よみうり寸評

 

 

 「年金」―――最も重視したい政策や争点で1位(65%)になった。参院選に関する本社世論調査の結果だ。社会保障の重要なテーマの一つだからトップになって不思議はない◆だが、そうなった理由は、もっぱら年金の記録漏れ、宙に浮いた年金の不安によるものだろう。そこが情けないところ。こんな年金にだれがした◆いまさら社会保険庁のでたらめをくりかえして論じるのも腹立たしいばかりだが、参院選争点の1位だ。改めて経過を見つめ、混乱をどう収拾するか、各党の政策を見据えよう◆「年金問題の本質は日本の官僚がいかに無能、無責任、無駄使いであるかをわかりやすい形で露呈させたことだ」と堺屋太一氏がきつく指弾している(文芸春秋8月号)◆「年金データの記録と管理という極めて単純な作業さえできないほど無能。記録漏れという事故に対して呆れるほど無責任。その上、莫大な年金運用資金をグリーンピア始め無駄な投資に使った」◆「無能、無責任、無駄の官僚を駆逐せよ。団塊世代の一票が日本を変える」と堺屋氏は述べている。

07.7.12 下野新聞 地方第三者委本県5人発令 総務省
 総務省は12日付けで、領収書など保険料を払った証拠がない場合の年金給付を審査する全国50カ所の「年金記録確認地方第三者委員会」の委員308人を発令する。本県の栃木地方第三者委のメンバーは弁護士の渡辺力氏ら5人。
 「年金記録確認栃木地方第三者委」は渡辺氏のほか、税理士の安納宏和氏、行政相談員の唐木田有作氏、元宇都宮市職員の小針達宏氏、社会保険労務士の田中徳氏。
 地方第三者委は、中央第三者委が定めた「社会通念に照らして明らかに不合理でなく、一応確からしい」との判断に基づいて給付の可否を審査する。任期は2年間。審査申し立ては今月17日から全国の社会保険事務所を通して受け付ける。
 

 

【2007年6月】
07.6.30 読売新聞 「社保庁 手抜き当たり前」 職員が告白・年金番号確認せず・昼休みに入ると無視・働くとしかられた

 

 

 社会保険庁を解体し、職員を非公務員化する公法人を新設して出直しを図る法案などの国会審議が29日、成立に向けて大詰めを迎えた。与野党が激しい攻防を繰り返す中、東日本の社会保険事務所で働く職員が読売新聞の取材に、「手を抜くのが当たり前の職場。解体されても仕方がない」などと内情を証言した。職員の告白は、信頼回復への道のりがいかに険しいかを物語る。
 「決められたことをしないから、こんな組織になってしまった」。取材に応じた社保事務所の中堅職員の男性は、解体の運命をたどる自らの職場についてあきらめ混じりの口調で語った。
 男性が社保事務所で働き始めたのは1980年代。一通り業務を覚えると、職場の異常さに気づいた。指導してくれた先輩職員が、自分の教えた通りに仕事をしていない。例えば、年金番号をきちんと確認しない、窓口を訪れた人に給付額を丁寧に説明しない、昼休みになると窓口に人が来ても無視する。……
 積極的に仕事をすると、上司にしかられた。残業をしていると、「そんなことせずに帰りなさい」。揚げ句の果ては「君が仕事をし過ぎると、周りがさぼっているのが目立つだろう」。
 男性は周囲に煙たがられながらも、年金記録の確認や給付の相談に来た人に対し、丁寧に説明して納得してもらうよう努めたつもりだ。一方で、「最近は周囲に合わせてしまっているところもある」と打ち明ける。
 年金記録漏れ問題も、「職員の怠慢が一因」と考えている。
 97年に基礎年金番号が導入される以前のこと。転職などで入社した従業員の厚生年金について、企業が必要書類を提出してきた際、かつての職場の年金番号が記されていないケースが度々あった。本来なら、従業員本人に確認し、同じ番号をつけるべきだったが、面倒だからと、新しい番号をつけてしまう職員が多かった、と男性は証言する。「年金支給年齢になった時に記録をまとめようとしても、まとめきれない年金番号が出てくることは、みんな気づいていたはずだ」
 社会保険庁改革関連法案が成立すると、同庁は2010年に日本年金機構という組織になる。しかし、「社保事務所の係長以上は総入れ替えするぐらいでなければ、組織は変わらないでしょう」と話している。

                           ◇
 東京・霞が関の社会保険庁では29日、職員が複雑な表情を見せた。ある職員は「ここ数年、次々に不祥事が発覚し、批判を浴び続けてきたので、若い職員がやる気を失いそうだった。早く新しい組織で再出発したい」。しかし、「新組織で採用されるのかどうか不安もある」とも話し、表情を曇らせた。
 30年以上勤めている別の職員はこの日、人のために働きたいと意欲を持って入庁した当時のことを思い出したという。この職員は「ここまで信頼をなくしてしまったことは本当に残念。組織がなくなるのは寂しいが、年金制度への信頼を取り戻すため、生まれ変わるしかない」と語った。
 

 

07.6.26 読売新聞 不明5000万件 解析チーム設置へ 厚労省
 厚生労働省は25日、該当者不明の約5000万件の年金納付記録の持ち主を「死亡者」「年金の受給資格のない人」などに分ける解析作業を実施する方針を固めた。近く、厚労相の下に専門家の作業チームを設置する。
 解析作業は、自民党の年金問題の検証チーム(主査・茂木敏充衆議院議員)が、政府側に要請した。だが、社会保険庁コンピューターシステムの著作権を持ち、管理も担当するNTTデータの了承がないと解析作業は難しかった。これを受け、菅原一秀厚生労働政務官が25日、同社執行役員らと会い、同社の了承を得た。
 作業チームは社保庁職員のほか、日本経団連が、無報酬でコンピューターのシステムエンジニアを8人派遣する。NTTデータの了承を得たことで、解析作業は、ほとんど費用をかけず実施できるという。
07.6.25 下野新聞 緑資源07年度廃止 林道事業は都道府県移管

 

 

 農水省は24日、林道整備をめぐる官製談合事件で元理事ら二人が起訴された同省所管の独立行政法人「緑資源機構」を2007年限りで廃止し、同機構の主要業務の大規模林道事業を08年度から都道府県に移管する方針を固めた。
 林野庁や同機構からの天下りが批判された公益法人のうち、談合事件で逮捕者を出した受注側の森公弘済会と林業土木コンサルタンツは設立許可を取り消す。
 緑資源機構については、赤城徳彦農相が廃止の方向での検討を表明。同省内で継続する事業の取扱いなど具体的な対応策を協議していた。参院選を前に、談合の舞台となった同機構の処分決定を急ぐ必要があると判断したとみられる。
 同省の有識者らでつくる第三者委員会で議論した上で、来年の通常国会に独立行政法人緑資源機構法廃止法案を提出する。
 緑資源機構の大規模林道事業は、全国で計二千キロを整備する計画。既に千三百キロが完成している。残り七百キロについては来年度から都道府県の事業とし、すべて同省の補助の対象とする。
 各都道府県が全路線を引き継ぐかどうか今後、同省と調整するが、採算性や必要性が疑問視される区間については計画の大幅な見直しもありそうだ。

07.6.23 読売新聞 社会保険庁・年金記録に関する年表
1942年6月   厚生年金が発足
1957年10月  厚生年金の記録にパンチカードによる機械処理を導入
1961年4月   国民年金が発足。国民皆年金に
1962年3月   厚生年金の記録に磁気テープによる電算処理を導入
1962年7月   社会保険庁が発足
1964年9月   社保庁の通知に「機械処理による記録事故が93万」と報告
1965年4月   国民年金の記録に磁気テープによる電算処理を導入
  75年〜77年 54年以前に資格喪失した厚生年金の台帳を磁気テープ化せずに、マイクロフィルム化。
         87年時点で約1430万件
  79年〜    全国の社会保険事務所と社会保険庁を結ぶオンラインシステムを順次導入
         (〜89年2月)
1985年     基礎年金導入。実施は86年4月から
1985年9月    マイクロフィルム化が完了した国民年金被保険者台帳などの廃棄を社保庁から都道府
         県あてに通知
1988年10月  社会保険オンラインシステムのセンターとして「社会保険業務センター」が発足
1997年1月   基礎年金番号を導入
2000年4月   地方事務官制度の廃止により、都道府県にあった地方組織が社保庁の組織に改編
2002年4月    国民年金保険料の収納業務を、市町村から国に移管
07.6.23 読売新聞 年金問題で丹羽元厚相 「自分自身を恥じている」
 自民党の丹羽総務会長は22日、茨城県つくば市で講演し、年金記録漏れ問題について、「私も(過去に厚相などを務め)社会福祉行政に責任を持つ立場なだけに忸怩(じくじ)たる思いだ。社会保険庁の解体的な出直しを主張してきたが、これほど腐りきっていたことを全く把握できなかった自分自身を恥じている」と述べた。  

 

07.6.15 下野新聞 検証委初会合 1カ月以内に中間報告

 

 

 社会保険庁の年金記録不備問題の原因と責任の所在を解明する総務省の年金記録問題検証委員会(座長・松尾邦弘前検事総長)が14日、初会合を開いた。
 松尾座長は会合後の記者会見で、年金記録の不備状況について「早ければ1カ月以内に中間報告を出したい」と述べるとともに、委員会が行う意見聴取について「必要があれば聖域はない」とし、歴代の厚相や厚労相、社会保険庁長官なども対象とする可能性を示唆した。
 会合では管義偉総務相が冒頭で挨拶し「再発防止のため、明らかになった事実を包み隠さずに公表してほしい。年金制度の根幹を揺るがしかねない異常事態。検証委員会で問題発生の経緯、原因、責任を調査、検証してほしい」と要請した。
 これを受け、松尾座長が「国民の安心の基盤である年金制度に不安が投げ掛けられている。大変大事な仕事。精一杯努力する」と、徹底した原因究明と責任追及に意欲を示した。
 検証委では今後、基礎年金番号に統合されていない約5千万件の記録不備が起きた過程を精査。社保庁の業務内容に対し、入力ミスのあった被保険者の特定を本人から申請があるまで積極的に行わなかったケースをはじめ、事務処理が適切だったかどうか検証を進める。
 さらに世論の厳しい批判を受け、職員のずさんな仕事の背景になっているとされる労働組合の影響を取り上げる可能性もある。
 しかし検証委に強制調査権はなく、社保庁側の協力姿勢によっては看板倒れに終わりかねない、との懸念もある。

07.6.15 社保OB15人発注先に天下り 共産・小池氏指摘
 14日の参院厚生労働委員会で、共産党の小池晃氏は、社会保険庁や旧厚生省などのOB計15人がNTTデータ(東京)といったコンピューター・システム関係の発注先企業に天下りしていた、と指摘した。小池氏によると、元社保庁次長や旧厚生省大臣官房審議官がNTTデータの常務に天下ったり、同庁社会保険業務センターの元幹部らが、日立公共システムサービス(同)の担当部長などとして再就職していた。
07.6.12. 下野新聞 都道府県単位で第三者委を検討 年金記録不備で首相
安倍晋三首相は11日、社会保険庁の年金記録不備問題で領収書など証拠がないケースの年金支給の是非などを判断する第三者委員会を、総務省と同省の地方出先機関である管区行政評価局などに設置することを決め、政府与党連絡会議で与党側に伝えた。
 安倍首相は同日夜、記者団の質問に答え、「(第三者委員会は)身近な所にあった方が便利だろうと思っている」と述べ、設置を都道府県単位とすることも検討していることを明らかににした。管義偉総務相は、今月中に第三者委員会を立ち上げる方針を記者団に表明、「委員の人選、審議内容を早急に詰める」と述べた。
 第三者委員会は弁護士や社会保険労務士らで構成。総括組織を総務省内に設置する。同省は行政に対する苦情や要望を受け付ける「行政相談」のノウハウがあることから、社保庁と離れた中立的な立場で審査が可能と判断した。
 

 

2007年6月8日閣議後記者会見用・大臣御発言要旨(案)(年金記録問題検証委員会関係)
1 前回の会見で申し上げた「年金記録問題検証委員会」につきまして、メンバー、立ち上げの時期等につき決定いたしましたのでご報告いたします。
2 メンバーは、後ほど事務方から配布させますが、座長として、前の検事総長の松尾邦弘さんにお願いし、計7名で構成することとしています。
3 また、第1回委員会は6月14日(夕方)を予定しております。
【担当:行政評価局 庄司評価監視官】

 (別紙)
年金記録問題検証委員会
金田  修  (カネダ オサム)  東京都社会保険労務士会会長
 川本  裕子 (カワモト ユウコ)  早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
 齊藤  忠夫 (サイトウ タダオ)  東京大学名誉教授
 野村  修也 (ノムラ シュウヤ)  中央大学法科大学院教授・弁護士
 東田  親司 (ヒガシダ シンジ) 大東文化大学法学部教授
◎松尾  邦弘 (マツオ クニヒロ)  弁護士(前検事総長)
 屋山  太郎 (ヤヤマ タロウ)   政治評論家

◎は座長
[計7名]
(敬称略・五十音順)

想定1 年金記録問題検証委員会の業務内容を問う

(答)
1 この委員会は、年金記録問題発生の経緯、原因や責任の所在等についての調査・検証を早急に行うもの。
 具体的には次のような視点から実施
(1) 現在問題となっている事項に関する事実経過の確認
   ・ 基礎年金番号に統合されていない約5000万件の記録
   ・ 紙台帳にあるが、オンラインデータに入っていない記録
   ・ 社会保険庁や市町村に記録がないケース
(2) 上記事項が生じた経緯及び原因等
   例えば、
   ・ 基礎年金番号導入時(平成9年)前後及びそれ以降
   ・ オンライン導入時(昭和54年〜)前後およびそれ以降
 2 年金記録問題検証委員会において、基本方針を決定し、必要な調査を指示し、調査結果に基づき解明・検証を行っていただくもの

想定2 年金記録問題検証委員会のメンバーは、どのような視点から選任したのか。

(答)
   年金記録の管理、事務処理に関する問題について、幅広い観点から検討してもらうため、各方面の関係する分野に精通する有識者を、民間を中心に選定したもの。
  ・ 法曹関係者
  ・ 年金実務に精通している者
  ・ 情報システムに精通している者
  ・ コンプライアンスに精通している者
  ・ 評論家
  ・ 行政実務経験者   等

想定3 年金記録問題検証委員会は、いつまでに結果を出すのか。

(答)
 1 年金記録問題検証委員会においては、年金記録に関する問題が生じた経緯(事実関係)や原因等について、社会保険庁に対する書面や聞き取りによる調査などに加え、行政評価局による@関係資料の精査、A社会保険事務所等の実地調査も予定している。
 2 このような調査を行った上で、遅くとも秋口までには結果を出してもらいたいと考えているところ。
  (参議選までに結果を出さないのかと問われた場合)
   結果はできるだけ早く出したいが、この問題が発生した経緯、原因や責任の所在等を実地調査を含め、徹底的に究明することとしており、ある程度の期間は必要である。

想定4 年金記録問題検証委員会を総務省に設ける理由を問う。

(答)
 1 総務省に年金記録問題検証委員会を設置することは、最終的に官邸の御判断によるものである。
 2 これは、
  @ 問題の検証を、厚生労働省自らが行うことについて国民の理解が得られないということ、
  A 行政評価・監視を実施する総務省が行うことにより、有識者に客観的な情報を提出することができる。
   などから、このように判断されたもの。
 3 総務省としては、国民に対し、なぜこのような事態となったのかという点について明確にわかるように全力で取り組んでまいりたい。

想定5 過去の厚生労働大臣、社会保険庁長官の責任を追及するのか・

(答)
   年金記録問題検証委員会は、まずは、年金記録の管理、事務処理に関する問題について、当該問題が発生した経緯、原因等に付いて解明・検証してもらいたいと考えており、これらの調査結果により、自ずと責任の問題についても議論されることになると考える。
2007年6月7日 読売新聞 社労士連合会が無料相談
全国社会保険労務士会連合会(東京)は6日、年金記録漏れ問題に関する無料相談を、今月中にも始めることを表明した。47都道府県の社会保険労務士会にある年金相談センターや、全国2万カ所の社会保険労務士事務所で無料相談を受け付ける。各地の社会保険労務士会の相談態勢に関する問い合わせは、同連合会(03−6225−4864)へ。  

 

2007年6月7日 朝日新聞 社労士への年金相談、「無料で」 連合会、全国へ要請
「宙に浮いた」年金問題で、全国社会保険労務士会連合会(東京都)は6日、年金記録が「宙に浮いた」「消えた」という人の相談には無料で応じるよう全国の社労士に求め、都道府県ごとの社労士会が実施している年金相談も態勢を強化していくことを決めた。
 社労士事務所は全国に約2万カ所。社労士が年金記録に疑問がある人からの相談を受け、社会保険事務所や市町村役場で記録を探したり、職業履歴を調べたりする際は、原則無料とするよう、同連合会から要請する。
 各地の社労士会による年金相談も、実施日数や対応する社労士の人数を今より増やすなどしたうえで無料で応じる。
 東京都の社労士会の場合、週1回の無料相談を今月中にも週3回に増やすことを検討中という。
 

 

連合会理事会・NHK19:00.ニュースで年金記録漏れ関連で報道された。
07.6.6. 連合会理事会・NHK19:00.ニュースで年金記録漏れ関連で報道された。  

 

2007年6月5日 年金ずさん・5.000万件 バイト任せ ミス多発

 

 

07.6.5. 「コンピューターへの年金記録の入力作業は、主婦など素人のアルバイトに任せていた」。東京都内の社会保険事務所に勤務していた元職員(63)は、記録漏れを引き起こした電子化作業について、こう証言した。
 社会保険庁には、誰のものかわからない保険料納付記録が約5.000万件もある。中には、氏名や生年月日などの入力ミスが大量に含まれている。「業務量が膨大なので、職員の対応には限界があった」。元職員はそう語ったが、作業を外部業者に委託したケースもあるなど、社保庁側の管理監督も不十分だった。記録漏れの原因がアルバイト任せのずさんな作業にあったことは間違いない。
 年金記録の電子化は、1970年代から本格化。古い手書きの納付記録にある振り仮名なしの漢字の氏名を、カタカナに置き換えて入力していた。その際、本人や勤務先への確認はほとんど行われなかったという。
 「名前の読み方が何通りか考えられる場合でも、確認したのでは時間が取られる。常識的な読み方で入力し、わからない漢字は辞書を引いて調べる決まりになっていた」と、元職員は話す。この結果、「フルタニ」(古谷)が「フルヤ」、「ケイコ」(佳子)が「ヨシコ」などの誤りが多発し、せっかく払った保険料が年金額に反映しないという事態につながった。
 また、5.000万件の中には、生年月日不明の記録が約30万件も含まれている。これについても、元職員は「生年月日がわからなければ、とりあえず空欄のままにしておいた」と言う。
 高齢者の暮らしを支える公的年金の業務に、ミスは許されない。なぜ、記録を丁寧に扱わなかったのか。
 問題は、国民を軽視する組織の無責任な体質にある。
 社保庁の職員組合「自治労国費評議会」は、コンピューター導入に際して、「労働強化が生じないよう十分配慮する」「一人1日のキータッチは平均5.000タッチ以内…」など仕事量が増えないように、様々な確認事項を取り交わしていた。国民の利益より、労働条件が優先。それを野放しにして組織改革を怠った幹部職員、厚生労働省の責任は重い。
 入力ミスなどが原因で誰のものかわからなくなった記録も、基礎年金導入時に、氏名や生年月日、性別などを念入りに確認し、誰のものかを突き止める「名寄せ」をきちんと行っていれば、被害は少なく済んだはずだ。にもかかわらず、社保庁の対応は、対象者に注意喚起の文書を送るなどに限られていた。
 「勤め先の会社と連絡を取るなどして確認する方法もあったが、国民年金保険料の徴収にも人員を割かなければならず、結果的に、十分な名寄せができなかった」。社保庁の元幹部は、そう弁解するが、新藤宗幸・千葉大教授(行政学)は、「もっと繰り返し注意を呼びかけ、コンピューター内の記録を徹底的に調べるべきだった。年金は本人の請求に基づいて支払う『申請主義』なので、積極的に記録を調査して国民の受給権を保障しようという責任感があまりにも薄かった」と指摘する。
 「社保庁は私たちがみんな死んで、いなくなるのを待っていたんだろう」。記録漏れで年金額が少なくなった高齢者の憤りの声を、関係者は同受け止めるのだろうか。
 大量の記録漏れが、国民の年金不信を増幅している。なぜこのような失態が相次ぎ、放置されてきたのか。該当者不明の年金記録「5.000万件」の背景に迫った。

【2007年5月】
2007年5月26日 年金記録不備

 

 

07.05.26 年金記録不備 5年間の時効 撤廃
首相、救済策を表明
 阿倍晋三首相は25日午後の衆院厚生労働委員会で、公的年金の記録不備問題をめぐり、時効により本来の受給額との差額を過去5年間分しか受け取れない受給者について、この規定を撤廃して特別立法で救済する方針を明らかにした。

2007年5月21日 「労働基準広報」
月10回の当直勤務など過重な業務が原因
日本大学医学部の付属病院に勤務していた研修医の女性(当時26歳)の自殺について、東京・池袋労働基準監督署(当時:小美野昌泰/現:遠藤敏雄署長)が、自殺は過重な業務が原因として、今年2月に業務上と認定し、遺族補償給付などの支給決定を通知しといたことがわかった。
 遺族の代理人の朝倉正幸弁護士によると、この女性は、平成17年3月に医師免許を取得し、よく4月から都内に3カ所ある同大付属病院で順次、研修を開始した。しかし、同年9月ころから過労で「うつ」状態となり、18年4月に自宅で筋弛緩薬などを自ら注射し、自殺したもの。
 同氏によると、女性は、法定労働時間を大幅に超える勤務をしており、女性の父親が給与明細などを調べたところ、当直勤務が多い時には、月10回に達したこともあったという。
 研修医については、平成10年に関西医科大学病院の研修医が過労死するなど過酷な労働環境が問題視され、厚生労働省では、平成16年から、新医師臨床研修制度をスタートさせた。
 新制度では、医師免許取得後2年間の臨床研修を義務づける一方で、研修医を受け入れる病院側の施設基準(研修医の定員、指導医の条件など)を定め(1)研修医に対する適切な処遇が確保されていること(2)原則として公募による採用が行われていること―などの条件が課された。
 同省では、「新制度が開始されてから、研修医の過労を原因とする労災認定は初めてではないか」(職業病認定対策室)としている。
 

 

2007年5月18日 セクハラを労災認定
セクハラを労災認定
ファミリーレストラン「デニーズ」の元アルバイト店員で神奈川県小田原市の女性(34)が職場でのセクハラ(性的嫌がらせ)やイジメが原因で「うつ病」になったとして出した労災申請について、小田原労働基準監督署(神奈川県小田原市)が労災認定していたことが17日分かった。
女性の代理人弁護士などによると、「うつ病」の労災認定は長時間労働など過労を原因としたものが多く、セクハラに起因するとした認定は全国的にも珍しいという。


 

 

 

 

07.5.18 下野新聞・雷鳴抄
 新緑がまぶしい季節。だが、さわやかさに心浮き立つ人ばかりではない。この春進学や就職、職場異動をして、はじめは張り切っていたのに、ふと気がつくと、体がだるい、やる気がなくなったという人はいないだろうか▼新しい環境に慣れようと一生懸命だったのにいつの間にかストレスでいっぱいになっている。俗に言う「五月病」だ。もともとは大学の新入生を指していたが、最近は社会人にも目立ち、それも五月だけではないそうだ▼県精神科診療所協会会長の手塚隆夫さんによれば、まじめで几帳面な人ほどかかりやすいという。初めて仕事はできなくて当たり前なのに、うまくいかないと落ち込んでしまう。これだけ努力してダメなら別のやり方に変えてみよう、という発想の転換ができないのだ。つらいなあと感じたら、「まずは休養を、そして専門医を受診するように」と助言する▼では、周囲はどうしたらいいのだろうか。「上司や同僚が『君の状況はよくわかっているよ』というサインを、常に送ってあげることが大切」と手塚さん。「頑張れ!」ではなくて「随分頑張ってるじゃない」「よく頑張ったね」と▼部下が、五月病から本物の「うつ病」に進まないようにするには、先輩達も自分の若いころを思い出してみてはどうだろう。上司からかけられて励まされた言葉、そしてその逆の言葉を。

2007年5月8日 漂流する倫理
漂流する倫理
「武士道」「品格」大はやり
 約20人の受講者を前に、「武士道の心を表す12の漢字」を講師が横一列にホワイトボードに書き出した。
 仁、義、礼、智、誠、孝、忠、廉、恥、勇、名、克、「この中で最も好きなのは?」という問いかけに、受講者の一人から「勇」という声が上がる。講師は「勇とは正しいことを正しいと言い、間違いを間違いと言えること」と説明し、「社員に勇がなく、正しいことを指摘できないからこそ、企業に不祥事が起こるのです」と続けた。
 武士道精神に基づくプログラムが売り物の人材育成会社「ラインエイジ」(東京)が先月19日、兵庫県加古川市で、地元の携帯電話販売会社の幹部社員や店長を対象に開いた社員研修の一こま。12文字は、新渡戸稲造の「武士道」などを参考に歴史学者などの助言も得て、ラインエイジが選んだものだ。
 携帯電話販売会社の社長(63)は、武士道精神の復活などを訴えた藤原正彦・お茶の水女子大教授のベストセラー「国家の品格」に感銘を受け、月1回ずつ1年間の研修を依頼した。「一つの不祥事で企業が信用を失う時代、社員に倫理がないと会社は成り立たない」。この会社を含めて現在5社が契約している。
 2005年11月の同書の出版で拍車がかかった武士道ブーム。大手書店の中には「武士道本」のコーナーを設けているところも多い。
 武士道で思いやりを意味する「仁」を身につけ、職場では同僚への気遣いを欠かさぬよう勧める―そんな具合に、利己心を抑えた生き方の手本を江戸時代の武士に求め、組織の一員として生活に役立てる手立てを説く本が目立つ。
 倫理やマナーの向上を訴える際に「品格」という言葉を使うこともブームだ。
 「『品格の磨き方』『日本人の品格』」…。書店には「品格本」も並ぶ。
 中でも昭和女子大学長の坂東真理子さんが書いた「女性の品格」は、06年9月発行以来、すでに42万部が売れた。「約束をきちんと守る」「利害関係のない人にも丁寧に接する」「よいことは隠れてする」、そして「倫理観をもつ」。66項目にわたって「品格ある生き方」を紹介している。
 「育児本と同様に、マナーや道徳を親が教えられなくなっていることがブームの背景にあるのではないか」。出版元のPHP研究所は、そう分析する。
 しかし、専門家の間には、こうしたブームに違和感を唱える声もある。
 「何事もマニュアル頼りの風潮に、道徳まで巻き込まれた観がある」と語るのは、加藤和哉・聖心女子大准教授(哲学・倫理学)だ。
 東大大学院の菅野覚明教授(日本倫理思想史)も「道徳は法律と違い、『私はこうありたい』と自分で自分を律するルール」とした上で武士道ブームに苦言を呈する。「裏を返せば今の日本人の主体性のなさの表れ。右にならえで武士道を讃美すること自体が、自らの信じる道を独立自尊の精神で歩み、武士道を築き上げた武士の精神に反する」
 ブームの火付け役になった藤原教授自身、こう語っている。「武士道にも品格にも王道はない。私の本を含め、本を一冊読んだからといって、すぐにその人が変われるわけではない」ただ、藤原教授はこうも言う。「忘れ去られていた惻隠の情や卑怯、恥といった言葉に多くの人が触れるようになっただけでも、前進と言えるのではないか。これからは、どう深めていくかが問われている」
 知識を知識に終わらせない―それは教科格上げが検討される道徳教育の課題でもある。
 

 

【2007年4月】
2007年4月6日 「読売新聞」 「窓」閉ざすばかりでは
「地域から表札や住居表示が消えたらどうなるか」と創造したら分かるように、個人情報は人と人をつなぐ結び目のような役割を果たす。外と内の境界にある「窓」のような存在と言ってもいい。ところが、プライバシー意識の高まりや個人情報保護法の施行もあって、「個人情報を隠さないと悪用される」という意識だけが拡大してしまった。背景には、技術の進歩で大量の個人情報が複写・伝達されるようになったこともある。技術の変化に応じた管理が求められるのはもちろんだ。ただ、窓は閉めるためでなく、開けるためにあることを忘れてないようにしたい。(恒次)  

 

【2007年3月】
2007年3月17日 「読売新聞」

 

 

07.3.17 家電量販店最大手・ヤマダ電機(本社・前橋市)の大阪市内の大型店舗で、店側が家電メーカー販売員「ヘルパー」に業務の指示・命令を行っていた問題で、大阪労働局は、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)と認定、この店舗とメーカー数社に対して是正指導した。店側は契約関係がなく、人件費も一切負担していないヘルパーを実質、管理下に置いて従事させており、その就労実態はメーカーからの違法な労働者供給にあたると判断した。家電量販店業界は、強い販売力を背景に、メーカーから多数のヘルパーを受け入れているが、管理を巡る違法性が明らかになるのは初めて。今後、業界としても見直しを求められそうだ。
 是正指導うけたのは、大阪市浪速区の「LAB 1(ラビワン)なんば」。関係者によると、大阪労働局が1月24日に立ち入り調査した際、10社以上のメーカーのヘルパー計約200人が働いていた。同店の社員数(約270人)の約7割に相当するという。
 同店は、イヤホンとマイクがセットになった無線装置の着用をヘルパーに義務付け、同装置を通じて接客などを支持。社員と同形式の社名入り名刺を支給し、顧客には社員と区別しにくい形にしていた。
 また、「休日希望」を提出させ、毎月の勤務ダイヤも店側で作成していた。
 こうしたことなどから、労働局は、同店が実質、ヘルパーを労務管理し、日常の業務を直接、指示・命令していたと判断。本来、管理すべきメーカーから、職業安定法44条で禁じられた労働者の提供を受けていたとして15日、同店とメーカー双方を是正指導し、今後の改善結果の報告を求めた。
 同法によるとヤマダ電機側が指示・命令できるのは、直接雇用した社員やパート従業員らのほか、人材派遣会社と直接契約して人件費を負担する派遣労働者らに限られている。
 ヤマダ電機は東証1部上場、直営・系列店は全国で300店を超える。売上高(単体)は2006年3月期で1兆2642億円。
 ヤマダ電機経営企画室の話「(是正指導を受けたかどうかも含め)一切、コメントできない」

2007年3月14日 「読売新聞」

 

 

07.3.14 事故病気などで脳に後遺症が残り、記憶力が低下したり、計画的な行動が苦手になったりする「高次脳機能障害」。最近、こうした人たちの就労する場が除々に広がってきた。しかし、支援者不足などの課題も多い。社会全体で関心を高めていくことも必要だ。(坂東 玲子)
東京・多摩市の「あいおい事務サービス」。静かなオフィスで、加藤僚祐さん(28)が保険証書のデータをパソコンに入力していた。「周囲の助けを借り、仕事を続けて来られました」
 加藤さんは大学生だった20歳の時、自転車に乗っていて電信柱に激突、頭を強打した。3週間後に意識を取り戻したが、その後、物忘れがひどくなり、歩いたことのある道でも迷うようになっていた。
 入院などを経て2002年、国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)に通い始めた。就労を希望する高次脳機能障害の人向けの訓練コースが新設されたばかりだった。様々な作業をしながら、メモを取ったり、専用に開発された携帯情報端末(PDA)を使ったりして、自分を管理する手法を学んだ。
 1年間の訓練を経て03年に就職。最初は、仕事の仕方が急に分らなくなったり、大事なデータを見落としたりすることが続き、落ち込んだ。しかし、上司や同僚の注意をメモし、自分の弱点を書き込んだ作業マニュアルを作成。始業前に読み、ミスを繰り返さないよう心がけた。
 「根気よく支えてくれた人たちのためにも頑張らないと」と加藤さん。努力が実を結び、昨春、契約社員から正社員になった。
 「障害を持つ人には若者や働き盛りも多く『働きたい』という思いは切実。訓練で障害をカバーし、企業で働くことも可能だと広く伝えたい」と同センター主任職業訓練指導員の岡谷和典さんは力を込める。
 こうした就労支援は全国約50カ所にある障害者職業センターでも始まっており、多くの人が就職や復職をしている。


 社会にでる準備の場として、当事者の親や地域が協力して作業所を設立、運営する例も増えてきた。
 愛知県豊橋市にある「笑い太鼓」もその一つ。約30人が鶏卵のパック詰め自動車部品にゴムをはめ込む作業をしながら就労を目指す。地域とつながりを持てるよう、草むしりや引越しの手伝いを請け負う「便利屋」業も営む。
 「地域での仕事は、まだ認知度の低いこの障害を知ってもらう良い機会にもなる」と相談支援員の加藤俊宏さん。積極的な取組みが実を結び、今年度、5人の就職先が決まった。
 高次脳機能障害は、身体障害と違い、自覚しにくい。深刻な記憶力低下も「うっかりしていた」「問題ない」など軽視しがちだ。
 「笑い太鼓」理事の星川広江さんは「作業所では、仲間とかかわりによって自分の障害を自覚でき、苦手な部分を補う手段を模索できる。障害を知り、受け入れることが働くことへの第一歩になる」と話している。
 

 

 

 

全国に30万人
脳内出血など病気でも
 高次脳機能障害は、脳内出血やくも膜下出血などの病気が引き金になる場合と、交通事故やスポーツなどで頭を強く打って起こる場合がある。記憶や思考といった人間の行動をつかさどる脳の高次な部分に支障をきたすことから、この名前がついた。
 障害には個人差が大きいが、主に@新しいことが覚えられない(記憶障害)
Aぼんやりしてミスが多い(注意障害)B計画を立てて実行できない(遂行機能障害)――などがある。障害者として認定を受け、手帳を取得することもできる。
 とはいえ、日常会話は普通にこなせる人も多く、周囲からは単に「人が変わった」「怠け者になった」ととらえがちだ。
 医療の発達で助かる命が増える一方で、こうした障害を負う人も増加傾向にあるといわれる。厚生労働省によると、障害者数は約30万人だが、実態はよく分かっていない。診断基準も3年前に示されたばかりだ。
 NPO法人「日本脳外傷友の会」(神奈川県)理事長の東川悦子さんは「障害があることに気付かず、社会に適応できないまま悩み続けている人は多いはず。異変に気付いたら、早急に専門機関に相談してほしい」と話す。
 同省では、2001年から高次脳機能障害者への支援を本格化。北海道、神奈川、三重など全国16地域に「支援拠点機関」を作り、専門知識を持った相談支援コーディネーターを配置し、生活上の悩みに答えたり、就労のための訓練先を紹介したりしている。しかし、訓練できる場はまだ少ない。コーディネーターの人材も不足するなど、課題は山積している。
 東川さんは「障害のことを多くの人に知ってもらうとともに、社会の中での受け皿つくりを進めていく必要がある。家族や本人たちが声をあげなければ」と語っていた。

データ 「30代」33% 「交通事故」 36%
 調査研究などを行っている「障害者職業総合センター」(千葉)主任研究員の田谷勝夫さんは、地域の就労支援の拠点となっている障害者職業センターの利用状況について調査した。2004年度の調査では30センターが回答。高次脳機能障害のある290人が利用し、男性が8割を占め年代別では、30歳代(33%)が最多で20歳代(22%)、40歳代(21%)が続いた。原因別では、「交通事故」(36%)が多く、「脳内出血」(13%)「くも膜下出血」(6%)「脳梗塞」(6%)も目立った。

【2007年2月】
2007年2月15日 「下野新聞」

 

 

腰痛女性に「甘えるな」 労基署課長が暴言 成田

 成田労働基準監督署の課長が、腰痛で労災認定され休業補償を受けていた日本航空勤務の40代の女性に「こんなに(補償)もらって甘えるな」「みんな我慢しながら働いている」と暴言を吐き、後で謝罪していたことが14日分った。この女性が所属する労組「日本航空キャビンクルーユニオン」などが同日、記者会見して明らかにした。客室乗務員の女性は、4年前に重い腰痛になって労災認定された。昨年2月、労基署の課長から聴取を受けた際に「完全に痛みが取れるまで休もうと思ったら大間違い」と言われたという。さらに女性の主治医が治療を続ける必要があると診断していたのに、課長は「これ以上よくならない」と判断して補償を打ち切った。通常は別の医師の判断を聞いた上で打ち切るが、その手続きも踏んでいなかった。

【2007年1月】
2007年1月22日 「社労士プラザ」
 社会保険労務士の仕事は、非常に幅が広いが、なかでも労災事故がらみの通勤災害の処理をするケースでは、現場へ向かい常に携帯しているデジカメ、スケールなどで、しっかり現場の確認・記録をしておくことにしている。
 建設業・製造業・運送業など多くの業種には、その業界特有の言葉があり、また、使用方法も、社会保険労務士を長くやっていても、とても全部覚えきれるものではない。そのため、事故を発生させた現場では、業
 

 

界用語を理解するまで会社の担当者に詳しく話を聞きながら、大きさ、重量、用途、動きなどを実際に自分の目で確認し、記録しておかなければならない。「現場へ行く回数が多いほど、実力が自然についてくる」と考えており、実践勉強のできる場といえる。
 例えば、現場に足を運び確認・記録したものには「公共施設の破風塗装工事中の写真撮影をしている時(ヘルメット着用)に、足場(高さ4メートル30センチメートル、幅40センチメートル)上で、カメラを覗きながらピントを合わせるために後ろへ下がったところ、建物の形状のため足場の幅が25センチメートルの場所で、足を踏み外し、壁と足場の間75センチメートルに転落・左前頭部をコンクリート床面に打ち、負傷したもの」がある。
 現場を確認したあと、業務は労働者死傷病報告書・療養補償給付請求書・休業補償給付請求書の記入・提出と流れていくが、最初に現場をしっかりと確認しておけば、書類の作成が非常に早く、適時に被災者や病院に提出できる。また、障害が残った場合の障害認定の際は、被災労働者に同行し、認定内容をよく確認しておけば、被災労働者が障害等級に不服があった時に、審査請求、再審査請求などの主張もしやすくなる。
 最近の事例をみると、建設現場で転落負傷し、障害等級が14級と認定されたが不服があったため、審査請求をしたところ、12級になったものがある。大型トラックの運転手が国道で前方を走行していた2トントラックに追突し死亡した別のケースでは、現場のスリップ痕の幅を写真で撮影し計測していたことが奏功。前方のトラックが青信号を赤信号と勘違いして急ブレーキをかけたことによる追突事件と判明し、自動車損害賠償責任保険から多額の補償が得られた。
 これからも現場を詳細に知ることにより、役所への対応力を高めるとともに、真実で度胸ある書類を作成できるように、深く・広く勉強していきたいと思っている。

2007年1月6日 「心の痛み 診察室 県内受診者ファイル」

 

 

やりがい 働き盛りを襲った「うつ」

 「もう、限界なんです。仕事が・・・。できません」
 細身の妻に付き添われ、診察室の椅子に腰を下ろした男性は、そう訴えた。うつ病患者は、自分の症状をうまく伝えることができないとされる。ある調査では、初診の段階で「意欲・興味の減退」「仕事能力の低下」などの症状を自ら医師に訴えられたのは、うつ病患者のわずか4%

だったとのデータもある。大半は内科などを受診し疲労感、倦怠感などの訴えにとどまる。
 黒田光一さん。43歳。時間をかけ、問診で丁寧に症状を聞き出す。すると、黒田さんは、うつ病に特徴的な自覚症状を次々と口にした。「仕事中に集中力が続かない」「そうにも考えがまとまらない」「何をやっても楽しいと思えなくなった」「飲みに行くとか、付き合いが億劫で」「涙もろくなった」「自分は能力が低い、駄目な人間だと思う」
 県内で4人兄弟の末っ子として生まれ、高校卒業と同時に製造業の会社に就職。一貫して設計部門で働いてきた。結婚して3人の子供にも恵まれ、長男が高校受験を控え、一番下の子が小学校に入学したばかり。働き盛りという言葉が、ぴったりの時期に「仕事が続けられなくなった」とうつむく。そんな状態でも「家族を守らなければならないと思って、3年間は頑張ってきたのですが・・」と涙ぐんだ。
 初診でうつ病と診断された黒田さんは、医師から病名を告知され、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)のため、薬の効能を含め治療方法に関する説明を受けた。
 食欲がない患者には、もとは胃潰瘍治療薬だった薬が、抗うつ薬として処方される。食欲が戻ることで、治療が一歩進むという。
 黒田さんも2種類の抗うつ薬を飲み始め、2週間で明らかに様子が変わってきた。
 勝っても負けても興味を失いつつあったジャイアンツの試合も、再び、熱心に観戦するようになった。集中力を欠いて繰り返した仕事上のミスもほとんどなくなり、仕事が終わって同僚と飲む酒も再び「うまい」と感じられるようになった。
 「治った」。初めて心療内科を訪れてから半年が経過したころ、そう確信し、黒田さんは自分の判断で薬を飲むのをやめた。
 そして2ヶ月後、再び、仕事に対するモチベーションは上がらなくなってしまった。
 「心」を「病む」人が増えている。厳しい競争社会でのリストラ、交通や通信システムの高速化で失われたゆとり。そうした社会環境や人間関係などストレスにあふれた社会に生きるわれわれの「現代病」とも言える。そして病気の増加により、精神疾患に対する社会的偏見も変化の兆しが見え始めている。宇都宮市一番町の「一番町クリニック」の診察室から、代表的な事例を報告する。
 手塚隆夫院長の「ひとこと」
 再開した治療では、反応が鈍く、病状が安定するまでに3ヶ月を要しました。
「うつ病は治る」と言ってもいいのですが、勝手に治療を中断した場合、再び治療に取り組んでも、完治まで前回より時間がかかるケースが多いようです。
 (この連載は、プライバシー保護のため、複数の実例で再構成しています。
文中仮名。監修は県精神科診療所医会会長の手塚隆夫・一番町クリニック院長)
06.10.18.下野新聞
 
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